地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

2017年07月

 前の日、ゲストハウスのオーナーがこういう。

オーナー「明日の朝ごはんはどうしますか。西洋式にしますか、北タイの伝統的なものにしますか」
僕「北タイの伝統的なものをお願いします」
オーナー「本当?食べられるかしら」
僕「ええ、もちろん」

 「食べられるかしら」というくらいだから、何か、奇妙な味の朝ごはんでもでるのだろうか。
 そう思いながら、寝床に着いた。

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【2017.6.25】Baan KUM - ONにて

 朝を迎える。
 午前8時に朝食だというから、下へと降りていく。

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 木を、裸足で歩くというのはやはりここちがよい。

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 まだ気温はそれほど高くはなかったが、陽射しは強く、すぐに暑くなりそうだった。

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 階下には誰もいなかったが、すでに朝食の準備ができていた。

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 座敷に上がって、朝食を食べる。

IMG_2765【2017.6.25】朝食

 葉にくるまれているのは、もち米だ。
 タイ北部や東北部では、バンコク周辺と異なり、伝統的に主食としてもち米が食べられた。

IMG_2768【2017.6.25】朝食

 これを、塩味のきいたおかずと合わせて食べる。

IMG_2770【2017.6.25】朝食

 結構、塩味が強かったから、タイ北部は塩味の強い味付けをこのむ傾向にあるのだろうか、と思う。
 それでも、朝の涼しい時間帯に、座敷で裸足で上がり、食べる朝食はとてもおいしい。高床式住宅の1階にあってか風がよく通り、気持ちがよい。

IMG_2774【2017.6.25】Baan KUM - ONにて

  もち米を手でちぎりながら、食べていると、初老のオーナーのおばさんが自転車に乗って、やってきた。自転車はママチャリではなく、もっと本格的な、ロードバイクだった。
 友人は、「あのおばさん、ふくらはぎ、すごいぞ」と言う。たしかに、ふくらはぎがすごかった。

オーナー「おいしいですか」
僕「ええ」
オーナー「それはよかった。やっぱり、食べられるのね。ところで今日は、何をするつもりなの」
僕「市内観光でも」
オーナー「ランパーン名物の花馬車は30分で300バーツ(約1000円)くらいで、市内をめぐってくれるわ。それとも、自転車にする?」

 ゲストハウスでは、自転車を無料で貸してくれる。

僕「そうですね。自転車で、走りたい」
オーナー「どうぞ、ご自由に使って」

 さすが、自転車好きのオーナーが管理しているだけあってか、レンタサイクルにありがちな管理の行き届いていない自転車ではなく、管理の行き届いている自転車であった。ただ、身長181cmの僕には小さくはあったが。
 最後に、パパイヤとパラミツを食べて、お腹いっぱいにする。

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 ランパーンにあるゲストハウス「Baan KUM - ON」は、北タイの伝統的な作りの建築であり、とても清潔でまた、居心地がよく、朝食がおいしく、また、オーナーも素敵な方だから、是非おすすめしたい。

■Baan KUM - ON
 住所 : 36 Radwattana Road, Wieng Nua, Mueang Lampang District, Lampang 52000
 宿泊料金 : 朝食込みのツイン、ダブルともに1室1泊1200バーツ(約4000円)


 ゲストハウス「Baan KUM-ON」にチェックインする。
 オーナーは素敵な初老の女性で、英語、それから簡単なタイ語で話をした。タイにやってきてから2か月と少しが経って、「バンコクで働いている。友人は日本からタイに、旅行に来ている」。そういった内容なら、タイ語で話せるようになった。
 木造の部屋でしばらく休んでいると、日没した。
 ナイトマーケットへと向かうことにした。ランパーンのナイトマーケットは土曜日と日曜日の、午後5時から午後10時に開かれる。タラートガオ通り(ถนนตลาดเก่า, Talad Gao Rd.)、タイ語で「古い市場」を意味するこの通りに、たくさんの露店が立ち並ぶ。

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【2017.6.24】ナイトマーケットにて

 ランパーンに到着してから、ランパーンはずいぶんひと気の少ない静かな町だと思っていたけれども、ナイトマーケットはずいぶん、活気があった。
 町の人も、旅行者もみな、ナイトマーケットに結集しているといった感じだ。

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 パッタイが一皿20バーツ(約67円)だったりする。バンコクの半額だ。

