地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

2016年08月

 餃子を食べてから、夜の大連を歩いて宿へと戻る。
 大連には、不思議な日本語が散見される。その中でも一番不思議だったのが、

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【2014.11.23】一緒に六本木 かけがえのない種子を探しに

 「一緒に六本木 かけがえのない種子を探しに」
一体、何なんだろう。ちなみに、大連は日本語学習者が多い都市として有名で、JLPT(日本語能力試験)の受験者数をみると、中国全土で2015年には大連が16589人と、広州(18922人)、上海(18549人)、に次いで3番目に多く、北京(11959人)よりも多く、日本からの出張者や訪問者が多いのか、街には日本語が溢れている。

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 宿に戻り、テレビをつける。中国の国営放送局である中国中央電視台の国際放送をつける。ちょうど、中国から日本への旅行客が増えているころだった。日本経済が低迷する中、大陸からの観光客の消費が脚光を浴びているというニュース。

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 NHKの報道内容を紹介している。

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 2013年から2014年にかけて2割、円安が進んで、日本での全ての買い物が中国人にとって2割引きになったと紹介している。

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 秋葉原にあるメイドカフェなども紹介されていて、つい笑ってしまう。中国人の日本旅行の満足度は高いらしい。中国国営の放送局がそう報道しているのだから、そうなのだろう。
 それから、軍事的なニュースが続く。

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 隣国である日本、韓国、ロシア、北朝鮮の軍がどういう訓練を行ったのか、どういう武器を導入したのかなどを詳細に報じる。韓国は米軍と共同訓練をおこない、北朝鮮では金正恩が訓練を指揮したとか。

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 これらのニュースは中国国民に、興味を持たれているのだろうか。隣国を、中国を脅かす、軍事的な脅威としてばかり紹介する行為には、あまりよい印象を持てない。
 一通り、軍事関連のニュースが終わると、日本で起こった猟奇的な保険金殺人について報道される。

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 なぜこんなに、日本に関する関心が高いのだろう(笑)
 ニュースの狭間狭間に、ポイ捨てはやめましょう、痰は吐かないようにしましょう、川に食用油を直接捨ててはいけません、地球が泣いてますといったマナーや環境に対する意識の向上を呼びかける公共広告が放送される。
 最後は、かわいらしい、日本のカピバラの露天風呂の映像とともに放送が締めくくられる。

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 海外の経済、軍事、それからゴシップ的な事件を扱って、最後にカピバラで締めくくられる中国の国営放送であった。

2014年11月 大連3泊4日
前の旅行記:#0440.大連では絶対食べていきたい「大清花餃子」の芸術的な焼き餃子
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 大連市内にいくつかの店舗をもっている、「大清花餃子」に餃子を食べに行く。泊まっているところから最も近いところにあった、五五路店に行く。
 入店したのは午後の8時頃で、2階へと案内された。

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【2014.11.23】ジャスミン茶

 ジャスミン茶(茉莉花茶)が出てくる。とても薄く、淹れられている。
 日本人の来店もおおいのか、日本語のメニューもある。具材を選び、それを焼く(煎餃子)のか蒸す(蒸餃子)のか茹でる(水餃子)を指定できる。具材の組合せは約70を超えるので、調理法を指定することで餃子だけでも200以上の餃子をオーダーできる。なお、日本語を少しだけ解する店員がいる。
 中国東北部で餃子といえば水餃子が一般的で焼き餃子はあまりメジャーではないというが、本場中国の焼き餃子の味がどうであるのかとても気になったから、まず「素三鮮煎餃(海老と卵とニラの焼き餃子)」を注文してみた。
 しばらくすると、とても芸術的なすがたでやってきた。

IMG_8747【2014.11.23】素三鮮煎餃

 餃子の羽根がまるで絹のようだ!
 口に入れると、とてもおいしい。肉が入ってなくても、餃子がこれだけおいしくなれるとは。今まで餃子は肉が入ってこそ、おいしいものだと思っていたが、それは間違った認識だったらしい。このぷりぷりとして、つるんとした温かい餃子の食感。食べ始めると止まらない。感動的だ。

IMG_8748【2014.11.23】素三鮮煎餃

 やはり中国、美食の国だった。この餃子を食べに来るためだけに、中国旅行をするのだって悪くないのではないか。十分、それだけの価値がある。一皿で一人分ということだったが、平らげるとさすがにお腹がいっぱいだ。
 しかし、食への好奇心というものは簡単には曲げることができず、蒸した滿族餃子を1人分、さらに追加注文した。

