地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

 次の日の早朝の飛行機に乗るため、終電間際の電車に乗る。都心に向かう終電は、今からどこかに行く人が案外、多い。大きなキャリーバッグを引いている人もいれば、化粧をしている女性もいる。終電が一日の終わりではなく、一日の始まりとなる人もいるらしい。

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【2015.10.25】渋谷駅8番出口

 渋谷駅8番出口。片方のシャッターはもう降ろされている。終電へと急ぐ人の波は右側に集中していて、左側はがらーんとしている。がらーんとしたところにホームレスがどこからかやってきて、段ボール箱の家を建て始める。彼らは昼の間、どこにいたのだろう。

IMG_0056【2015.10.25】山手線渋谷駅

 渋谷駅。日本の街は綺麗だとはいうけれども、深夜にもなるとゴミが散らばっていて、汚い。朝から夜までたくさんの人を受け入れて、くたびれてしまったかのようだ。次の日の朝には掃除されて、いつものきれいな駅に戻るのだろうが。

IMG_0058【2015.10.25】埼京線の線路

 埼京線は、山手線よりも先に終電が通過する。終電の通過した線路では、線路の保守作業がおこなわれていた。深夜の渋谷駅。見慣れた場所の、見慣れない風景。東京は24時間眠らない街とはいうけれども、それはどの時間も同じように活動しているというわけではなく、それぞれの時間にそれぞれの表情があるのだと思う。
 東京に生まれてから20年以上が経つ。もうこれ以上、新しい発見なんかないと思っていたけれども、時間の軸をひねってみるとそこには新しい発見がたくさんある。だから、深夜の散歩は面白い。



 荏柄天神社は学問の神様・菅原道真を祭る、鎌倉の天神様である。北野天満宮、太宰府天満宮とならぶ日本三大天神のひとつだそうだが、さほど有名ではないし、規模も小さい。
 鳥居が現れる。

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【2015.12.7】鳥居

  進んでいく。

IMG_1933【2015.12.7】参道

  樹木が交差して、門を成していて、何か「地」の力のようなものを感じさせている。長年をかけて作られたのだろう。こういった景色が住宅街に溶け込んでいる鎌倉の風景に、重層する時というものを感じる。さすが歴史の都市だけある。

IMG_1934【2015.12.7】参道

 参道にはお茶屋さんなどもある。こんんもりとした緑へと進んでいく。
 
IMG_1935【2015.12.7】大銀杏

 推定樹齢900年ともいわれる御神木の大銀杏がある。もし900年であるということが本当だったら、1192年の鎌倉幕府の開府以前からこの地に生えていたということになる。源頼朝や北条政子は、この銀杏の木に触れただろうか。この神社は鎌倉幕府の鬼門を守るものとして源頼朝の命によって作られたというから、そういうことがあったとしても不思議ではないのだが。鎌倉幕府の開府から、現代までを全てみてきたと考えると、神妙な気持ちになる。人間を超越している。それが御神木として、信仰の対象となることもごくごく自然なことだと思う。。
 それにしても時も12月7日だというのにまだ色づいていない。まったく、地球温暖化が心配になる。5年前に鶴岡八幡宮の大銀杏が倒れてしまったから、この銀杏が鎌倉で一番の大木ということになる。

IMG_1942【2015.12.7】本殿

 荏柄天神社の本殿は鎌倉に唯一現存する、鎌倉時代の建築物なのだ。初めは、鶴岡八幡宮若宮の本殿として1316年に建てられた建物だったが、1624年に新しい本殿を建てて、古くなったものをこちらに移設したものだという。度重なる修復と色の塗り直しによって、築700年(移設後約400年)になることを感じさせないのだけれども、鎌倉に唯一現存する鎌倉時代の建築物という歴史的史料としての価値が高いものなのだそうだ。
 周囲の樹々や建物と日差しの関係がいいあんばいになって、本殿と本殿の前だけが明るく照らされていて、神秘的に感じられた。



 鶴岡八幡宮(別称:鎌倉八幡宮)。木々は、12月上旬にも関わらず青々としている。

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【2015.12.7】鶴岡八幡宮

 たくさんの修学旅行生がやってきている。僕にとっては東京郊外の行楽地というイメージがあって修学旅行生がやってくるというとピンと来ないけれども、いわれてみれば、日本史には「鎌倉時代」という区分もあることだし、鎌倉という選択肢は定番なのかもしれない。ちなみに東京の中高一貫校に通っていた僕の中高時代の修学旅行の行先は、

