麗江を出発してから、2時間40分。シャングリラ(香格里拉)までの道のりの約、3分の2ほどやってきたところで、休憩の時間となる。

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【2016.5.28】大峡谷にて

 「大峡谷」と標識がある。

IMG_8693【2016.5.28】大峡谷にて

 その大峡谷が、一般名詞としての「大峡谷」がここにあるという意味なのか、固有名詞、つまり地名としての「大峡谷」なのかは分からないが、その高低差の豊かなダイナミックな地形が織り成す景色は、涙を流しそうになるくらい美しい。

IMG_8669【2016.5.28】大峡谷にて

 天空の台地にはりつく農耕地、零れ落ちそうな集落。
 タバコの煙をもくもくとさせた、チベット焼け(頬を真っ赤にした日焼けの仕方)した運転手が僕に話しかけてくる。
 
 運転手:「中国語はできるのか」
 僕:「できない」
 運転手:「そうか。中国は好きか」
 僕:「好きだよ」

IMG_8679【2016.5.28】大峡谷にて

 トイレは全く綺麗ではないのに、1元(約17円)をしっかりと徴収される。
 後ろを振り向く。

IMG_8692【2016.5.28】大峡谷にて

 家畜が、草を食べている。
 運転手がクラクションを鳴らすと、出発の合図だ。さらに標高を上げていく。

IMG_8700【2016.5.28】チベット族の集落

 チベット族の建物が見えてくる。遊牧民の世界が広がる。

IMG_8702【2016.5.28】チベット族の集落

 ピンク色の花に囲まれている。チベットのツツジだという。
 大峡谷を出発してから40分ほどして、また、車を停めてくれる。

IMG_8710【2016.5.28】花畑にて

 他の乗客は車酔いをしてしまったのか、高山病の影響があったのか、すぐに降りようとはしなかった。
 僕だけ停車した車から颯爽と降りた。

IMG_8715【2016.5.28】花畑にて

 普段、自然の豊かとは言えない東京に住んでいるから、こういう景色には心が躍る。

IMG_8717【2016.5.28】花畑にて

 5月の末から6月の頭にかけて、シャングリラが花に満ち溢れるというのは本当だった。
 麗江を出発してから4時間、予約しておいた宿の近くを過ぎていくようだったので、車を停めてもらい降り、歩いていく。

IMG_8731【2016.5.28】シャングリラにて

 標高3300mというのは僕にとって、未知の領域だった。こんなに標高が高いところは初めてだった。重いバックパックを担いで、あまり激しく動かないようにする。恐る恐る歩いていく。僕の体が、低酸素の高地に耐性があるのかも分からなかったから。とにかく太陽が近い、眩しい。
 ついに、予約しておいた宿を見つける。

IMG_8728【2016.5.28】シャングリラにて

 予約しておいた、独克宗古城(ドクゾン古城)にある藝棧藏式精品客棧(Yi's Hostel)へと向かう。迎えてくれた若い女性は、とても愛想がよく、とても丁寧な英語を話した。その旅先で初めて会う人が愛想がよく、親切な人だと、緊張感というのは緩むもので、とてもありがたい。

IMG_8721【2016.5.28】宿にて

 しばらく横たわり、4時間の移動の疲れを癒す。