ベルリン・シェーネフェルト空港から、S9に乗り、ベルリン市内へと向かう。

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【2017.3.14】車内にて

 電車は、化粧板などがぼろぼろにはがれていたりするところもあって、印象はよくなかった。
 ベルリンの空港ストライキの影響によって航空便の行き先は変わるわ、空港駅は落書きだらけだわ、自動券売機は故障したものが放置されたままであるわ、電車の化粧板ははがれているわと、いったいなぜこれが、先進国なのだろう、それがドイツ入国後数時間に抱いた、ドイツに対する印象だった。

IMG_9175【2017.3.14】車窓

 まだ、冬であった。

IMG_9176【2017.3.14】車窓

 BAUHAUS(バウハウス)という文字が、飛び込んでくる。この言葉は聞いたことがある。1919年、ドイツの設立された美術および工芸学校であり、またそれに端を発した、合理主義的、機能主義的な芸術の在り方をいう。ナチス・ドイツによって1933年に閉鎖されてしまうが、これがドイツの建築デザインや工業デザインを説明する上で、いまだに大きな意味を持つ言葉なのだそうだ。

IMG_9181【2017.3.14】車窓

 ロンドンからベルリンにやってきて、季節が春から冬へと戻ってしまった。

IMG_9184【2017.3.14】車窓

 気温は10度を切り、真冬の東京と大きな違いはない。
 主に、団地ばかりの、単調な景色が続く。

IMG_9190【2017.3.14】車窓

 時に、たくさんの家と、庭があるところがある。
 それは、駐車場がないことから察するに、住んでいるところというよりは、団地に住んでいる人が、週末に庭のあるところで過ごすために所有されている、別邸といったようすだった。

IMG_9194【2017.3.14】車窓

 空港駅から約30分で到着する、ベルリン・オストクロイツ(Berlin Ostkreuz)駅で乗り換える。

IMG_9195【2017.3.14】ベルリン・オストクロイツ駅にて

 「オストクロイツ」とは、「東十字」という意味だという。たしかに英語の「イーストクロス(East Cross)」と響きが似ている。
 ここから、S3(または、S5、S7)に乗り換えて、ベルリン中心部へと向かう。

IMG_9197【2017.3.14】ベルリン・オストクロイツ駅にて

 ベルリンの地下鉄駅や、郊外電車の駅は、自動改札機が存在しない。利用客は利用する区間の乗車券をもちろん、所有していなくてはならないが、自動改札機では確認をしない。その代わり、二週間に一度ほど、人の手によっておこなわれる検札によって、有効な乗車券を持ち合わせていない利用者には60ユーロ(約7800円)の罰金を課す。そのため、無賃乗車はできない。
 自動改札機が無いためか、駅構内に、ホームレスやら物乞いが入りこみ、プラットフォームでアルコールを摂取したりタバコを吸っては、駅の利用客に不快な思いをさせているは、どうかと思う。ベルリン・オストクロイツにもやはりそういった、ホームレスやら物乞いがいて、治安の悪さを感じざるを得なかった。

IMG_9200【2017.3.14】ベルリン・オストクロイツ駅にて

 ベルリンは、建築ラッシュだ。
 イギリスの首都ロンドンや、フランスの首都パリと比べると、ドイツの首都ベルリンはまだまだ発展途上の都市といった、雰囲気がある。

IMG_9206【2017.3.14】車窓

 乗り換えて、ベルリン市内へと電車は進んでいく。

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 高層団地の中を過ぎていく。
 団地には、トルコ語の店名の飲食店が少なくない。

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 なんだか、共産圏の雰囲気がある。
 いや、もともと東ドイツだったところなのだから、旧・共産圏で正しい。

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 旧・共産圏の殺風景な高層団地を、色鮮やかに塗り直してみたりして、なんとなく豊かな西側諸国っぽく見せている、そういうふうに感じられる。

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 それから、旧・東ベルリンに位置する繁華街の、アレクサンダー広場(Alexanderplatz)駅を電車は通っていく。

IMG_9217【2017.3.14】アレクサンダー広場駅周辺

 それから、中心の官庁街を電車は通過していく。

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 そろそろ、日が暮れそうだ。

IMG_9219【2017.3.14】車窓

 ロンドンを早朝に出発し、飛行機でライプチヒまで移動し、それからバスと電車を乗り継いで、ベルリン市内までやってくるうちに、一日が終わってしまった。