カシュガル旧市街へと戻る。
【2016.9.24】カシュガル旧市街にて
お土産として紅茶などを買い加え、ユースホステルへと戻る。
【2016.9.24】棗のジュース
棗のジュースを飲みながら、ノートパソコンにウイグルで撮影した写真を移す作業をする。移したファイルは「隠しファイル」に指定して、見えないようにする。さて、なぜ、このような作業をしなくてはならなかったのか。昨日、同じユースホステルに1日だけ滞在したバックパッカーの日本人からこのような連絡が来たのである。
「キルギスの空港に無事到着しました。午前0時半頃にはチェックインできたのですが、出国審査後、別室に連れていかれました。まずバッグを隅から隅までチェックされました。それから、スマートフォンの写真の検査を要求してきました。断ったところ、 パソコンのパスワードを入力して、内部の写真データを見せることを要求してきました。それも断ると、別室から出してもらえなくなりました。フライトの時間を過ぎてからもかたくなに拒否を続けていたため、軟禁状態。結局、解放されたのは定刻の30分を過ぎてからで、最後の搭乗客となりました。最後の最後で中国の悪い一面を味わって旅立つことになりました」
【2016.9.24】カシュガル空港
カシュガル空港には飛行機に搭乗する人しか入ることができない。
【2016.9.24】カシュガル空港にて
結論から言えば、スマートフォンやノートパソコンの内部のデータを見せることを要求されることは起こらなかった。カシュガルの空港の安全検査に厳しい点があるとすれば、全ての乗客が安全検査時に靴を脱いで、靴をX-ray検査機に通さなくてはならないことであるが、安全検査官はスマートフォンやノートパソコンのデータについては気にかけるようなそぶりすら見せなかった。
【2016.9.24】カシュガル旧市街にて
お土産として紅茶などを買い加え、ユースホステルへと戻る。
【2016.9.24】棗のジュース
棗のジュースを飲みながら、ノートパソコンにウイグルで撮影した写真を移す作業をする。移したファイルは「隠しファイル」に指定して、見えないようにする。さて、なぜ、このような作業をしなくてはならなかったのか。昨日、同じユースホステルに1日だけ滞在したバックパッカーの日本人からこのような連絡が来たのである。
「キルギスの空港に無事到着しました。午前0時半頃にはチェックインできたのですが、出国審査後、別室に連れていかれました。まずバッグを隅から隅までチェックされました。それから、スマートフォンの写真の検査を要求してきました。断ったところ、 パソコンのパスワードを入力して、内部の写真データを見せることを要求してきました。それも断ると、別室から出してもらえなくなりました。フライトの時間を過ぎてからもかたくなに拒否を続けていたため、軟禁状態。結局、解放されたのは定刻の30分を過ぎてからで、最後の搭乗客となりました。最後の最後で中国の悪い一面を味わって旅立つことになりました」
カシュガルの空港ではどうやらそういうことが起こり得るというのである。彼は、エア・マナスでカシュガルからキルギスの首都であるビシュケクへと向かう国際線を利用していたことが、厳しいチェックが課された理由になったのではないかと推測されるが、念には念を入れようと思い、ウイグルで撮影した写真を全てノートパソコン内に移して隠しファイル化したのである。撮影した写真には、公安や、警察が写っている写真があるし、ヤルカンド(莎車)という治安当局が外国人の訪問をさほど歓迎していなかった都市(#0495.ヤルカンドで警察に職務質問される)の写真が少なからずあった。
