地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

2016年10月

 カシュガル(喀什)国際バザールから、旧市街にあるユースホステルへと戻る。

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【2016.9.23】旧市街にて

 市内には河川が流れていて、その周りに背丈の高い葦が生えていて、風に靡いている。
 その裏には、古い住宅地が見える。

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 手前はすでに、更地になっていた。これから、再開発がされるのだろうか。

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 今後、奥の方はどうなるのだろうか。
 カシュガルの中心部では、旧市街地として残す場所を決め、修景事業などをおこなう代わりに、残さないと決めた場所についてはあとかたもなく壊して、再開発を進めているようだった。

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 カシュガルの都市化は確実に進行していて、これからもこういった再開発は進められていくのだと思う。旧市街は修景事業が進められ、観光地という見世物となる。かつての生活の場は取り壊されて再開発される。変わりゆくということは、寂しいことである。
 果たしてこれが、最善の方法なのだったのだろうか。カシュガル市内には、たくさんのゴーストビルがすでに建っているというのに、今もなお旧市街地を取り壊して再開発を進める必要があるのだろうか。「古いものに対する敬意」が欠如した風景を、僕はあまり好きに離れない。

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 カシュガル旧市街には、職人街がある。

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 鉄を打つ音が四六時中聞こえる。彼らは何を作っているのだろうか、蹄鉄だろうか。鉄を打つ音が、リズムとなって街に響き渡るのが、なんとも小気味よい。

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 自分だけの家を作るために、内装や外装のための装飾品を買いに来るのも面白そうだ。

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 老若男女が街を行き交う。

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 子どもがこちらを見つめてくる。

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【2016.9.23】職人街にて

 おじいさんが並んで、歩いていく。

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 街路樹に植えられたザクロの木に、小さな実がなっている。
 再開発や修景事業が進んでも、こういったウイグルらしい情緒がずっと残っていってくれたらよい。

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 この街での滞在も、あと1泊を残すのみであると思うとさびしくなる。

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 少女がポーズをとってくれる。

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 太陽はもう、だいぶ西に傾いていたがまだまだ明るい。

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 何かを売っている。ヒトデのようなものも見える。海から遠いこの地に、ヒトデがあるとは。一体、何に使うのであろうか。

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 干したコウモリや、爬虫類のたぐいも見える。漢方のようなものを作るのであろうか。
 最後に、アイスクリームを買って、ユースホステルに戻ってきた。

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 カシュガルで、このアイスクリームを食べなかった日はない。

2016年9月 ウイグル9泊10日
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■これまで
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 国際バザールは広く、何もかもがある。

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【2016.9.23】国際バザールにて

 その何もかもというのも、ウイグル独自のものがたくさんあって興味深い。

IMG_4329【2016.9.23】石鹸

 たとえば石鹸なども、ウイグルで生産されたものなのである。お土産として、キュウリ石鹸と、フルーツ石鹸を買っていった。

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 その他にも、りんご石鹸、レモン石鹸、ザクロ石鹸、薔薇石鹸など、種類は多彩である。
 学童用品のコーナーへと行く。

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 おじいさんがおもちゃを選んでいる。孫にプレゼントするのだろうか。
 歩いていくと、手芸用品のコーナーがあらわれる。

IMG_4338【2016.9.23】布

 特に布のコーナーは、とにかく広い。

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 たくさんのウイグル人は、これらの布を用いて、自らの服を作っているようだった。街を行き交う人々がよく着ている柄の布生地がたくさんならんでいたのである。

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 ビニール袋の卸売もある。

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 その中には、日本語のかかれたビニール袋もある。

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 以前の記事(#0507.ウイグルで出回っている不思議な日本語のビニール袋)で紹介した通り、ウイグルでは日本語がかかれたビニール袋がたくさん流通しているのである。
 それから、ウイグルの工芸品のコーナーへと行く。

IMG_4349【2016.9.23】ミニ絨毯

 とても魅力的な商品が多い。しかし、工芸品のコーナーにいるウイグルの人々は、日本語が話せる人も多いから、注意が必要だ。商売上手な彼らに乗せられて、小さな絨毯を二つと、ぴかぴかと光る小さなラクダの置物を買ってしまった。

IMG_4354【2016.9.23】絨毯

 それから、木の籠を買ってしまった。

IMG_4356【2016.9.23】木の籠

 この籠、もともとは1枚の木の板のように平べったいのだが、立体的に立てることができる。その驚きを提供してくれるほかにはあまり使い道がない。フルーツなどを入れるのに、もしかしたらちょうどよいかもしれない。ユースホステルに戻り、四川省出身で法を勉強している大学生の女の子にみせたら、「それ、面白いけど、パキスタンで作っている安物よ」と言われてしまった。たしかに、ウイグルではなくパキスタン製なのかもしれない。
 お茶も多種多様である。

