地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

2017年07月

 タイの失業率はタイ全土で0.7%ほどにしかならず、労働力不足が深刻である。そのタイに、たくさんの国の人々が職を求めてやってきているが、中でも多いのが、ミャンマーからやってきた労働者だ。

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【2017.6.28】プラカノンにて

 タイ全土に正式に登録されたミャンマー人労働者は150万人、不法労働者をも含めると200万人以上がいるとも言われる。それらのミャンマー人が、「汚い、危険、きつい」のいわゆる3K業種についている。
 彼らミャンマー人は低賃金で働く。タイの低物価は、こういったミャンマー人によって担われている。彼らがいなかったら、タイの物価はもっと高かったはずだ。

IMG_3111【2017.6.28】プラカノン駅周辺にて

 それだけたくさんのミャンマー人がいるのだから、ミャンマー料理店も街中にたくさんありそうだが、意外なことに、わざわざ探さないと存在しない。
 その一つが、プラカノン(พระโขนง, Phra Khanong)駅の近くにある。 BTSプラカノン駅を降りて、BTSの高架沿いに南へと進んでいき、スクンビット71の通りを渡ったところに、古ぼけた市場がある。

IMG_3110【2017.6.28】古ぼけた市場

 このあたりは、ミャンマー人が多い。

IMG_3107【2017.6.28】古ぼけた市場にて

 中へ入ると、ミャンマー料理のお店や、ミャンマーの輸入食材店や雑貨店などがある。

IMG_3106【2017.6.28】ミャンマー料理

 そこで、ミャンマー料理を食べることにした。
 Google Mapで検索するならば「13°42'47.1"N 100°35'43.7"E」あるいは「13.713095, 100.595478」の緯度経度を入力して、検索すればよい。

IMG_3103【2017.6.28】ミャンマー料理

 路上には、ミャンマー料理が並ぶ。

IMG_3105【2017.6.28】ミャンマー料理

 ミャンマー語は分からないから、お互い、片言のタイ語で注文を取りあう。

IMG_3098【2017.6.28】食堂にて

 店内には、ミャンマー語の記されたポスターなどがかかっている。
 ミャンマーで撮影されたものと思われる家族写真なども飾られていて、何か「望郷の念」を感じさせる空間であった。

IMG_3099【2017.6.28】食堂にて

 注文したものが、テーブルへとやってくる。

IMG_3091【2017.6.28】ミャンマー料理

 たくさんの野菜があって、健康的に見える。

IMG_3095【2017.6.28】ミャンマー料理

 香辛料が控えめで、味付けも薄かった。東南アジアに、これほど、淡白な味の付け方をする国の料理があったのかと思う。例えば、韓国料理でテーブルを埋め尽くすように出てくる、バンチャン(반찬)と呼ばれるおかずの一つ一つに味が似ていると思う。
 米は、明らかに味がよくなかった。質の低いものを、使っているのだと思う。米の味にまで、お金をかける金銭的な余裕がないのだろうか。味よりは、腹いっぱい食べられることが重要なのだろうか。そう思うとなんだか、さびしい気がする。
 これだけたくさん食べて、50バーツと少しほどだったから、あまりにも安い。
 食事をしていると、その場にいたミャンマー人の客が僕たちに向かって「アニョハセヨ」と嬉しそう声をかけてくれた。おそらく、韓国人に見えたのだろう。ミャンマーでは韓国ドラマやK-POPの人気が高いというから、東アジア人の顔形をみると、韓国人と思いがちなのだろう。
 外国人のすがたは僕たちの他にはなかったが、デジタル一眼レフカメラを構えたタイ人たちがいた。タイ語のメニューすらない、タイで働くミャンマー人に向けたものと思われるこの食堂に、なぜ彼らがいたのかは分からないが、こういったものに興味を持つタイ人もいるようだった。


 ゲストハウスから空港までは来た時と同じよう、これといって公共交通がないことから2kmと少しの道を、歩いていくことになる。

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【2017.6.25】馬車

 前方から、ぱかぱかと、馬の足音が聞こえてくる。

IMG_3048【2017.6.25】馬車

 馬車だ。

IMG_3053【2017.6.25】馬車

 馬車は車道を通る。
 観光用の馬車の速度はせいぜい早歩きと変わらない位だから、この馬車が車道を通ると、後ろの方で車が詰まる。

IMG_3054【2017.6.25】馬車

 そのためランパーンでは自動車の交通量が多いことによる渋滞は起こらないが、馬車による渋滞が起こってしまう。

IMG_3055【2017.6.25】ランパーン市内にて

 少しずつ、それが暗くなっていく。

IMG_3056【2017.6.25】ランパーン市内にて

 国道を渡り、市街地にある空港へと至る。

IMG_3058【2017.6.25】ランパーン空港

 大体、搭乗便の離陸の1時間と少し前くらいに空港に到着する。
 規模の小さい空港で、乗客の数も限られていたから、搭乗手続きにはあまり時間がかからず、時間を持て余した。

