地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

2016年07月

 チェンラーイからバンコクまでgreen busが運行する高速バスで移動する。チェンラーイで長距離高速バスは市中心部から約7km離れた「Terminal 2」から出発する。市中心部にある「Terminal 1」からソンテオで15バーツ(約45円)、トゥクトゥクで約80バーツ(約240円)だ。なお、バンコク行きのチケット自体はTerminal 1でも購入が可能で、搭乗予定日前からの購入もできる。僕のチケットもTerminal 1で前日に現金で購入したものだ。

busticket

 大雨の降る中、Terminal 2に到着する。

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【2016.7.10】Terminal 2にて

 チェンラーイからバンコクまでは約775kmで、予定移動時間は13時間である。775kmというのは日本でいうと、広島市や松山市から東京まで高速バスで移動する距離よりやや短い程度だ。
 この移動距離を432バーツ(約1296円)で移動できるのでタイ人にとっても安くて便利だそうだ。おおよそ航空機(LCC)の4割~5割程度の価格だ。

IMG_1610【2016.7.10】Terminal 2にて

 ミャンマー国境のメーサーイ(แม่สาย)からやってきたバスで、このバスの二つ目の停留場となろう。バスに乗りこむ。2階建て、トイレ付きの車両だ。
 冷房があまりにも強く、窓に結露している。発車後すぐに、水、ブランケット、それからビスケットが配布される。

IMG_1613【2016.7.10】Terminal 2にて

 バス車内は清潔で、静かだ。

IMG_1614【2016.7.10】バス車内にて

 バスはいくつかの停留所を経て、バンコクへと向かう。

タイ6泊7日

 車内にトイレがついているため、サービスエリアへの停車は深夜、ピッサヌローク(พิษณุโลก)での1回のみである。これは、ガソリンの補給もかねている。

IMG_1619【2016.7.10】バス車内にて

 消灯前に、弁当が配られる。

IMG_1622【2016.7.10】バス車内にて

 おいしくもまずくもない、平均的なお弁当の味だと言うべきだろうか。量については多いとは言えない。
 時折、検問所があってバスが停車させられる。車内に警察官が入ってきて、抜き打ちの荷物検査が行われる場合がある。僕についてはパスポートを提示させられたり、荷物を開けさせられることはなかった。警察官はみな誰を検査の対象とするかということについて、大体、人相、顔つきや服装などで判断しているようだった。バンコクまでの道のりで、3回、抜き打ちの検査がおこなわれたのだが、3回とも検査の対象になった男性もいて気の毒だと思った。
 なおタイの友人によれば、検問所で警察官がバスに乗り込んでくるということが1回の旅程で3回も起こるということは稀なことだという。ただ、乗車したバスがミャンマーとの国境の町メーサーイ(แม่สาย)始発だったので、他のバスよりは検問の対象になりやすかったのではないかということだった。
 2階バスの2階であったため、やや揺れたが、乗客の少ない車内、座席の背もたれを目いっぱい倒して、目を閉じて寝ることはできた。

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 発車してから約12時間弱が経過した、朝方の6時半過ぎには、ランシット(รังสิต)を通過する。ここから先がバンコク都となり、残り25kmである。

IMG_1627【2016.7.10】バス車内にて

 しかし、ひどい渋滞に巻き込まれる。だからといって、ここで下車したとしても、バンコク中心部へと向かう方法はこの道路沿いに南下するしかないから、渋滞を避ける方法はない。現在、ランシットとバンコク都心を結ぶ鉄道路線、ダークレッドラインが建設中だが、この完成を待たないと解決は望めなさそうだ。

IMG_1629【2016.7.10】バス車内にて

 バンコク都内に入ってから、バスターミナルまで約2時間もかかってしまった。
 予定移動時間は13時間だったが、結局、14時間もかかってしまった。最後の25kmに2時間もかけるとは思わなかった。