IMG_4360【2016.9.23】ローズ

 これだけたくさんの薔薇の花も、ウイグルではさして高価ではない。

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 ここで、ローズティーを100gほど買っていったのだが、60元(約920円)で買ってしまった。香りのいい高級品だから安いのだと言われてそういうものなのかと思い買ってしまったが、国際バザールではないカシュガル旧市街にある言い値ではない、100gあたりの茶葉の価格が提示されているお茶のお店にいったところ、同じものは100gあたり30元(約460円)とあったため、時価の2倍ほどの値段で買っていたことにあとで気付く。
 国際バザールは、観光客に対しては高い価格を提示しくる傾向があるから、安く買い物をしたい人にはあまりおすすめできないかもしれない。

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 ユースホステルにいた四川省出身の女の子はそのことについて、「日本人の観光客は値切るのが下手だって中国では言われてるから、ウイグルもきっと同じよ」などという。
 ただ、とにかく安い値段で買いたいという気持ちが僕にあるかと言えば、そうでもないのだ。僕は値切るための心理戦を、あまり楽しめる方ではないのだ。

IMG_4365【2016.9.23】スパイス

 たくさんのスパイスが並んでいる。
 その近くには和田玉(ホータン玉)のお店があって、最高級品が数万元という値段で売られている。お店の中にいるのはウルムチ出身の漢族の若い女性で、日本語を話すことができた。たしかに最高級品は透き通っていて、とても美しかった。

IMG_4366【2016.9.23】カーテン

 奥では、カーテンなどの生地を売っていた。
 それにしてもバザールは大きくて、なかなか見切れない。かなりの見ごたえがある。

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 面白いものがたくさんある。

IMG_4370【2016.9.23】サソリ?

 これは、サソリだろうか。どう、使うのだろうか。他にも、亀やすっぽんも売っていた。しかし、このようなものは日本に持ち帰るわけにはいかない。

IMG_4372【2016.9.23】ザクロ

 ユースホステルで食べるために、ザクロを買う。

IMG_4374【2016.9.23】ナツメ

 そらから、ホータン産の大棗を買う。500gほど買って、日本へのお土産とすることにした。

IMG_4377【2016.9.23】ひょうたんの民芸品

 お店には、ひょうたんの民芸品がかかっていた。ひょうたんの表皮を丁寧に彫っている。
 気付いたら、国際バザールで2時間ほどの時間を過ごしていたのだった。
 
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 カシュガルの国際バザール(中西亜国際貿易市場)へと向かう。

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【2016.9.23】国際バザールへと向かう

 カシュガルの背後には、山地が迫っている。あの山地の向こうには、キルギスがあり、パキスタンがあるのだ。
 カシュガルの国際バザールは、2000年以上もの歴史を持っている。紀元前128年にすでにその喧噪っぷりが前漢の外交官である、張騫によって記述されている。

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 今もその賑わいを失わないでいる。

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 1992年までは日曜日にしか開かれていなかったため、日曜バザールと呼ばれることもあるが、現在は毎日、開いている。それでも、日曜日がもっとも賑わうという。金曜日でもこれだけの賑わいだから、日曜日にはどれだけ人が多いのだろうか。
 服飾売り場へと入ってみる。

IMG_4308【2016.9.23】服飾売り場にて

 ウイグルの人々がどのような服を着るのか、垣間見ることができる。

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 日本で着たら奇妙にみえそうな服が多い。また、漢族が着ているものともまた違う。気候や風土、それから宗教の違いはこういうところに反映されていると思う。身体のラインがハッキリと出る服は、ウイグルではあまり見られない。

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 髭の落書きがあるマネキンを撮影していたところ、近くにいたウイグルのおばさんも大笑いした。
 それから、男性服のフロアへと上がる。

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 全体的に裁縫の甘いものが多く、値段はとても安かったけれども、あまり買う気にはならなかった。また、女性服とは異なり、こちらは漢族のものと大差がないように思う。

IMG_4315【2016.9.23】NKIE

 「NKIE」。ここまで露骨な偽物が、まだ、世界のマーケットには出回っているようだ。お土産としては悪くはないが、あまりかっこいいとは思わない。
 建物の外へと出る。

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 写真の中央に、イチジク売りがでている。イチジクを積み上げたようすが、なかなか芸術的である。少しずつ売れ、夜になるころには、イチジクの塔の高さが低くなるのである。
 警察官はメロンなどを口にしながら、市民と話をしている。

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 バザールの入口では持ち物検査は行われるが、ホータンのように、リュックサックの中に手を入れ中身をひとつひとつ確認したり、書物の内容を質問したりするようなことは行われない。ただ、金属探知機を当てるだけである。
 警察官はあまり緊張感がない。

IMG_4319【2016.9.23】警察

 それにしてもあのような顔つきをしているのに、「中国の警察」だと思うと、やはり不思議である。

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 ロシアの場合、いかなる民族の顔つきをしていても、つまりヨーロッパのようであっても、モンゴルのようであっても、同じロシア人としてすんなり受け入れることができるのに、ウイグル族の顔つきで中国というのがピンとこないのはなぜだろう。そう思うのは、僕だけだろうか。

IMG_4317【2016.9.23】メロン

 切りたてのメロンを食べて水分補給をしてから、国際バザールの内部へと入ることにする。 

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