広州の路地は、立体的にも入り組んでいるようにみえる。

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【2017.1.24】広州にて

 こういった路地を考える時、それが自動車の入りこめない街区であるということに示唆点がある。
 例えば、自動車が入りこめないこういった街区へ生活物資は、大通りで自転車やリヤカーに積みかえられて運搬されるから、ひっきりなしに自転車やリヤカーが通る。

IMG_5897【2017.1.24】路地にて

 また、元からこういった街区に住んでいた人のうち、自動車を所有できる経済力を身につけるようになると、自動車を所有することのできないこういった街区から去る。その穴を、中国の地方都市や農村から広州へと出稼ぎにやって人々が埋めていく。そういった構造があるから、こういった路地はいかにも広州といった風景ではあるが、必ずしもここに住んでいる人々がみな「広州っ子」でもなく、聞こえてくる言葉も必ずしも広東語でもないということは、興味深い事実である。

IMG_5870【2017.1.24】広州にて

 この広州の街中に広がる巨大な路地をまた、体験しに来たいと思う。生活の匂いがぷんぷんとして観察対象として抜群に面白かった。
 広州南駅へと向かう。地下鉄2号線で広州市中心部から約30分~40分ほどを所要する。 

IMG_5901【2017.1.24】広州南駅にて

 中国各地への高速鉄道が発着する広州南駅は、春節を4日前に控え、非常に混雑していた。
 駅があまりにも巨大で、ひどく歩かされるため、あまり便利とは言えない。

IMG_5909【2017.1.24】広州南駅

 ここから高速鉄道に乗車し、 深圳の福田駅へと向かう。

20170124廣州南深圳

 広州南駅から福田駅まで106kmの距離を、46分で駆け抜ける。途中停車駅は、虎門駅のみだ。
 列車はずいぶん、砂埃で汚れた状態でやってきた。広州の大気の状態がそこまで悪いわけではなかったから何でだろうと思っていたが、この列車は午前7時27分に北京西駅を出発し、石家荘や鄭州、武漢、長沙を経て10時間かけて広州へとやってきた列車だったということを後で知った。北京西駅から、深圳の福田駅までの2216kmの距離を、10時間半ほどで走り抜ける。これは、東京からソウルまでの距離より長ければ、東京から沖縄・那覇までの距離よりも長い。

IMG_5919【2017.1.24】車窓

 そういう壮大な高速鉄道の、最後の区間を乗るのだ。

IMG_5921【2017.1.24】車窓

 車内はすいていた。

IMG_5924【2017.1.24】車窓

 少しずつ、日が傾き始めていた。

IMG_5929【2017.1.24】車窓

 虎門駅にしばらく、停車する。

IMG_5934【2017.1.24】虎門駅にて

 この辺りは、工業地帯だった。

IMG_5935【2017.1.24】深圳市内

 深圳市内に入ると、高層ビルが目立つようになる。
 そして、福田駅に到着する。福田駅は、地下駅だ。

IMG_5937【2017.1.24】福田駅にて

 それから、福田駅から地下鉄で福田口岸駅へと向かい、そこから徒歩で香港へと入境した。
 (参考 : #0031.深圳から香港へ - 福田/落馬洲出入境編)