地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

カテゴリ:日本 > 茨城県

 茨城空港。春秋航空上海行きの搭乗を待つ。3分の2から4分の3程度が中国人で、残りが日本人という印象だ。茨城空港は搭乗口が2つしかなくて、それぞれを国内線と国際線で分け合っている。とても、小さな空港だ。
 椅子に座っていると、中国からやってきたと思われるおばさんが自販機を指さしながら、中国語で僕に声をかけてきた。

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【2016.3.4】自販機

おばさん「出てこないのよ」
僕「え?」
おばさん「牛乳がほしいのよ」
僕「千円札を入れて、2つでてきて、今、800円がある。出てきてるじゃないですか?」
おばさん「お金を入れても、釣銭箱にお金が落ちるの」

 なるほど自販機の不調か。代わりに100円玉を入れてみたら、たしかに、釣銭箱の方に行ってしまう。もう1回やってみたら、認識された。時々、入れたお金が認識されない。そういう不調のある自販機だったようだ。それから、僕が100円玉を入れて牛乳のボタンを押し、彼女が取り出し口から牛乳を取り出すという共同作業が始まる。それから手では持ちきれない10個の紙パックを、彼女の小さなカバンに効率よく詰めてあげると、「謝謝」と感謝の言葉を述べ、戻っていく。
 しばらくしてからまたやってきて、この1000円札でもう10個買いたいからボタンを押してくださらないと中国語でいうので、100円玉を入れてボタンを押す役をつとめる。僕はいつから、牧場の職員になったのだろうか。とにかく、北海道牛乳を、あわせて20個お買い上げになったわけだ。そして、カバンにまた詰めるを手伝ったのだが、紙パックってそんなに丈夫だっただろうか。破れたら、かばんが牛乳の洪水になってしまいそうだと心配するが、彼女は気に留めているようすもなかった。

IMG_4769【2016.3.4】北海道牛乳

 ところで、その北海道牛乳とやらはそんなにおいしいのだろうか。僕も100円玉を入れてひとつ買い、鞄に入れる。LCCの春秋航空は飲み物が無料ではないから、機内ではこれで喉を潤すことにしよう。
 味はなかなか甘味が強くて、世の中に牛乳嫌いな人がいるということが信じられないという味だったんだけれども、おそらく牛乳をしっかり味わおうという意識が強すぎて、過剰においしく感じてしまったんだと思う。


 3月4日。春秋航空で茨城から上海へ、1519円で行く日がやってきた。(#0135.春秋航空・茨城から上海まで1519円のチケットを買ってみた)
 東京駅から茨城空港までの高速バスは所要時間が約100分で、空港利用者は500円で行くことができる(ただし、空港非利用者は別運賃)。これを利用しない手はない。
 同時に、東京都民にとって他の選択肢は無いともいえる。500円バス以外の他の公共交通機関で行こうとすると、東京駅を起点とする場合、東京上野ラインに乗車し常磐線の石岡駅から路線バスを利用する方法が考えられる、この方法では所要時間が150分かかる上運賃が2110円にもなる。時間もかかるし、お金もかかる。
 しかしこの高速バスを利用するには一点、留意しなくてはならないことがある。それは、乗車の前日午後7時にまでに予約をしておく必要があるということだ。

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 思いのほか満席になる場合が多く、特に春秋航空の茨城・上海便の直前の便の場合、3週間または1か月前からすでに満席となっている。このことを知らなかった僕は乗車1日前に高速バスを予約しようとしたのだが、僕も出発2時間半前に茨城空港に到着するバスは予約ができなかったため、出発4時間半前に到着するバスに乗って、空港で暇つぶしをすることを余儀なくされた。首都圏第三空港を名乗ってはいるものの、大部分の首都圏の住民にとって公共交通機関によるアクセスがよい空港だとは決していえないだろう。
 茨城空港から東京駅へのバスは、八重洲南口高速バス乗り場の3番乗り場から出発する。

