地球の覗き方

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カテゴリ:日本 > 北海道

 和琴温泉露天風呂で体を温めてから、和琴半島の2.4kmほどの道のりを一周する。

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【2016.10.25】和琴半島にて

 やはり、温泉が湧いているところだけあってか、暖かいと思う。1度、2度ほどしかなかった朝だが、このあたりの気温は10度を超えていると思う。

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 アップダウンのある道を歩いていると、汗ばんでくる。ダウンは不要だ。

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 まだ白樺は、葉を落としていない。葉を落としていないどころか、まだほのかに緑色が残っていて、色づいている途中というものすら見られる。
 屈斜路湖畔の他の地域ではもう、すっかり散っているというのに。

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 やはり温水が、地表近くに来ていることから、地面が、それから気温が高いのだろうか。

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 道東にいながら、10月の終わりでも紅葉を十分に楽しむことができる。

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 屈斜路湖の景色と紅葉を楽しみ、それから温泉に入るということを繰り返しながら1日を過ごすのもよさそうだった。

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 空の青と、木々の葉がなすコントラストが美しい。

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 この付近にはトドマツが生えている。道東では、トドマツの純林が生態系上の極相林(クライマックス)になるという。

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 階段を降りていく。

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 屈斜路湖が見える。

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 空色の湖面が広がる。
 屈斜路湖では1938年に湖底噴火が起こり、中性であった水が急激に酸性化したという。そのため生物相が乏しく、濁りが少ないという。また、湖岸に湧出する温泉の成分が湖水に溶け込み、コロイド粒子となって太陽光を反射しているのだが、それが屈斜路湖見え方を空色にしているそうだ。

IMG_6412【2016.10.25】オヤコツ地獄

 和琴温泉の先からは、蒸気が出ている。この斜面と湖水の境界で温泉を楽しむことができるそうだ、今回はそれを楽しむ時間を持てなかった。
 火傷に気を付けながら、石を置き、うまく湖水を引き入れ、露天風呂とするというものだそうだ。

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 歩いていくと、また、和琴半島の付け根へと戻ってくる。
 このあたりでは護岸工事を行っていて、おじさんにどこから来たのかと話しかけられる。「東京から来た」というと、娘が青山学院大学を卒業し、結婚して、神奈川県の裏手に山があるところに家を買ったという話をされたのだった。 
 なおこのあたりは、ミンミンゼミの発生地でもあるそうだ。 本州四国九州の山地では普通に見られるミンミンゼミだが、気温の低い北海道ではわずかに棲息するにとどまるという。しかし温泉熱の高い和琴半島はミンミンゼミが棲息する「孤島」となっているそうだ。かつては北海道もミンミンゼミが棲息できるくらい気温が高かったのだが、4000年前から5000年前にかけて気温が低下するとともにここに取り残されたといわれる。とても興味深い事実である。 


 屈斜路湖の南側にある、和琴半島(わことはんとう)へと向かう。 

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【2016.10.25】和琴半島へ

 和琴半島は、屈斜路湖に飛び出した半島だ。

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 和琴半島は、屈斜路カルデラの中に溶岩が盛り上がってできた島(オヤコツ溶岩円頂丘)が、尾札部川の扇状地とつながってできた半島です。
 和琴の名前は、半島の形を表現したアイヌ語のワッコチ(魚の尾のくびれた所)に由来するといわれています。
 半島の森は人の手が加わらなかったころの自然そのもののすがたで残され、森の中には、多くの野鳥やエゾリスなどの小動物が生息しています。
 温泉の湧出地が3ヵ所あり、その周辺には、ミンミンゼミが生息し、冬でもマダラスス(コオロギの仲間)が鳴いています。
 半島を一周する探勝路は2.4km、ゆっくり歩いて約1時間ほどのコースです。豊かな自然の不思議にふれてみましょう。


 という説明がある。温泉の湧出地というのは上の地図で、半島の付け根の部分の北側にある「露天風呂」、それから半島の南側にある「公衆浴場」、それから、半島の西側にある「オヤコツ地獄」のことであろう。