ところで彼はなぜ、スマートフォンやパソコンの内部の写真データを見せることを頑なに拒否したのだろうか。何か治安当局にとって都合の悪いものを撮影していたのだろうか。彼は極めて一般的なバックパッカーといった風貌で、そういうものを撮影するような旅行者には見えなかった。むしろ、「プライベートな情報をなぜあなたがたに見せなくてはならないのか。そのような必要はない」という、個人的信条から拒否したのだと思う。しかしそこは、日本ではなく、中国なのだ。治安当局に逆らうようなことをして、何の得があるのだろうか。我々は一旅行人でしかないのだ。治安当局がいくら無教養にふるまい、不当だと感じられたとしても、彼らの方が立場が上である。軟禁状態が続けば、航空機に搭乗できなくなるかもしれない。最悪の場合、治安当局に抵抗したことを問題視され刑事罰を科されるかもしれない。そのようなリスクを冒してまで、写真データを見せることを頑なに拒否する必要がどこにあるのだろう。もし日本で警察官がスマートフォンの写真データを見せろと要求したならば、それが公権力による不当な個人情報の暴露だと抵抗はできるかもしれない。しかし、中国でそのような抵抗をして、どういう得があるのだろうか。旅行を支障なく進めることを第一の目的にするならば、全く理にかなっていない。個人の主義主張を貫くことにどれだけの合理性があるかということを検証する必要がある。もちろん、個人の主義主張あるいは旅行スタイルを貫くために、各国の公権力に抵抗したという「武勇伝」を語りたかったのならば「どうぞ、ご自由にどうぞ」と言いたいところだけれども、僕はそういう種類の武勇伝をかっこいい話だとは全く思わない。彼は結局、解放され、飛行機に搭乗できたのだから運がよかったと言えよう。
昨日、行動を共にした日本人2人はでかけていて、結局、きちんと挨拶ができないままウイグルを発つことになった。僕が早朝から観光をしていたから、彼らに挨拶ができなかったのである。
2路バス(#0476.カシュガル空港とカシュガル市内の移動)に乗って、カシュガル空港へと向かう。
ところで彼はなぜ、スマートフォンやパソコンの内部の写真データを見せることを頑なに拒否したのだろうか。何か治安当局にとって都合の悪いものを撮影していたのだろうか。彼は極めて一般的なバックパッカーといった風貌で、そういうものを撮影するような旅行者には見えなかった。むしろ、「プライベートな情報をなぜあなたがたに見せなくてはならないのか。そのような必要はない」という、個人的信条から拒否したのだと思う。しかしそこは、日本ではなく、中国なのだ。治安当局に逆らうようなことをして、何の得があるのだろうか。我々は一旅行人でしかないのだ。治安当局がいくら無教養にふるまい、不当だと感じられたとしても、彼らの方が立場が上である。軟禁状態が続けば、航空機に搭乗できなくなるかもしれない。最悪の場合、治安当局に抵抗したことを問題視され刑事罰を科されるかもしれない。そのようなリスクを冒してまで、写真データを見せることを頑なに拒否する必要がどこにあるのだろう。もし日本で警察官がスマートフォンの写真データを見せろと要求したならば、それが公権力による不当な個人情報の暴露だと抵抗はできるかもしれない。しかし、中国でそのような抵抗をして、どういう得があるのだろうか。旅行を支障なく進めることを第一の目的にするならば、全く理にかなっていない。個人の主義主張を貫くことにどれだけの合理性があるかということを検証する必要がある。もちろん、個人の主義主張あるいは旅行スタイルを貫くために、各国の公権力に抵抗したという「武勇伝」を語りたかったのならば「どうぞ、ご自由にどうぞ」と言いたいところだけれども、僕はそういう種類の武勇伝をかっこいい話だとは全く思わない。彼は結局、解放され、飛行機に搭乗できたのだから運がよかったと言えよう。
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昨日、行動を共にした日本人2人はでかけていて、結局、きちんと挨拶ができないままウイグルを発つことになった。僕が早朝から観光をしていたから、彼らに挨拶ができなかったのである。
2路バス(#0476.カシュガル空港とカシュガル市内の移動)に乗って、カシュガル空港へと向かう。
カシュガル空港には飛行機に搭乗する人しか入ることができない。
【2016.9.24】カシュガル空港にて
結論から言えば、スマートフォンやノートパソコンの内部のデータを見せることを要求されることは起こらなかった。カシュガルの空港の安全検査に厳しい点があるとすれば、全ての乗客が安全検査時に靴を脱いで、靴をX-ray検査機に通さなくてはならないことであるが、安全検査官はスマートフォンやノートパソコンのデータについては気にかけるようなそぶりすら見せなかった。