IMG_4750【2016.3.4】東京駅にて

 乗車率は90%を超えていたと思うけれども満席ではなかったためか、予約したかどうかの確認は行われなかった。乗客は日本人、中国人ともにいたが、日本人に関しては空港利用者以外に、空港周辺の住民の利用が多かった。
 予定時間より5分遅れて105分で茨城空港に到着した。高速道路(常磐道)を下りてから片側一車線の一般道をひたすら走るため時間がかかる。料金は降車時に支払うが、搭乗券を購入したことを証明するものを提示しないと500円では利用できない。

IMG_4751【2016.3.4】茨城空港にて

 茨城空港はあたかもロードサイド市街地の一施設のようだ。
 正式名称は「百里基地」と呼ばれ、自衛隊の基地である。

IMG_4753【2016.3.4】戦闘機

 戦闘機が展示されていたりする。

IMG_4754【2016.3.4】戦闘機

 やはり、もともは軍用基地なのだ。空港周辺には、自衛官を募集するという内容の立ち看板がみられるなどする。

IMG_4757【2016.3.4】茨城空港にて

 空港にはこれといった施設はないが、2階にフードコートとカフェがあり、テーブルや椅子がたくさんならんでいて休憩することができる。他に、茨城県の名産品を販売する店舗やコンビニ、そして韓流ショップなどがあり、道の駅を彷彿させる。それにしても韓流ショップはなぜあるんだろう。
 空港内は閑古鳥が鳴いていて、職員同士、茨城弁で雑談をしている。羽田空港や成田空港のような、忙しい首都圏空港のイメージはない。首都圏第三空港なんて名前だけで、どちらかというと茨城県民のための茨城の地方空港といった感じだ。

IMG_4762【2016.3.4】茨城空港にて

 そんなのんびりとした空港だが、駐車場をみるとほぼ満車で利用者は少なくないものと思われる。それにしてもなんで白、グレー、黒の車ばかりなんだろう。茨城県民はモノトーンが好きなのだろうか。
 1300台の無料駐車場は何日停めても無料という太っ腹っぷりで、公共交通機関利用者ではないマイカー利用者にとってはとても便利だろう。

IMG_4759【2016.3.4】茨城空港にて

 デッキは無料で開放されていて飛行機の離着陸などを見ることができるが、そもそも運航便数が少ないからか、航空ファンのすがたは見当たらなかった。
 2階のカフェテリアで本を読んだりノートパソコンをいじっていたら、4時間半という待機時間はさほど長く感じられなかった。



 春節(旧正月)記念セールなのか、毎月9日におこなわれるセールなのか、中国の大手LCCである春秋航空がセールを行っていた。999円(サンキュー)Thankyouの日特典チケット大放出!

春節春秋航空セール

 多くの路線が関西国際空港発なので関西がうらやましいと思う。首都圏に関しては、茨城・上海便と羽田・上海便(深夜便)しか存在しない。やれやれと思いながら、茨城・上海便をみてみると、なんと999円のチケットがあるではないか。燃油サーチャージ(520円)を含めても、たったの1519円だという。
 そもそも先月、3140円の春秋航空日本の成田・武漢便の航空券を買ったばかり(#0098.春秋航空日本・中国国際線就航記念100円セールを買ってみた)なのに、また中国に行くのは、どうなんだろう。

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 と思いつつ、1519円という魅力的な価格につられて決済してしまった。いくつもりがなくなったら、放棄すればいいのだ。茨城空港は空港利用者なら、東京駅からバスで片道500円である。つまり、東京駅から上海まで、2019円で行けてしまうのだ。今まで僕が買った国際線の航空券の中で、この価格は最安値である。金曜日の夜に出発して、日曜日か月曜日に帰ってこようと思う。片道1519円の週末旅行として上海に行けるとは。LCCの普及に、原油安に、貧乏人マインドの僕には大変嬉しい話である。上海は初めて行くことになるので、楽しみだ。



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