それにしてもお腹が減った。
 成都双流空港で夜を明かし、それから国内線で軽い機内食を食べてから、まだ何も口にしていない。

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【2016.5.26】麗江古城にて

 どこで食べようかと迷っていたところ、ある食堂の店員に大きな声で「안녕하세요!(アニョハセヨ)」と言われる。中国ではやはり、日本人と韓国人はあまり区別されない。それにしても、異国で聞きなれている葉が耳に入ると、そちらの方に顔を向け、笑みを浮かべてしまうものだ。
 結局、その食堂で食べることにした。

IMG_7989【2016.5.26】食堂にて

 「納西(ナシ)特色小吃」とある。ナシ族料理を提供する食堂なのだろう。英語の併記されているメニューを持ってきてくれる。あまりにもお腹が空いていたから、二品を頼んだ。

IMG_7992【2016.5.26】麺

 一つ目はなんだったか。野菜のたっぷりと入った、麺である。
 見た目の濃い色に反して、さっぱりしておいしかった。

IMG_8000【2016.5.26】炒飯

 しばらくしてから、炒飯と、もう一皿が出てきた。

IMG_8001【2016.5.26】漬物

 これは何かと聞くと、「泡菜(paocai)」だという。「韓国に泡菜があるでしょ。これはナシ族の泡菜よ」という。ああ、つまり、ナシ族のキムチか。
 麺にしろ、炒飯にしろ何がナシ族料理の特徴なのかはいまいちよく分からなかったけれども、野菜が豊富で、味付けがあっさりしているとは思った。適当に入った食堂で、おいしく平らげることのできるものがでてきたから、雲南省という土地の食事に対する期待はいよいよ高まった。
 ところで、食事中、ずっと、女性の店員からちらちらと視線を送られていた。視線が合うたびに、お互い、笑みを交わしていたのだが、なんだか気恥ずかしかった。旅行先の食堂で、これからいかにも恋愛でも始まりそうな気恥ずかしさを経験するとは(笑)もちろん実際のところは、始まりはしないのだが。
 そして最後に、「あなた、中国語できるの?」「不會說(話せない)」「少ししか話せないのね(笑)」「うん」「再見」「再見」という言葉を交わして、外に出た。
 
IMG_8004【2016.5.26】麗江古城にて

 朝、空港に到着したときにはまだ雲や霧に包まれていた麗江であったが、時間が経つにつれ天気がよくなっていった。