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 通りには、木造の建物が立ち並んでいる。

IMG_2741【2017.6.24】ナイトマーケットにて

 夕食を食べることにした。

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 古い建築を、食堂兼カフェとして営業している、「Niyom Sen」というお店に入る。

IMG_2742【2017.6.24】店内にて

 何を食べようか迷っていると、英語が話せる店員がいて、北タイの名物をすすめてくれたから、それを食べることにした。

IMG_2745【2017.6.24】メニュー

 それは、ナム・ヤオ(น้ำเงี้ยว)という北タイ料理だ。

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 トマトとにんにく、唐辛子のきいたスープと、ガーリックライスを食べる。
 バンコクの食べ物とは全く違うから、とても興味深い。もともと、中国雲南省やミャンマー・シャン州、それからタイ北部などに分布するシャン族の料理だという。
 料理は興味深くはあったが味はというと、僕には塩味が強すぎた。

IMG_2749【2017.6.24】ナイトマーケットにて

 ナイトマーケットでいくつか、おみやげを買ってから、ゲストハウスへと戻ることにした。

IMG_2752【2017.6.24】ナイトマーケットにて

 ワン川にはラサダーピセーク橋(สะพานรัษฎาภิเศก, Ratsada Phisek Bridge)という、白い橋がかかっている。

IMG_2758【2017.6.24】ラサダーピセーク橋

 ランパーンの周辺はもともとチーク材の産出地で、ランパーンはそれらチーク材をバンコクへと運ぶ中継地点として1916年に開通した鉄道とともに発展したという歴史を持つ。 
 チーク材は乱伐され、現在はその保護のため、一切の伐採が禁じられていることから、木材の中継地点としての役割は果たしていないが、鉄道駅や橋など当時に整備されたインフラストラクチャーは、今もランパーンのシンボルとなっている。


 ランパーン空港を出る。

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【2017.6.24】ランパーン空港

 日本からやってきた友人は、タイの田舎町ということで、開発の遅れたところ、つまり、道路が舗装すらされておらず、人々が裸足で歩いている、そういう景色を想像してやってきたというが、その想像はちっとも当たらなかったと漏らした。
 とはいえ、オンラインで航空券を購入し、オンラインでゲストハウスを予約してやってきたのだ。タイの田舎町だからといって、そこが日本でいう昭和30年代のような時間に取り残されたままでいるということはないだろう。
 タイといえば、バンコクだけが群を抜いて、発展しているように思われがちである。もちろん、都市人口や経済といった指標からみればそれは妥当な考えではあろうが、それがバンコク以外の地域の生活水準が低いということにはならない。
 かくいう僕も、以前、タイ最北部のミャンマーとの国境にある町、メーサーイ(แม่สาย)に行った時、「『ミャンマーとの国境』にある町という言葉の響きから想像するよりもずっと都市的で、国境の近くにまでセブンイレブンがあったりするのには驚いた」といった感想を抱いたことがあるから、「タイの田舎は想像よりもずっと発展している」というのは、日本からの旅行者が抱きがちな誤解なのだと思う。

IMG_2721【2017.6.24】ランパーン空港

 ところでこのランパーン空港に出入りする路線バスはないようだったし、その時は、タクシーは一台も待機していなかった。
 公共交通機関が皆無である。

IMG_2723【2017.6.24】ランパーン市街

 しかし幸いなことに、空港は市街地にあって、予約しておいたゲストハウス「Baan KUM-ON」までの道のりは2.4kmほどで、30分ほどで歩けそうだから、歩いていくことにした。
 ちなみに空港から市の中心部までは2kmの道のりと、近い。

IMG_2725【2017.6.24】国道1号線

 途中、国道1号線を歩道橋で越えていく。

IMG_2726【2017.6.24】ランパーン市街

 少しずつ、日が沈んでいく。

IMG_2729【2017.6.24】夕日

 日が沈むと、野良犬たちが活動を始めるから、早いところ、ゲストハウスについてしまいたかった。

IMG_2731【2017.6.24】ランパーン市街

 ワン川(แม่น้ำวัง)というランパーンの中心部を流れる小さな川を渡っていく。
 結局、30分もかからないうちに、到着することができた。
 ランパーンでは市内を行き交うバスやソンテウは稀で、トゥクトゥクや流しのタクシーを見かけることはできない。公共交通は非常に乏しいとしかいいようがないが、コンパクトな町であるから、あれやこれやと交通手段で迷うくらいなら、歩いてしまった方がよさそうだ。


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