中国は時差がないものとされているが、新疆ウイグル自治区には中国の標準時である北京時間とは別に新疆時間というものが使われている。北京時間より2時間ほど遅いものである。空港などでは北京時間が利用されているが、市内を走るバスや一般の家庭では新疆時間が利用されている。施設の営業時間については、北京時間で表記されているもの、新疆時間で表記されているものが混在しているが、多くはそれが北京時間であるとか新疆時間であるといった断りが大体ついている。
 北京時間午後5時半、新疆時間午後3時半。小腹がすいていたので、四川航空の同じフライトに搭乗していた日本人と食べに行く。

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【2016.9.17】カシュガルにて

 カシュガルは新疆ウイグル自治区の中でも西端にあり、太陽時刻は新疆時間で12時45分~1時頃となる。
 それにしても漢字が少ないから、何が書いてあるのかよく分からない。

IMG_2556【2016.9.17】カシュガルにて

 思えば、アラビア文字を常用する地域にやってきたのは、初めてだ。2014年に訪れたウズベキスタンの現代ウズベク語は、現代ウイグル語と非常に近しい関係にあるが、現代ウズベク語の表記はラテン文字あるいはキリル文字である。

IMG_2562【2016.9.17】カシュガルにて

 建物の屋上に、何やらここちよさそうな木の台がある。昼は暑くて敵わなそうだが、景色もよくて夕涼みにはよさそうだ。もっとも、民家にあるものなので立ち入ることはできない。
 理髪店がある。

IMG_2566【2016.9.17】理髪店

 白と黒のしましま模様がくるくると回転しているのが、ウイグルでは理髪店を意味するようだ。

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 香辛料の香りをともなった煙がもくもくと流れてくる。

IMG_2568【2016.9.17】羊肉串

 羊肉串を焼いているようだった。

IMG_2567【2016.9.17】羊肉串

 「yaxshimu siz?」と挨拶をすると返してくれる。店員が手招きをするので、中で食べていくことにする。
 席につくと、お茶が出てくる。

IMG_2575【2016.9.17】ローズティー

 その色合いからは分からないが、味と香りはローズティーだった。
 最初は、羊肉串だけ食べていこうと思っていたのだが、手渡されたメニューを見ているといろいろ食べたくなってしまった。

IMG_2576【2016.9.17】サラダ

 まずは、ひよこ豆とキュウリのサラダを出してもらう。酸っぱい味付けになっている。
 食べ物の写真を持っていると、レストランのオーナーとみられるお父さんが写真撮ってよとピースをしてくる。お母さんの方は、恥ずかしがりながら顔を隠す。

IMG_2580【2016.9.17】店内にて

 羊肉串が焼きあがる。

IMG_2578【2016.9.17】羊肉串

 しっかりと焼いて、油をしっかり落としているという感じだ。香辛料がたっぷりとかかっていて、口にざらざらとするほどだが、弾力があっておいしい。
 それから中央アジア名物、ラグマンが出てくる。

IMG_2584【2016.9.17】ラグマン

 これが、とてもおいしい!

IMG_2586【2016.9.17】ラグマン

 2年前、ウズベキスタンの食べ物は正直、果物を除いてはさほど満足しなかった。今回のウイグル旅行も、果物以外のものについてはさほど期待していなかったが、期待していなかった僕がバカだった。これはおいしい。手打ちの麺のコシ!うまい、うまい。

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【2016.9.17】ラグマン

 野菜がたっぷり入っていて、羊の肉の弾力にも病みつきになりそうだ。
 ウズベキスタンで食べたラグマンはこれほどの弾力はなく、フォークとスプーンで食べるスパゲッティのようなラグマンだったが、ウイグルのラグマンはコシがあって箸で食べる。ちなみに、日本のうどんとほぼ変わらない。ウイグルのラグマンは、世界で一番うどんに似ている料理なのではないか。本当に、衝撃的だ。

IMG_2588【2016.9.17】店内にて

 それにしても、ここが中華人民共和国内にあるというのは衝撃的だ。店員も、客も、ウイグル人ばかりで、ウイグル語しか聞こえない。レシートだって、ウイグル語しか書いていないから、アラビア文字が読めない限り、何を注文したのかは分からない。サラダ、羊肉串それからラグマンあわせて、38人民元(約580円)だった。一人当たり、290円である。(お茶は無料)

■訪問したウイグル料理レストラン
 - 店舗外観
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(看板には、ウイグル文字しかありません)

 - 位置
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2016年9月 ウイグル9泊10日
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