韓国でも桜は愛されている。韓国で春の花といえばまず、連翹(개나리)があり、桜(벚꽃)がある。春になると、韓国各地で「さくらまつり(벚꽃 축제)」が開催される。「まつり」と称してはいるものの、これといって特別なイベントをおこなうというわけではなく、いくつかの露店が出たり、車道を歩道として開放したり、時にはアーティストを招いて楽器の演奏や歌を披露するくらいである。
 お花見の習慣が韓国にあるかといえば、桜の木の下にシートを敷いて集まることを社会的な現象、あるいは毎年の習慣としてやっているかというとそれは違う。日本で毎年恒例の公園の場所取り合戦なんか存在しないし、場所取りのために部下をつかわすような会社文化はないのだ。とはいえ、満開の桜の木の下に親しい人同士集まり、家で作った海苔巻きやら、持ち寄った果物やら、配達させたチキンやらをつつきながら、ビールやマッコリを飲みつつ、話に花を咲かせるのは、とても素敵なことだと思わないかと韓国人に聞かせてみれば、たいてい、同意してくれるから、日本人も韓国人もそういった感覚は共有している。



【2012.4.16】汝矣島にて

 毎年、たくさんの人が訪れる。


【2012.4.16】汝矣島にて

 汝矣島は漢江沿いにあって、公園として整備された河川敷である漢江公園(한강공원)を歩いてみるのも心地よい。

【2012.4.16】汝矣島にて
 
 桜並木の距離は長い。


【2012.4.16】汝矣島にて

 地下鉄5, 9号線の汝矣島駅や、地下鉄5号線の汝矣ナル(여의나루)駅周辺は、いつも人が多いけれども、駅から遠ざかっていくと、だんだん人が少なくなっていく。

【2012.4.16】汝矣島にて

 桜の名所としはあまり古いものではなく、大木はまだ少ない。

【2012.4.16】汝矣島にて

 ただ、こういう平地の、川沿いの桜並木であったら、日本にもたくさんあるように思える。
 僕にとって日本では見られない、ソウルらしい桜の景色といえば、汝矣島というよりは、ソウル市内の山中にある桜の景色だと思う。以降の記事で紹介していこう。

■ソウルでお花見をしよう
#0206.ソウルでお花見をしよう - 汝矣島(여의도)
#0207.ソウルでお花見をしよう - 南山(남산) 
#0208.ソウルでお花見をしよう - 黒石洞(흑석동) 
#0209.僕が退学したソウル大学の桜
#0210.ソウルでお花見をしよう - 新村(신촌)
#0211.ソウルでお花見をしよう - 石村湖水(석촌호수)