当初の予定よりもお金を使ってしまい、現金を追加で引き出さなくてはならなくなった。
 楽天銀行のJCBデビッドカードを持っていて、JCBやCirrus(シーラス)のマークがついている銀行ATMであれば手数料無料で、日本国内の預金口座から人民元で現金を下ろすことができる。
 中国の大都市部の銀行ATMであれば大部分が対応しているが、さてシャングリラ(香格里拉)市内では見つけることができるだろうか。
 旧市街地を出て、新市街地へと行く。

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【2016.5.28】市内にて

 新市街地の建物は伝統的なものではなく、鉄筋コンクリート造の建物が多いが、意匠については全体的に、チベットを意識している。

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 シャングリラ市は、チベット族自治州にある。条例などにより、チベット的な意匠を建物に入れるよう、定められているように思われる。

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 鉄筋コンクリート造の建物を、チベット的に装飾しているだけではあるが、そこがチベット族の土地であることを主張するには十分だろう。

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 チベット的な装飾があるのは、大通りに面した建物だけではなく、ひとつ路地に入ってもそうである。

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 シャングリラ市内の建物の多くの看板は、漢字とチベット語の併記となっている。

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 麗江では漢字とトンパ文字の併記であったが、180km移動するだけでトンパ文字は見られなくなり、チベット文字へと変わる。

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 麗江ではトンパ文字はあくまでも装飾や雰囲気作りに過ぎないようにみえたが、シャングリラ市内ではプロパガンダにチベット語が併記されていたり、観光地の解説文などにチベット語の表記があるのをみると、こちらは生活においてある程度、使用されているように観察される。

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 それにしても、Cirrus(シーラス)に対応したATMがなかなか見つからない。カードを挿入しても、取り扱いのできないカードだと返されるばかりだ。

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 このままでは、シャングリラで一文無しになってしまう。

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 ATMにひたすらカードを突っ込んでみるが、いつも突き返される。
 中国農業銀行の支店でも、できなかった。

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 そしてついに、見つける。

IMG_8830【2016.5.28】中国銀行

 中国銀行のATMで、楽天銀行のJCBデビッドカードで人民元を引き出すことに成功した。
 
■中国银行(迪庆州分行)
 池慈卡街“坛城旺角”商场一楼临街商铺

 中国銀行の看板も、チベット語併記となっている。
 南に進むと、香格里拉人民医院が見えてくる。

IMG_8833【2016.5.28】病院

 チベット仏教寺院とも見まがいそうな、立派な建物である。
 民族衣装を纏った老齢の女性が、家族に付き添われて、建物の外へと出てくる。

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【2016.5.28】病院

 空が青く、建物もチベットを意識したデザインであるからか、中国にいるということを忘れてしまう。
 今まで僕が旅行をしたところの中で似ているところがあるとしたら、トルコ東部の都市、エルズルムなどと似ている。あそこも標高が2000m弱と高く、空は限りなく青く、空気は乾燥していた。遊牧民の土地であるところも、似ていると思う。

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 新市街をあてもなく歩くのも楽しい、シャングリラであった。