翌日にホータン(和田)からカシュガル(喀什)へと向かう鉄道の乗車券を購入できたので、ホータン駅から宿へと戻る。

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【2016.9.21】ホータン駅周辺

 ホータン駅周辺は、目下、開発中で、区画整理や建設中の建物がたくさん見られた。

IMG_3755【2016.9.21】ホータン駅周辺

 工事現場の仮囲いにもプロパガンダ広告が並んでいる。
 「堅持各民族一律平等」
 民族に関するプロパガンダ広告がとにかく目立つのは、新疆ウイグル自治区の他地域においても、ホータンにおいても変わることはない。

IMG_3756【2016.9.21】路上にて

 流しのタクシーを待つ。

IMG_3760【2016.9.21】路上にて

 たくさんのザクロをのせたオート三輪が脇を過ぎていく。
 しばらくしてタクシーはやってきた。タクシーは、途中まで、30代のウイグル人男性2人と相乗りになった。

IMG_3763【2016.9.21】タクシーにて

 そのうち、片方の男が中国語でたずねてきた。

 男:「何歳か?」
 僕:「27。あなたは?」
 男:「33。結婚はしているのか」
 僕:「していない」
 男:「俺はしている。子どもが5人いる」
 僕:「本当に多い」
 
 33歳にして、5人の子持ちのお父さんだった。
 1979年から2015年まで中国で導入されていた一人っ子政策は、少数民族には厳格に適用されなかったため、ウイグルでは中国の他の地域と比べ、子どもが多い。しかし男曰く、ウルムチ(烏魯木齊)のような大都市ではウイグル族であってもたくさん産もうとすれば、圧力をかけられるようである。

 男:「でも、ホータンだったら問題ない。共産党もどうせ分からない」
 K氏:「ウイグルでは5人兄弟は普通なのか」
 男:「普通だ。5人、6人、7人…」

 たしかにウイグルでは兄弟の数が多いことは普遍的だ。ある食堂経営の夫妻には5人の子どもがいたし、またある人は兄弟が10人いるといっていた。中国では、漢族が少子化により人口減少局面に入ったとしても、ウイグル族は増加し続けるのだろう。

 K氏:「1人は?」
 男:「不行(ダメ)」

IMG_3764【2016.9.21】タクシーにて

 そういって、男はタクシーを降りて行った。たしかに、服装なども小奇麗で、子ども5人を育てていく財力もありそうだ。中国語ができるから、ビジネスもできるだろう。
 ところで、「ダメ」というのはどう意味だったのだろう。「妻と、1人の子どもしか養えない男なんてダサい」という意味だったのだろうか。

IMG_3765【2016.9.21】団結広場周辺

 タクシーを降りて、ホテルへと向かう。

IMG_3766【2016.9.21】ホテルからの景色

 17日の晩はカシュガル(喀什)、18日の晩はヤルカンド(莎車)、19日の晩はカルギリク(葉城)、そして20日の晩はホータンという連日の移動によってくたびれていたため、しばらく休憩をとってから出かけることにした。

2016年9月 ウイグル9泊10日
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