ホテルよしざとで、南大東島2日目の朝を迎える。

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【2017.2.12】ホテルよしざと

 ホテルよしざとは一部五階建ての建物で、おそらく南大東島で最も高い建物だ。
 4階にある食堂で、朝食をとる。

IMG_6774【2017.2.13】在所集落

 南大東島の建物の屋根は、沖縄によくある赤瓦ではなくて、トタン屋根が多い。その理由は、トタン屋根であれば天水(雨水)を集めやすいからだという。絶海の孤島にあって、淡水の確保が大きな課題であった南大東島では、屋根がトタン屋根であることが重要であるのだ。
 もちろん、この島がもともと、八丈島の開拓民によって開かれたところであるから、沖縄県にありながら、沖縄の文化の浸透が弱いということも一つの理由であろう。

IMG_6780【2017.2.13】朝食

 朝食をたっぷりと食べて、また、自転車を借りてでかける。

IMG_6783【2017.2.13】宿周辺にて

 さとうきび畑の中を走っていく。

IMG_6785【2017.2.13】さとうきび畑

 時々、さとうきび以外もあって、野菜なども作られている。

IMG_6786【2017.2.13】南大東島にて

 島民の話によると南大東島の砂糖は市価の4倍の価格で、政府によって買い上げられているという。
 南大東島で経済活動をおこなうことに対しインセンティブを付与し、人々に経済活動をさせているのである。どの陸地からも300km以上離れている大東諸島は、領海を守るためには重要な領土であるから、そこに日本人による経済活動があるということを対外的に見せることが必要だと政府は考えるのだが、南大東島という絶海の孤島に人を住まわせるには、それくらいのインセンティブを与えなくてはならないのだろう。
 製糖工場の「さとうきびは島を守り島は国土を守る」というスローガンの意味がよく分かる。(#0843.南大東島はさとうきびの島)
 それが、大東諸島の北大東村と南大東村の一人あたりの平均収入が沖縄県民の平均の2倍ほどにもなる理由であるが、一部の島民はその状況に危機感を抱いているようである。
 「政府の政策が少しでも変われば、我々の生活は成り立たなくなる」
 そのために野菜を生産して、島内の食糧自給率を上げる試みだとか、観光によって人に来てもらうことをもくろんで、観光客誘致のために東奔西走している人もいるという。しかしまだ年間3000泊ほどしか、観光客には来てもらえていないため、今の3倍以上に増やしていかないと、産業としては成り立たないというから、まだまだ前途多難だと思う。多くの島民たちの間は「砂糖だけあれば生きていける」という意識が根強い上に、ただでさえ製糖業で忙しく失業率が0%の島に、観光に力を入れる余力がないというのもまた真実だろう。
 それでも興味深いところだから、ぜひ、行ってほしいと思う。