IMG_8751【2014.11.23】満族餃子

 海老、蟹、豚肉、韮などが入っていて、これもおいしく平らげた。

IMG_8754【2014.11.23】満族餃子

 僕には、焼き餃子ほどの感動はなかったかな…。
 さて、これらの餃子、なんと一皿30元前後で、500円前後しかしない。中国は、ショッピングセンターや百貨店の中にあるレストランで食べるのではなく、外で食べたほうが価格も安くておいしいという教訓を得た。
 ああ、大清花餃子の焼き餃子をまた食べに行きたい。

■大清花餃子 五五路店
住所:大連市中山区五五路5号
営業時間:午前10時~午後9時頃まで

2014年11月 大連3泊4日
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 大連駅前は、時折、雨もぱらついた。

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【2014.11.23】大連駅前にて

 大連駅の駅舎は、満州国時代の1937年に建てられたもので、1932年に建てられた上野駅の駅舎と瓜二つだ。駅舎自体は、上野駅の駅舎より規模が大きい。

IMG_8723【2014.11.23】大連駅

 なんだか不思議な親近感が湧いてくる。1932年に駅舎として建てられた建物が、今も、駅舎として活躍しているという事実にも感心する。
 大連駅の周辺には、高速バスも発着していて、その中にはベッドが備え付けられている「寝台バス」もあった。北京行き、上海行きのバスもあったが、どれだけ時間がかかることだろう。その距離感に、大陸にやってきたということを感じる。
 大連駅の裏側には、大連快軌3号線の大連駅がある。

IMG_8724【2014.11.23】大連快軌3号線大連駅

  大連の電車はまず、3号線が2003年に開通した。地下鉄である1号線と2号線の開通はその12年後の2015年となる。12年間、大連は1, 2号線が不在で、3号線だけがある状態が続いた。
 車両はなかなか、かっこいい。

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【2014.11.23】3号線

 支線を含めると、路線距離は60kmを超える。

IMG_8726【2014.11.23】大連駅にて

 ホームの先端に行くと、中国人の少年がデジタル一眼レフを手に持って、鉄道の写真を撮っていた。どの国にも、鉄道趣味はあるらしい。

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 金州まで電車に乗ってみる。
 電車ではみな、静かにしていたが、子どもが一人、お母さんに向かって「疲れた、座りたい」と大きな声を出して駄々をこねていた。それで、席を譲ろうとしたところ、「その必要はありません。お座りください」と言われてしまったので、結局は、譲らずに終わった。

IMG_8731【2014.11.23】金州にて

 金州は、正岡子規が、

 行く春の酒をたまはる陣屋かな

 という俳句を詠んだところとして、日本人には記憶されている土地である。しかし、そういった情緒を、今、現前に広がる団地群に見出すことができるかといえば、想像力が試されているような気がする。

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 団地内に市場があったので、一周、回ってみた。やはり、海に面する都市なのか、海産物が豊富であるように見える。
 動物の肉は、なかなか、グロテスクな売り方をされている。

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 むしろ、日本などのスーパーマーケットにおける肉の販売のされ方こそが過度にグロテスクさを排除されているのであって、あのような売り方がことさらグロテスクというわけでもないとも言えるだろうが。動物の顔が机に乗せられていて、そこから血が滴ってアスファルトを湿らせているという状況は、慣れていないとびっくりする。
 それからまた、大連の中心部へと戻る。自動販売機が壊れていたために職員に行先を口で直接告げたり、大連駅はどちらのホームから行けばいいのかきかれるなど、中国語を口にする機会は次々とあらわれた。中国をまともに旅行するためには、中国語が必須なのだろうか。

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 遅い昼食とする。海産物が入っている水餃子だ。 

IMG_8738【2014.11.23】海鮮水餃子

 海港都市である大連らしい選択だと思ったし、大連名物と書かれてはいたが、あまりおいしくはなかった。

IMG_8741【2014.11.23】海鮮水餃子

 百貨店あるいはショッピングセンターのレストランだから価格は約700円と、それなりにする。しかし、味は700エ円ほどの味ではなかった。 大きな商業施設に入居しているレストランだからと言って、必ずしも、おいしいというわけではないようだ。

2014年11月 大連3泊4日
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