ベルリンの壁といってまず思い浮かぶイメージといえば、イーストサイドギャラリーのイメージだと思う。

IMG_9789
【2017.3.16】イーストサイドギャラリーにて

 イーストサイドギャラリーは東西ドイツ統一する1990年に、世界から招かれた芸術家たちによって、旧東ベルリンを向く壁に描かれた105の壁画からなる。

IMG_9791【2017.3.16】イーストサイドギャラリーにて

 それらの壁画は、東西ドイツ分裂時代に描かれたものではないし、ベルリン市民の手ではなく世界中のアーティストによって描かれたため、ベルリンの人々が直接、平和と自由、統一を希求して描いたものではないが、壁画をみていると、当時の人々の思いが汲み取られているように感じられる。

IMG_9793【2017.3.16】シュプレー川

 ベルリンの壁の後ろは、シュプレー川という川になっている。
 ベルリンの壁のイーストサイドギャラリーの区間が撤去されずに残ったのは、この区間が市街地ではなく川沿いに建てられていたからであろう。

IMG_9795【2017.3.16】イーストサイドギャラリー周辺にて

 周辺にはたくさんのパイプが宙をわたされていて、まさにベルリンらしい景観となっていると言えるだろうか。
 (参考 : #1000.ベルリンの街中をはりめぐらされている「パイプ」の謎)

IMG_9796【2017.3.16】イーストサイドギャラリーにて

 いくつかの壁画は、柵によって近づけないようになっている。
 ベルリンは「落書き」の都市だから、壁があれば、すぐに落書きされてしまう。そのため壁画は、2000年、そして2008年から2009年にかけてNPOによる復元作業を経て、当時の状態がなんとか保たれている。
 (ちなみに、この復元作業は、いくつかの壁画の原作者と修復者の間で『著作権』をめぐる問題で大きな衝突が起こったそうだ)

IMG_9800【2017.3.16】イーストサイドギャラリーにて

 この壁画が最も有名だろうか。
 東ドイツの国家評議会議長であったエーリッヒ・ホーネッカと、ソ連最高指導者レオニード・ブレジネフの男性同士の熱いキスを描くことによって、かつての東ドイツとソ連の蜜月関係を皮肉ったのだという。

IMG_9802【2017.3.16】イーストサイドギャラリーにて

 イーストサイドギャラリー周辺は、川辺の公園となっている。

IMG_9803【2017.3.16】イーストサイドギャラリーにて

 壁画の描かれている反対側、すなわち川側の壁も、何かが描かれている。

IMG_9804【2017.3.16】イーストサイドギャラリーにて

 しかしそれらは、どちらかといえば稚拙だ。

IMG_9806【2017.3.16】イーストサイドギャラリーにて

 壁に近づくことができないことはなんだか、惜しい。

IMG_9807【2017.3.16】イーストサイドギャラリーにて

 落書きが都市文化ともいえるベルリンで、こういった壁画(それはもしかしたら「高級な落書き」)を残していくのは難しいのだと思う。

IMG_9808【2017.3.16】イーストサイドギャラリーにて

 壁は1.3kmにもなるから、一つ一つ見ていくと、相当の時間がかかる。

IMG_9810【2017.3.16】イーストサイドギャラリーにて

 日本をテーマとした作品もある。

IMG_9812【2017.3.16】イーストサイドギャラリーにて

 ある作品はまた、少しずつ、落書きに埋もれている。