ベルリンの街を歩いていると、街中にたくさんのパイプがはりめぐらされていることに気付く。

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【2017.3.15】統一亭

 それらのパイプは、ポツダム広場(Potsdamer Platz)の裏にある統一亭(통일정)の裏に写りこんでいる。

IMG_9564【2017.3.15】ジャンヌダルメンマルクトからチェックポイント・チャーリーへ

 ジャンダルメンマルクト(Gendarmenmarkt)から、チェックポイント・チャーリーへと向かう、ベルリン中心部の道にもあった。

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【2017.3.15】ベルリン中心部にて

 こちらも、ベルリン中心部。

IMG_9786【2017.3.16】イーストサイド・ギャラリー

 そして、イーストサイドギャラリー周辺にもあった。

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【2017.3.16】イーストサイドギャラリー周辺

 色は大体、ピンク色か、青色である。
 さて一体、これは何なのだろう。ベルリンに留学している友人は「以前から気になっていたが、調べてみたことはなかった」というし、ベルリンに住むドイツ人は「外国人にベルリンを案内すると、最もよくたずねられる質問のうちの一つだが、きちんとした解答を持ち合わせていない」とも言う。「ベルリン パイプ」と日本語で検索をしてみても、ひっかかるものはないから、調べてみる必要があった。

・現代アート説
 まさか。

・東西ベルリンの境界節
 東西ベルリンの境界はパイプのルートとは異なる。東西ベルリンの境界は道路上の石畳や、今日まで残された一部のベルリンの壁によって表されている。

・ガス管節
 ふつう、地中に埋められているものだが、ベルリンでは一部が地上に出ている。

 友人が冬に、管のつなぎ目に大きな氷柱が下がっているのを見たことがあるという。そういうことは中に、水でも走っているのだろうか。それとも、蒸気が走っていて、結露が凍って、氷柱となったのだろうか。しかし、どれも、想像の域を脱することができない。

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 英語とドイツ語の文献を探っているうちに、非常に分かりやすい説明を見つけた。
 まずこれは、「ベルリン(Berlin)」という都市名の由来から、接近ができる。ベルリンという地名は、ポーランド語の仲間である、古ポラーブ語(ドイツ語が優勢となり18世紀半ばに消滅する)で「沼」を意味する「berl」という言葉から来ている。その名の通り、ベルリンは沼地に発達した都市であり、地下水が地表のすぐ近くにまで来ている。そのため、建築行為を行うところでは、常に水が浸み出てくるため、恒常的な排水が求められる。そのたくさんの水をパイプによって、運河へと送っているのだという。

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【2017.3.15】パイプ

 つまり、パイプの先には必ず建設現場があるはずなのだ。パイプそのものは恒久的な施設ではないため、建築行為が終われば撤去される。
 ちなみにパイプの色がピンク色だとか、青色であるのはそれが、都市の表情を明るく見せてくれるからだという。確かに、無彩色よりはずっといい。
 つまり、ベルリンにたくさんのパイプが走っているということは、ベルリンが今、まさに発展しているという証拠なのである。新しいビルが建てられなくなればパイプはすがたを消すであろうし、開発がより活発になればパイプの数はきっと増すであろう。