南大東島のスーパーで買った、弁当を食べる。

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【2017.2.13】お弁当

 生産者に「ふじ食堂」とある。
 前の日に、大東そばと大東寿司のセットを食べた食堂ではないか。(#0845.大東そばと大東寿司と南大東島の歴史)
 結局、前日とは違うものを食べようと思っていたものが、違うには違うが、同じ食堂のものを食べていたということになった。人口1300人ほどの島であるから、そういうことは起こりうるだろう。

IMG_6978【2017.2.13】お弁当

 たくさんの惣菜が、ぎっしりと詰まっている。さとうきび畑での肉体労働には、こういうお弁当がありがたがられそうだ。
 思いがけず、お弁当によってもこの島の小ささを実感してしまったわけだが、この島の小ささを教えてくれるエピソードはこのお弁当だけでもない。島民の話によれば、「恋愛」もまた、全島民の監視下にあるからなかなか自由にできないという。例えば、男の人が、未婚の女性を車に乗せて、島内を走るとする。それは誰かによって目撃され、すぐに噂として広められてしまう。当の二人が付き合っていなくても、「あいつら、付き合っているみたい」と既成事実として広められてしまう。そして周りの圧力によって、いつの間にか、本当の交際がスタートしている。しかし、そういう形で始まった交際、それから結婚は必ずしも長続きしないようで、南大東島では離婚というのが、島民の認識である。しかし、離婚したからといって、お互いが南大東島に住んでいる限り、完全に別れることはできない。それがいやで、那覇へと逃げてしまう女性もいるようだ。

IMG_6989【2017.2.13】南大東島

 また、南大東島の名物のひとつに、羊羹がある。これもまた、八丈系の移民によって持ち込まれたものだ。現在、南大東島はいくつかのお店で作られているようだが、島民、みな好みが違って、あれはおいしいだとか、あれはまずいといった考えを各自持っているようである。しかし、これは家族を除いて、公言することはできないようだ。特定の羊羹をまずいといってしまえば、それを作っている一家のことを嫌いだというメッセージとしてこれもまた、すぐに島中に広められてしまう可能性があるからである。
 それが、人口が東京の1万分の1に満たない、南大東島の状況なのだ(笑)