西安で迎える2日目の朝。この日も暖かかったが、やはり空気は乾燥していて、砂っぽい。

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【2016.2.18】西安市内

 中心市街地のこのような街並みはいつまで見られるんだろうか。10年後、西安を訪問した時も残っているだろうか。砂埃を被った家々と、その隙間から生えている樹々。そういえば以前、ウズベキスタンでもそんな光景を見た(#0051.サマルカンド - 「Jahongir B&B」のおもてなし)。ウズベキスタンのそれよりはずっと人口密度が高いのだが、西域の空気感に、漢族の都市の人口密度の高さが重なり合っている。
 朝食は宿の近くにあった「蘭州牛肉拉麵」で食べることにする。

IMG_4243【2016.2.18】蘭州牛肉拉麵

 店内は回族らしく、つばのない帽子(回回帽)を被った男性たちがあくせくと働いている。客には帽子を被っている回族もいたが、漢民族とみられる人の方がむしろ多かった。

蘭州拉麵

  「新疆拌麺」を注文すると10分くらいして、出てきた。

IMG_4239【2016.2.18】新疆拌麺

 日本でいう、つけ麺のような外観だ。

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【2016.2.18】新疆拌麺

 麺だけを食べてみる。麺の厚みや太さにムラがあって、いかにも手作りという感じがする。そして、小麦粉をこねた匂いと味が感じられて、もしかしたらそれは「臭い」のかもしれない。

IMG_4241【2016.2.18】新疆拌麵

 こちらが具だ。羊肉だろうか若干の肉に野菜がたくさん入っていて、具だくさんという感じがする。
 さて、どうやって食べるのだろうか。最初は日本のつけ麺のように、箸で幅太の麺を持ち上げて、具の方にもっていってから食べていたのだが、他のお客さんのようすを見てそうではなく、具を麺にかけるものであったことに気付く。中国で「拌麺」とあるものは、麺に具がかかった状態で出てくるものと、麺と具が別々に出てくるものがあるそうだが、別々に出てきた場合は、具を麺の上にかけてから混ぜるのが正解だという。
 具はとても塩辛かった。そして、麺は咀嚼しているうちに、いかにも小麦粉をこねた塊のようなものを口に詰めこんでいるように感じられて、食体験としては悪くないけれども、それ以上のものではないように思った。見た目はおいしそうなんだけれども。
 このお店の道路を挟んで反対側にマクドナルドがあったので、お茶を飲むことにした。

IMG_4244【2016.2.18】マクドナルドのお茶

 それにしても西安の料理の味付けは、何もかもが塩辛い。ただでさえ空気が乾いているというのに、塩分のせいで体がさらに水を欲する。

IMG_4246【2016.2.18】マクドナルドのお茶

 西安の料理は未来永劫、塩辛くあり続けるのだろうか。それとも、経済的により豊かになって、市民が健康に気をつかう、あるいはお金を使うほどの余裕が生まれるようになれば、西安の料理にも減塩ブームが訪れるんだろうか。そんなことを考えながらお茶を飲む。西安は料理の種類は豊富だし、見た目もおいしそうなものが多いから、どれを食べても塩辛いというのはもったいないように思うのだが。