IMG_1637【2016.7.10】チャトゥチャックバスターミナルにて

 このチャトゥチャックバスターミナルというのも、あまり利便性の高い場所にあるとは言えない。

IMG_1639【2016.7.10】チャトゥチャックバスターミナルにて

 ターミナルビルがあまりにも大きいので、バスターミナルの外に出るのにも10分程度の時間がかかる上、最寄りのバンコクメトロのチャトゥチャック公園(สวนจตุจักร)駅まで徒歩25分以上、かかってしまう。
 タイの高速バスは料金は安いし清潔だし、ブランケットに軽食と、至れり尽くせりなのだが、バスターミナルの利便性という点がいまいちである。

2016年7月 タイ北部6泊7日
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 夕方、チェンラーイからバンコクへと向かうバスに乗る。
 乗車時間が13時間にもなることを考えるとLCCを利用する方がよかったのだが、前日の予約では運賃が高かったから、高速バスという選択となった。タイではまだ、長距離路線バスを利用したことがないから、経験としては悪くないだろう。

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【2016.7.10】チェンラーイ市内にて

 まだ3時間ほど、時間がある。

IMG_1580【2016.7.10】チェンラーイ市内にて

 冷たいコーヒーでも飲みながら、休もうか。
 時計塔に面したところにある、パーンコーンコーヒー(Pangkhon Coffee, กาแฟปางขอน)に入る。
 アイスカフェラテを注文する。

IMG_1586【2016.7.10】パーンコーンコーヒーにて

 飲料はだいたい、一杯、50~80バーツ(約150円~240円)ほどだ。
 このお店は、タイ北部のチェンマイとチェンラーイに10店舗ほどの店舗を持つチェーン店だという。バンコクでお目にかかることはできない。

IMG_1587【2016.7.10】パーンコーンコーヒーにて

 韓国から持ってきた本を読むみながら過ごす。旅行中だからといって、必ずしもあちこちへと歩き回る必要はあるまい。
 なかなかおいしいコーヒーだったので、もう1杯追加する。

IMG_1591【2016.7.10】パーンコーンコーヒーにて

 タイのアメリカーノは、もとから砂糖が入っている状態出てくる。
 壁に、お店について日本語で説明が書いてある。

 パーンコーンコーヒー
 アラビカ100%コーヒー
 コーヒー豆はすべてPangKhon Arabica Beanです。地面から1mの高さの竹敷きでWet Process方式で乾燥、自然の風、日光、オゾンの最適な環境と正しい方法で熟成させ、1粒1粒を丁寧に収穫し、熟練した技でいためました。海抜1000~1500mのチェンラーイ県パーンコーンの恵まれた農作物開発の高地で山岳民族による管理がされています。以前、山岳民族はアヘンを栽培していましたが今はアラビカコーヒーの栽培で生計を立てています。それは緑や自然を増やす活動でもあります。
 パーンコーンのアラビカコーヒーはすべて上質の味です。そしてその1粒1粒がタイの自然に寄与しています。
「1杯のコーヒーが1本の木になります」

Office Lens 20160710-155905 

 つまり、我々がコーヒーを消費することが、麻薬栽培の撲滅、山岳民族の生活の安定、自然緑化に寄与するのである。これは、以前の記事(#0400.タイ・ミャンマー・ラオス3国を同時に視界に入れられるゴールデントライアングルに行く)で述べたとおりだ。
 本を読んでいると、店員の女の子2人が、外に出て行ってしまった。お店の前で、自撮りなどを楽しんでいる。お店の中には僕しかいない。

IMG_1593【2016.7.10】パーンコーンコーヒーにて

 雷の音がするとまもなく、大粒の雨が降り始めた。

IMG_1597【2016.7.10】パーンコーンコーヒーにて

 2時間ほど読書に耽っていただろうか。タイにただ、普段、読みたいと思って買っておいた本を読みに行くためだけに旅行するのもよさそうだと思う。
 まもなく5時半だ。ゲストハウスに荷物をとりにいってから、バンコク行きのバスが発着する約7km離れた郊外にある長距離バスターミナル(Terminal 2)に向かうことをことを考えると、そろそろ出発しなくてはならない。
 雨の中を歩くのは気がひけるのだが、バスの出発時間が決まっていることを考えると、そうするよりほかない。