中1―富士・河口湖
中2―福島
中3―京都・奈良
高1―南房総
高2―南九州

 であった。中2と高1が物足りないように思われるけれども、中2と高1で倹約することで、高2の修学旅行を豪華なものにしようという我々の学年の方針がゆえの選択だった。高2の南九州旅行では、指宿、人吉、水俣、阿蘇と温泉旅館に泊まり続けたし、開業して間もない九州新幹線に乗りもしたから、安くなかったには違いない。

IMG_1923【2015.12.7】鶴岡八幡宮

 もともと鎌倉は東京よりも南側にあって海に面しているから、朝の冷え込みが弱く、紅葉も遅れる。時には年末年始まで紅葉の見ごろが続いたりするんだけれども、今年も年末まで紅葉を楽しめそうな気がする。

IMG_1926【2015.12.7】鶴岡八幡宮

 冷え込みが弱いので全体として色づきはいまいちだったが、色が鮮明に染まった木々もあった。

IMG_1927【2015.12.7】鶴岡八幡宮

 一年を通じて温暖な亜熱帯や熱帯が羨ましいと思うことはあるけれども、 はっきりとした四季の変化もやはり捨てがたい。



 旅行が好きだとはいっても、年中、旅行をしているわけにはいかない。また行きたいなあとは思っても、すぐには行けない。東京にいながらその渇望を癒せるのは、各国料理店めぐりである。料理店に行っては、この味は現地のものに近いだとか、これはずいぶん日本化しているだとかいうことを考えるのが好きだ。
 たまたまインスタグラムにアップロードした金門島の写真に、ある台湾料理のお店が「いいね!」を押してくれた。二子新地にあるという。家の近くだったから、台湾人の友人を連れて行くことにした。それが台湾の味に本当に近いのかを調査するために。僕は意地悪なのかもしれない(笑)
 2015年1月に開店したばかりという麺線屋 formosa(フォルモサ)。大山街道沿いのローソンストア100を左手に入るとお店はある。住宅街にあるので本当にここにあるのかな、と不安になる立地だが、マンションの1階にきちんとある。お店に入るとふっと八角と香草の臭いが漂う。これはザ・台湾ではないか。期待が高まる。カウンターが5席、4人掛けのテーブルがひとつと、2人掛けのテーブルがひとつというこじんまりとしたお店だった。4人席には台湾人のグループが話に花を咲かせている。在日台湾人にも有名なお店らしく、ますます期待が高まる。
 麺線のハーフと魯肉飯(ルーローハン)のハーフ(900円)のセットを注文した。どちらも台湾のソウルフードである。

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【2015.12.2】麺線屋

 木製の箸と、金属製のレンゲがおしゃれな紙の上に出された。「花蓮県」のところに、「マンボウ料理」と書いてある。へえ、台湾にマンボウ料理があるんだと思わず声を上げたところ、在日歴15年で屏東出身というオーナーの女性の方が、「そうらしいですよ。台湾出身の私も食べたことありませんけどね。」という。
 僕は日本でマンボウを食べたことがある。弾力のある白身の魚で、身はふつうの白身魚とイカの中間のような感じだった。臭みはあまりなく、鍋の具材としてなかなか優秀だった。マンボウの肝臓も食べたのだが、こちらの方はあまりにも臭いため、どう食べればよいのか分からなかったことを思い出す。

IMG_1831【2015.12.2】麺線

 麺線が出てくる。このとろっとした鰹出汁のきいたスープ。たっぷりとのっけられた香草、僕の好物だ。これは。なかなか台湾らしいじゃないか。た台湾出身の友人も「台湾と同じ」という。

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【2015.12.2】魯肉飯(ルーローハン)

 魯肉飯。味の染み込んだ椎茸がいい。

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【2015.12.2】蛋餅

 その日から、新しいメニュー「蛋餅」の提供が始まったというので、注文した。台湾人の友人はこれが一番気に入ったという。ぺろりと平らげてしまった、また来たいと思う。

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【2015.12.2】麺線屋

 それにしても最近、二子新地から高津、溝の口にかけて個性的なお店が増えていると思う。特に二子玉川ライズが開業してから、その傾向に拍車がかかっていると思う。メディアの注目を集めている二子玉川の方は物価も高いし、敷居も高い。だから、多摩川を挟んだ対岸の地域を、新しい勢いは目指しているように思う。将来が楽しみな地域のひとつだ。

■麺線屋formosa(フォルモサ)
住所:神奈川県川崎市高津区二子2-15-7
営業時間:午前11時半~午後3時 午後6時~午前0時
定休日:火曜日



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