新北市鶯歌區にある、鶯歌陶瓷老街へ行く。鶯歌は台北郊外にあり、陶業が有名な街である。中国の清代から陶業で栄えていて、この老街には窯元が立ち並んでたというが、台北の都市化に伴い、煤をもくもくと吐き出す窯元はさらに郊外への移転を余儀なくされ、現在は、陶器を取り扱うお店が並んでいるだけである。

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【2016.4.27】鶯歌陶瓷老街にて

 平日であるためか、人はまるっきりいない。休日になるとたくさんの人で賑わうというから、静かな街並みを楽しみたいのなら平日の訪問がよいだろう。
 名前は「老街」と名付けられてはいるが、古くから存在した集落ではあるだろうが、古い建築物が残っているかといえば、そうではない。

IMG_6987【2016.4.27】鶯歌陶瓷老街にて

 奥まで歩くと、豆花のお店があるから、豆花を食べながら休息をとることにした。
 大豆で作られた豆花と、黒豆で作られた豆花の二つのうちどちらかを選び、トッピングを二つ選ぶ。僕は、大豆で作られた豆花と、かぼちゃ、仙草のトッピングを選ぶ。

IMG_6989【2016.4.27】豆花を注文する

 氷は入れなくていいと言ったが、少し、いれられてしまった(笑)

IMG_6995【2016.4.27】阿嬤ㄟ豆花

 ところで店名の中央の漢字、一体、何て読むのだろう。同行している台湾の友人も分からないという。お店の人に訊いてみるとㄟ(ei)と読むのだという。あの漢字は、パソコンやスマートフォンでも入力ができない。
 豆花はなかなかさっぱりとした味わいだった。甘さが控えられている。かぼちゃもなかなかよい。

IMG_6993【2016.4.27】豆花

 やはり氷は要らなかった。氷がなくても十分、さっぱりとした味わいだったし、あまり、お腹を冷やしたくもなかった。豆花といえば以前、香港の豆花を紹介したことがあるが(#0034.深水埗「公和荳品廠」 - 百年伝統の豆花)、香港のものの方が僕は好みである。
 老街を散策する。

IMG_6997【2016.4.27】老街

 天気はよくなったり、曇ったりの繰り返しだったが、徐々に曇りの時間の方が長くなっていた。

IMG_7000【2016.4.27】商店街

 煙突がみえるが、これは、陶器店の入ったビルの装飾のようである。
 お店は、工場における量産品を置くお店が多く、そういったものは日本的なデザインのものが多いため、わざわざ台湾にまでやってきたのに興が冷める。

IMG_7002【2016.4.27】陶器

 あるお店のオーナーは「うちのお店は日本から製品を取り寄せてるのよ。日本のものの方がよく売れるから。台湾的なものを望むなら、向こうの茶器のお店にいった方がいいわ」と、あっさり認めてしまった。そういいながら、「でも、これは台湾のおみやげとしてよさそうよ」と、陶製のコースターをみせてくれる。

コースター表

 1200度以上の高温で長時間焼いた陶製のコースターだという。冷たい飲み物を上に置くと、コップの表面に結露して、テーブルが水で濡れがちだが、このコースターはその水分を吸い取ってくれるという。だから、テーブルが濡れない。

コースター裏

 このMade In Taiwanを鶯歌のおみやげとすることにした。それから「臺華窯」などでいわゆる台湾的な陶器を鑑賞してこの街をあとにした。
 僕は、陶磁器を見に行ったり、陶器市に行くことは好きなのだが、鶯歌の老街に関してはただの販売所と化しているところがあるし、日本製品が溢れていることもあり、期待していたほど楽しくはなかった。しかし、安い食器がたくさん販売されているので、台湾在住の人には重宝すると思う。

■鶯歌陶瓷老街への行き方
 台鉄鶯歌駅から坂を登り、徒歩10分