地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

2016年11月

 中国大陸が、国慶節連休に入ったためか、香港の宿泊施設は宿泊料金が高騰している上、軒並み満室だった。中国人の旅行先は日本やタイ、韓国など多様化していて、以前と比較すると香港の人気はすっかりと落ちてしまったというが、それでもたくさんの観光客がやってきている。
 そのため、宿泊施設を探すのに難儀をしたが、10月1日の夜は、香港盛逸酒店(Mexan Harbour Hotel)が1泊364人民元(約5570円)と、その日の香港の多くのゲストハウスのドミトリーのベッド1台分よりも安い価格で宿泊できるホテルを発見したので、そこに泊まることにした。
 しかし価格がなぜか、人民元で提示されている。香港にあるならば、香港ドルで提示されるべきではないだろうかと思いつつ、どうせクレジットカードで決済するから、人民元であれ香港ドルであれ、大きな違いはないものと思い、予約してしまった。

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【2016.10.1】ホテルにて

 ホテルは、青衣にある。MTRの駅から近いというわけではなく、荃灣線の葵芳(Kai Fong)駅などからさらに、バスに乗らなくてはならない。セントラルからは約1時間を要し、アクセスはがよいとは言えない。フロントのようすを見るに、宿泊客はほとんどが中国本土の人たちであった。
 部屋は広いとは言えない。浴室・洗面台にはシャンプーを除けば、何もない。シャンプーも歯ブラシも、剃刀も何もない。テレビや電話機、ドライヤーといった部屋にある備品はすべて、鎖によって壁や机にくくりつけられている。
 また、「客房損壊物品弁償價目表」という一覧表が部屋に置いてあって、客室に備え付けられている物品を壊した場合の罰金が掲示されている。たとえば、バスタオルは100HKD(1450円)、浴室のガラスの扉2250HKD(33000円)、冷蔵庫4800HKD(70000円)、空調機6000HKD(88000円)という具合で、約50の備品について全てが決められている。
 一体、このホテルはなんなのだろうか。何を警戒しているのだろう。備品を壁や机に鎖によってくくりつけて盗まれないようにしたり、客室の備品を損壊した場合の賠償金額の一覧を客室の目につくところに置き、客に備品の扱いに気を付けさせる。こういうことをされると、自分が「信用に足らない人間」としての扱いをされているような気がして、あまり気分がよいとは言えない。
 持参したスマートフォンの充電器が、香港のコンセントの型と合わなかったため、変換用プラグを借りようとフロントに言ったところ、販売はするが貸さないというから、借りなかった。

IMG_4922【2016.10.2】客室からの景色

 朝を迎える。

IMG_4926【2016.10.2】ホテルからの景色

 こういうホテルの居心地はあまりよくないので、すぐに出てしまうことにした。
 
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【2016.10.2】ホテルからの景色

 周辺には、高層アパート団地などが立ち並ぶ。

IMG_4929【2016.10.2】ホテル周辺からの景色

 それにしても、おかしなホテルであった。

IMG_4930【2016.10.2】ホテル

 あたかも客を「適切に管理しないと備品を破損したり、盗み出す野蛮人」のように扱っているこのホテルにまた、お世話になることはなさそうだ!

■香港盛逸酒店(Mexan Harbour Hotel)
 住所 : 青衣路1號


 香港では花火大会が1年に3回おこなわれる。

・12月31日の夜におこなわれる新年を祝う花火大会
・旧正月の2日目の夜に行われる花火大会
・10月1日(中華人民共和国・国慶節)の夜に行われる花火大会

 その日はちょうど、10月1日で中華人民共和国の国慶節に当たる日だった。そのため、花火大会が開催されていたが友人は「中国は我々とは関係のないことだ。なぜ、祝う必要がある?見に行く必要はない」といい、見に行かせてくれなかったから、僕は、香港の花火を楽しむことはできなかった(笑)
 ちなみに中国の国慶節は7日間にまたがる連休だが、香港では10月1日だけが祝日である。一国二制度が適応されている香港特別行政区は、中国本土とは休日も異なる。