IMG_3067【2017.6.25】ランパーン空港にて

 ノックエア(Nok Air)の便が、バンコクから到着した。

IMG_3073【2017.6.25】ランパーン空港にて

 バンコクエアウェイズの乗客は全員、空港内の簡易ラウンジ(待合室に机が置いてあるだけ)で食事をしたり、飲み物をとることができる。

IMG_3074【2017.6.25】ランパーン空港のラウンジ

 卵の入ったサンドイッチや、パイナップルを食べた。
 しばらくして、搭乗する。

IMG_3079【2017.6.25】バンコクエアウェイズ

 ランパーンに来たと同じように、バンコクに行くときもプロペラ機に乗りこむ。

IMG_3081【2017.6.25】ランパーン空港にて

 帰りの機内食は鴨肉の麺料理だった。

IMG_3085【2017.6.25】機内食

 デザートは果物と、オレンジ風味のチーズケーキでこれは来た時と変わらなかった。
 「鴨肉とは機内食としてはなかなか凝ったものを出す」といった印象を抱いたけれども、味はさほどよくなかった。

IMG_3087【2017.6.25】バンコク周辺

 1日中炎天下で自転車をこいでいたから、すっかり日焼けをしてしまった。
 バンコクで2か月と少しの間暮らして、さして日焼けをしなかったから、日焼けしにくい体質なのだ、大丈夫だろうと思って油断していたのが、一日の間で真っ赤になってしまった。

IMG_3088【2017.6.25】バンコク周辺

 バンコクへは、1時間半ほどで到着する。スワンナプーム空港で、日本からやってきていた友人を見送り、バンコクの自宅へと帰る。
 疲れていたから、その日の夜はよく眠ることができた。よい週末を過ごすことができた。


 土曜日の夜と、日曜日の夜にだけナイトマーケットが開かれる、ランパーンのタラートガオ通り(ถนนตลาดเก่า, Talad Gao Rd.)へと戻ってくる。
 昼間は閑散としていたこの通りだが、夕方になってお店が開き始めてまた、活気づき始めている。

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【2017.6.25】タラートガオ通りにて

 熱帯では、昼はあまりにも暑いから、夕方から活動を始めるくらいが、ちょうどよいのだと思う。

IMG_3014【2017.6.25】タラートガオ通りにて

 家屋には、「すだれ」の日除けがついている。
 タイにも、すだれがあるのだ。

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 みな、どこからか机を運んできたリ、地べたに商品を並べたりと、開店の準備を熱心にしている。

IMG_3017【2017.6.25】タラートガオ通りにて

 そう、道は交易の場なのである。
 通りの名である「タラートガオ」とはタイ語で「古い市場」を意味する。きっと昔も、こういう景色が繰り広げられていたのだろう。そこに並ぶ売り物は変わったとしても、だ。

IMG_3019【2017.6.25】タラートガオ通りにて

 喉が渇いたから、何か飲むものを探す。

IMG_3020【2017.6.25】タラートガオ通りにて

 果物屋が、フルーツのスムージーを作って売っていた。

IMG_3023【2017.6.25】タラートガオ通りにて

 パイナップルスムージーをたのむと、今からパイナップルを切るから時間がかかるといって、切ったパイナップルの切れ端をくれたり、店先の桶に溜めた水で手を洗わせてくれたりした。自転車のサドルをずっと握っていたから、手がさっぱりとして、よかった。
 ランパーンのささやかな、おもてなしである。

IMG_3024【2017.6.25】タラートガオ通りにて

 さて、また、ゲストハウスへと向けて、ペダルを踏んでいく。

IMG_3028【2017.6.25】タラートガオ通りにて

 またやってくることがあるだろうか。

IMG_3033【2017.6.25】タラートガオ通りにて

 ゲストハウス「Baan KUM-ON」に戻ると、オーナーはいなかった。

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 そこで働いている女性は、ハンモックで寝ていた。

IMG_3037【2017.6.25】ゲストハウスにて

 借りていた自転車を停める。

IMG_3038【2017.6.25】ゲストハウスにて

 それから、預けていた荷物をそっととって、ゲストハウスを後にした。


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