韓国から友人が、バンコクに遊びに来た。
 友人が宿泊している「THE PENINSULA BANGKOK」のルーフトップバーで、待ち合わせる。

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【2017.11.4】ルーフトップバーにて

 何年ぶりだろう。

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 ちょうど友人は、会社の同僚たちといっしょにバンコク旅行にやってきていた。ベンチャー企業に勤めていて、同僚同士、仲がいいそうだ。
 韓国の男子は一般的に、高校卒業後、2年間、徴兵される。いつ行くかということは大体、自分の意思で決められるが、大体、高校卒業後すぐ、あるいは大学生活の途中で、軍隊に行く。大学卒業後あるいは20代後半になってから軍隊に行けば、それは遅い方になる。30代が近づくと、兵務庁から出頭を命じられるようになり、特別な理由を申請できない場合、その時点で軍隊に入ることになる。その友人は、ずっと軍隊に行かずにいたところ、兵務庁から出頭を命じられ、バンコク旅行を終えた月の末に、入隊することになった、そういう人だった。

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 2017年10月25日~29日の旧国王の葬儀後、その年の末までをめどに火葬場が一般公開されていた。ルーフトップバーからはライトアップされた火葬場が見える。

 僕 : 「ちょうどよい季節に来たね。ちょうど乾季が始まって涼しくなったところだし、旧国王の火葬場も見ることができて」
 友人 : 「来てみたら、たまたまその時期に当たっていたっていう感じだけれども。旅行の計画は全部、友人が立てて、僕はのっかってきただけだ」
 僕 : 「入隊前の思い出」
 友人 : 「以前は、軍隊なんか行くもんかと思っていたけれども、今なら行ってもいいかなって思うようになって。でも、バンコクに来ると、もう韓国に戻りたくないなとも思う。ずっと、旅行が続いていればいいと思うよ」
 僕 : 「2年は長いね。軍隊が終わったら、またバンコクに遊びに来てね。ああ、でも、僕がその時、バンコクにいるか、分からないけれども」
 友人 : 「そうだね。それにしてもバンコクは住みやすそうなところだね。もし仕事があるなら、ここに住みたいよ」

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 韓国は男子がみな、20代の貴重な2年を国家に強制的に奪われる、そういう国なのだ。人権侵害も甚だしい、それが僕の考えである。多くの韓国人男子がいうように、軍服務で得られることは少ない。時間のムダだ。「国民国家」という制度がつくづく人間を不便にしている、そう思わざるを得ない。