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【2016.10.1】花火大会の煙

 たくさんの人が地下鉄の駅に向かっているのをみるに、花火は終わったようだった。
 そして花火の煙は、市街地へと入り込んでいた。

IMG_4912【2016.10.1】花火大会の煙

 明らかに煙たい。

IMG_4918【2016.10.1】花火大会の煙

 この花火大会の煙は、地下鉄駅の構内にも入り込み、駅構内をも白くしていた。

IMG_4919【2016.10.1】花火大会の煙

 しかし、たくさんの人が出ているのをみると、 中国のことを気に入らないと思っている香港人も、花火については楽しんでいる人が多いようだった。
 友人のように「中国本土の祝日を、我々が祝う必要はない」と言い、花火大会に行こうとしないというのは、必ずしも一般的な考え方ではないように思われたけれども、「他国のお祝いごとが自分の住む地域でおこなわれている」という違和感を持つ人がいるといのも事実であり、そういう違和感が日常化している彼らの生活を気の毒にも思った。


 トラムに乗って、銅鑼灣(コーズウェイベイ)方面へと向かっていく。

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【2016.10.1】トラムの車窓

 トラムの2階には、夜の風が吹き抜けていく。

IMG_4890【2016.10.1】トラムの車窓

 夜風が気持ちのよいときは、トラムですぐに目的地についてしまうことを惜しく思う。

IMG_4894【2016.10.1】トラムの車窓

 湾仔(ワンチャイ)駅と銅鑼灣駅の間あたりで、トラムを降りる。
 友人が連れてきてくれたのは、「點點心」という点心の専門店だった。

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 NEWSWEEKで、世界で訪れたい食堂101選に選出されたそうだ。しかし、NEWSWEEKがどれくらいの権威のある週刊誌であるのか、僕にはよく分からない。しかし、このためか、外国人観光客はたしかに多かったし、香港人が外国からの訪問者に香港を案内するときに、ちょうどよいお店といった感じであった。
 注文は、紙に注文する品名をチェックして、店員に渡すだけでいい。日本語、英語、韓国語が併記された料理の写真付きのファイルがあるから、心配ご無用だ。
 店内は香港らしく、ひどく狭い。注文をして、冷たい普洱茶を飲みながら、待つが、あまり長くは待たない。

IMG_4901【2016.10.1】點點心にて

 友人と、どのような今後、どのような仕事をするかということについて、点心を食べながら、お互い話した。
 友人は、2年9か月前に入社した会社での仕事を、常に、面白くはない、長く続けるつもりはないといいいながら今まで続けてきた。会社勤めではるが、次の年の1月に5日間、福岡に旅行に行くだとか、3月に北欧を周遊する旅行を計画しているだとかいう話をしているのを聞くに、それなりに自由を謳歌しているようである。

IMG_4902【2016.10.1】點點心にて

 香港の労働事情について僕は詳しいことは分からないが、日本とは異なり、有給休暇を100%取得することが一般的で、また、取得することが義務付けられているそうだ。

IMG_4903【2016.10.1】】脆皮鮮蝦腸

 個人的なおすすめはこの「脆皮鮮蝦腸(エビの入った腸粉)」だ。
 1日中、食べ続けていて、さすがにお腹がいっぱいになってしまった。大体、誰と旅行をしていても、いつも僕の方が大食い(しかし、あまり太らない)なんだけれども、この香港の友人に関してはどうも、僕に匹敵する大食いか、僕よりもたくさん食べる。

IMG_4904【2016.10.1】點點心にて

 ファストフードの感覚で、そこそこの点心(世界の訪問すべき食堂101選にランクインするほどの味だとは思わない)を楽しむことができるので、なかなかいいお店だった。ただ、お店は香港らしく狭く、隣のテーブルの人たちの会話が丸聞こえという環境なので、長くくつろぐには不適だとは思う。
 料金は二人で136HKD(約2000円)だった。

■ 點點心點心專門店灣仔店
 住所:灣仔天樂里7號
 営業時間:午前10時~午前0時


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