地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

2016年09月

 この旅行が始まる前、トルコへの出入国記録があるパスポート保持者の中国へのビザ無し入国が拒否されているという報道があったため、2015年の8月と9月にトルコに入国した記録のある僕のパスポートでは、もしかして入国が拒否でもされるのではないかといった心配もあったが、結局のところ、何ら問題なく入国することができた(#0470.トルコへの出入国記録による中国入国拒否の噂はデマだった)。
 ちょうど、チェンマイからやってきたエアアジアの便と重なり、入国審査に時間を要した。服装や顔つき、話している言葉からして、チベット族の団体だった。チベット族も海外旅行に繰り出せるほど、豊かになったようだ。
 これから乗り継ぐ、ウルムチ経由カシュガル行きは午前8時10分に出発する。出発の2時間前にチェックインをおこなうにしても、4時間半ほどの時間をつぶさなくてはならない。

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【2016.9.17】成都空港にて

 前回の成都空港での仮眠時(#0303.成都双流国際空港で仮眠する)とはうってかわって、第1ターミナルのめぼしい座席はすでに、仮眠する客に占領されていた。10分ほど歩けば到達することのできる、第2ターミナルへと移動する。こちらの方が建物の規模は大きく、座席にも余裕がある。
 携帯電話の充電も可能である。

IMG_2462【2016.9.17】携帯電話の充電

 自分の携帯電話をコンセントにさしたままにして、仮眠している中国の人もみえる。盗まれたりすることを、あまり心配しないようだ。 
 さて、ここで、仮眠しようとしていると、中国人男性に話しかけられてしまう。外国人がめずらしく見えるのだろうか。
 その人は、湖南省の毛沢東の故郷である湘潭というところから、友人の結婚式のために成都にやってきたという男の人だった。この疲れた深夜に、つたない中国語と筆談が始まってしまったのである。
 
男「それ、何の携帯?」
僕「Huawei」 
男「日本人もHuawei使うの?」
僕「安いから。それは、iPhoneだね」
男「リンゴだよ。いいだろ」
僕「でも、高いよ」
男「僕の一ヶ月の収入いくらだと思う?」
僕「アイフォン持ってるから高いんでしょ。月8000元(12万円)くらい?」
男「もっと下」
僕「6000」
男「もっと下」
僕「4000」
男「3500(約52500円)だよ」
僕「iPhoneは?」
男「3900」
 
男「中国に言論の自由はあると思うか?」
僕「ない。あなたはどう思ってるの?」
男「ない。日本はどうか?」
僕「安倍死ねっていつもネットに書かれてる。(検索してみせて)ほらね」
男「自由だね」

男「敏感な問題だとは思うが、中日間の歴史についてどう思う?」 
僕「不幸な歴史があったと思う」
 
男「AV女優が突然、家にやってきて素人とやるビデオはあれは本当に起こっていることなのか?演技なのか?」
僕「演技、設定だと思う」
男「蒼井空、○○まりあ以外に最近有名なAV女優は誰?」
僕「(答えに窮する)」

男「日本のサービスは世界一なんだよね!」
僕「でも、サービスを提供する側は疲れるはずだよ(と言いたかったのだが、中国語で表現しきれなかった。伝わったかな)」
 
 筆談と合わせて頑張ったが、中国語厳しい。
 仮眠どころか、疲れてしまった。それと男は、僕のパスポートに押してある中華民国のスタンプに異様な関心を示して、携帯電話で撮影までもした。中華民国といった存在が、まだこの世の中に存続しているということをスタンプで実感して、驚いたようだった。

2016年9月 ウイグル9泊10日
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 四川航空は、成田空港第一ターミナルから搭乗する。

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【2016.9.16】成田空港にて

 チェックインをおこなう。
 成田空港から成都空港へと向かう四川航空を利用するのはこれで、2回目だ。前回(#0302.四川航空 成田・成都便搭乗記)の搭乗時は、訪日した中国人観光客ばかりで日本人のすがたが見当たらず心細かったが、今回はうってかわって4分の1ほどが日本人のように見える。四川航空も大分、日本人に定着してきたようだ。お土産をたくさん詰めたキャリーバッグを持っているのは中国人、バックパックを抱えてこれから冒険にでも繰り出そうといった装いをしているのは日本人だ。

