丹巴に住むのはギャロン・チベット族(嘉絨蔵族)と呼ばれる、チベット族である。

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【2017.11.17】中路郷にて

 普通、チベット族といえば遊牧民として知られるが、ギャロン・チベット族は伝統的に定住し、農耕をおこなってきた。

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 そのため、他のチベット族と区別される。

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 町には、「塔」のような建造物がいくつか見える。

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 これは、「碉」あるいは「古碉」と呼ばれる、木組みに石積みを組み合わせて建てられた塔だ。やぐらのようなもので、戦いの際には、そこに籠城するのだという。
 一般的なチベット族であれば遊牧をするのであって定住をしないのだからこのようにして土地を守る必要はないが、ギャロンチベット族においては一族の土地を守るため敵の攻撃に備える必要があったから、こういった「塔」が建てられた。

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 地形が厳しく、木の生えないような岩山が多い地域で、農耕ができる地域、定住ができる地域は限られていたはずだから、土地をめぐる争いは熾烈なものだったと思う。

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 ギャロンチベット族の村の風景がまさに「童話」のようであるとは言ったけれども、その風景の成り立ちには熾烈な争いの歴史があるのだ。

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 今となっては、極めて穏やかで、平和な村だ。

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 豊かな時代を迎えたのである。

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 紅葉の季節だ。

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 ギャロンチベット族の村では、トウモロコシを収穫し、干す季節でもあるらしく、村中が干されたトウモロコシの黄色に彩られていた。

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 谷間に向かって、山道を降りていく。

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 よく晴れている。

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 周囲の斜面を見てみると、やはり、植物が生えているところは少ない。人間が生活し得るところが限られている。

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 そのため、土地をめぐる争いが熾烈で、各家ごとに防御建築が発達するという特異な景観が現れた。その考えは正しいのだと思う。

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 すでに、落葉を終えている木もある。

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 朝は凍えるほど寒かったが、日が差してくるとだいぶ、暖かかった。