IMG_1598【2016.7.10】時計塔周辺

 北側の空は青空さえのぞいているというのに、大粒の激しい雨が降るのだ。熱帯らしい天気だ。

2016年7月 タイ北部6泊7日
前の旅行記:#0414.チェンラーイにあるワット・プラシン(วัดพระสิงห์)
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 昼になると、さすがに蒸し暑くなる。

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【2016.7.10】チェンラーイにて

 チェンラーイ(เชียงราย)の時計塔(#0408.そうか、カオソーイ(ข้าวซอย)は海老入りが答えだったか!)から北側に進んだところには、旧時計塔がある。新しい時計塔の完成で、場所を移されたものだというが、もはや、時間すら合っていない。写真を撮った時は午後1時53分だったのだ。

IMG_1529【2016.7.10】チェンラーイにて

 処分されなかっただけよかったと思うべきなのか、それとも時計としての役割を果たせないまま時計塔して立たされているその悲哀に同情するべきなのか僕には分からなかった。
 ワット・プラシン(วัดพระสิงห์)につく。

IMG_1570【2016.7.10】チェンラーイにて

 チェンマイ(เชียงใหม่)でもっとも格式のある寺院と、同名である。チェンラーイには、バンコクの王宮寺院と同名の寺院があれば(#0412.チェンラーイにもワット・プラケオ(วัดพระแก้ว)がある!)、タイ第二の都市チェンマイでもっとも格式のある寺院と同名の寺院もある。チェンラーイ市内は、タイ王国の縮小版さながらである。

IMG_1569【2016.7.10】ワット・プラシンにて

 もともと1385年に創建された、由緒ある寺院だ。
 まるまると太った、仏さまがいらっしゃる。

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【2016.7.10】ワット・プラシンにて

 いつも供え物をもらっているから太ってしまったのだろう!供え物の絶えることのない、民衆に親しまれている仏さまに違いない。
 トイレが借りたかった。トイレの方に向かうと、休んでいたおじさんが、男子トイレの方向を指さしてくれた。

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【2016.7.10】ワット・プラシンにて

 境内の建物は典型的なラーンナー様式(北部様式)で建てられている。

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【2016.7.10】ワット・プラシンにて

 赤と金の色彩が、とても豪華だ。

IMG_1544【2016.7.10】ワット・プラシンにて

 誰もいなかったが、扇風機が回っている。
 いつ誰がお参りに来ても涼しいようにという心づかいが嬉しい。いや、もしかしたらこれは参拝者の便宜のためではなく、仏さまが汗をおかきにならないようにといった配慮なのかもしれないが。

IMG_1545【2016.7.10】ワット・プラシンにて

 「すべてのことが順調に進みますように」とお祈りをしておく。

IMG_1546【2016.7.10】ワット・プラシンにて

 無責任で、貪欲なお祈りだと思う。仏さまもそのように祈られても、叶えようがないように思う。
 本来ならば「全てのことが順調に進むよう努力をしますので、どうかお見守りくださいませ」と祈願するのが正しいのだろうが、そう頭の中で唱える勇気もない。そういう努力をするほどの、覚悟が僕にないからだ(笑)

IMG_1560【2016.7.10】ワット・プラシンにて

 少しずつ雲が、分厚くなってきている。
 しばらくしたら雨季らしく、夕立が降るのだろう。

IMG_1563【2016.7.10】ワット・プラシンにて

 境内に参拝客は見当たらなかった。たまたま、そういう時間に来てしまったのだろう。

IMG_1553【2016.7.10】ワット・プラシンにて

 門にはかわいらしい、金の兎が描かれていた。

IMG_1567【2016.7.10】ワット・プラシンにて

 小さな、かわいらしい像があったので、カメラにおさめておいた。 

■ワット・プラシン(วัดพระสิงห์)
 開放時間:午前6時~午後7時
 入場料:無料

2016年7月 タイ北部6泊7日
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