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【2016.9.16】成都行き

 5つのホノルル行きに挟まれた成都行きが異彩を放っている。

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 安全検査、出国手続きを済ませて搭乗口へと向かう。
 四川航空のロゴは旅情をそそる。

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 搭乗する。

IMG_2455【2016.9.16】航空機

 定刻よりいくらか早く、離陸する。

東京からカシュガルへ
 
 LCCではない、フルコストキャリアであるため、フライト情報を視聴したり、映画を鑑賞することができる。機内食も出る。これだけのサービスで、東京・カシュガル間の往復計6区間が総額25947円だというのはまったくもって信じられない話である。
 ところで、以前はUSBの差込口が座席についていて携帯電話の充電が可能だったのだが、充電中のリチウム電池の発火が問題視され、中国の法律が適用される航空機内では携帯電話の充電が一切、禁じられるようになった。
 隣には日本人男性が搭乗していた。海外経験は豊富だが、中国への渡航は初めてだという。九寨溝や峨眉山などをめぐる予定だという。
 機内食が出てくる。

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【2016.9.16】機内食

 成田空港発の航空機であるため、機内食は日本製である。

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【2016.9.16】機内食

 四川航空名物、 「老干媽」の辣醬を機内食にのせてもらえることを除けば、これといって中国らしさの感じられない機内食だ。
 機内食を食べ終え、韓国映画「로봇, 소리(ロボット, ソリ)」を鑑賞し、しばらく日本からもってきた文庫本を読んでいたところ、 成都空港への着陸準備が始まるとのことだった。5時間半のフライトというのも、過ごしようによってはひどく退屈というわけでもないと思う。
 着陸後、前回と同様、東京で事前に購入しておいた、中国移動香港のSIMカード(#0296.中国旅行中にtwitterやFacebookを利用するならば中国移動香港SIMが解だ!)を挿入し、スマートフォンを開通させておく。
 人生6回目の中国旅行が始まる。

2016年9月 ウイグル9泊10日
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 2016年3月28日に、東京(成田)から成都、ウルムチ経由カシュガル行きの往復航空券を総額25947円(204.76ユーロ)で購入した。

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 航空会社はあの、運賃が格安であることで有名な四川航空(#0168.四川航空が価格崩壊している件)だ。

9月16日:3U8086便 東京(成田) 20:20 → 成都 0:40 (+1)
9月17日:3U8525便 成都 8:10 → ウルムチ 11:55
9月17日:3U8525便 ウルムチ 12:40 → カシュガル 14:35

9月24日:3U8526便 カシュガル 15:20 → ウルムチ 17:10 
9月24日:3U8526便 ウルムチ 18:05 → 成都 21:15
9月25日:3U8085便 成都 13:20 → 東京(成田) 19:00

 6区間20時間40分にもなるフライトだが、総額25947円という破格である。
 しかし、チケットに関しては以前トラブルのあったairtickets24(#0357.Airtickets24は決して利用してはならない!)により予約したものであったため、トラブルなく搭乗できるかどうか不安はあったが、今回はトラブルなく旅行を終えることができた。

東京からカシュガルへ

 9月16日夜に成田空港を出発し、次の日の午後にカシュガルに到着後、1週間かけてカシュガル、ヤルカンド、カルギリク、ホータンの各都市をめぐってから、再びカシュガルに戻り帰途へとついた。

カシュガル旅程-02

 それにしても、往復25947円とは改めて驚く。LCCではなく、フルコストキャリアであるため、6区間、6食分の機内食まで含まれていて、この価格なのである。航空券の価格の下落によって、かつては辺境だと思われていた地も、もはや辺境ではない身近な土地のように感じられてくる。東京・カシュガル間を往復することが、東海道新幹線のぞみで東京と新大阪を往復する(28900円)よりも、もはや安いのだ。

2016年9月 ウイグル9泊10日
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