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 地表の近くまで温水が来ているからか、どうも暖かいように感じる。

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 屈斜路湖を見渡すことができる。

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 平日の朝だからか、人影は全くない。僕たちが歩くのをやめれば、風になびく水の音、風に転がされる落ち葉のかさかさという音くらいしか聞こえない。

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 人が歩く音というのは、思ったよりも大きな音だということを知る。

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 和琴半島の根元にある、露天風呂へと向かう。

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 どうやらこのあたりが露天風呂であるようだ。

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 湖水をよくみてみると、お湯が湧いているようすが見える。

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 湧いているお湯が、水紋をなしている。
 露天風呂は混浴で、無料である。男女別との表示はないが、2つの部屋に分かれた小さな脱衣所がある。

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 手前は水温が大体一定で、どこでも温泉を楽しむことができる。
 奥の方は、コンクリートの管によって屈斜路湖とつながっている。

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 僕のおすすめは、奥の方の屈斜路湖とつながっているコンクリートの管の先である。

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 まるで広い屈斜路湖を湯船としているような爽快感が味わえる。
 しかし、冷たい屈斜路湖の水と、温泉の水が合流するところであるため、湯温がちょうどよいところをみつけるのが難しい。水深は浅くはあるが、それでも、底の方は冷たく、水面の方は温かいという歴然とした差がある。だから、こうやって、足を浮かべて、水温のちょうどよいところにうまく体をおさめる。
 そして、魚たちは、水温の高いところをさけて、泳いでいたりする。人と魚がうまくすみ分けているのだった(笑)

IMG_6374【2016.10.25】クロレラ

 温泉には、クロレラが繁殖している。40度以上の水温でも繁殖できる。

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【2016.10.25】クロレラ

 そのクロレラの、緑色の汁がたっぷりしたたるようなぬめりを、顔に塗りたくると美容によいというので、実践してみたのだった(笑)

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 泉質は、ph6.6で、源泉は52.5度だという。
 外気によって冷やされて、入浴にはちょうどよい温度だった。

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 温泉そのものの熱気のためか、周辺はほとんど散っていた紅葉も、このあたりはまだ見頃である。屈斜路湖と、紅葉、ふたつを眺めながらの露天風呂、どれだけいいものか!
 ずっとつかっていたい温泉だった。おいしいお茶と、本でも持ってきて、1日中くつろいでいたいものだった。

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 ところで時々、あたりをトレッキングしている人が通ることがある。外国人観光客とみられる、女性のすがたもみえたが…。自分は人間ではなく、猿なのだと思いこめば、あまり恥ずかしい気がしないのだった(笑) 1時間で、3グループほどが通りかかったと思う。
 もちろん、水着の着用も許容されているため、気になる人は水着の着用を!

■和琴温泉露天風呂
 入浴料 : 無料
 水着着用可 


 朝を迎える。

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【2016.10.25】ホテルからの景色

 気温は、1度から2度ほどと冷えた。

IMG_6254【2016.10.25】ホテルからの景色

 晩秋の山々が、朝焼けに濡れている。

IMG_6256【2016.10.25】晩秋の山々

 冬がやってくるまで、もう一歩といった感じだ。
 朝風呂へと向かう。早朝は、エゾシカの飛び出しが多いようで、3つの群れを見かけた。

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 エゾシカの方も左右を確認してから、横断するなど、気を付けてはいるようだったけれども、エゾシカにとってアルファルトの舗装というのは走りにくいのか、動きが機敏ではない。

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 コタン温泉にやってくる。

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 露天風呂がある。

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 ここが露天風呂「コタンの湯」である。

IMG_6323【2016.10.25】コタンの湯

 屈斜路湖畔に湧く、露天の温泉だ。

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 真ん中が大きな岩で区切られていて、男女、別れてはいるものの、奥の方ではつながっていることから混浴とみるのが正しいだろう。

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 ちょうど、シベリアの方から白鳥たちが飛来を始めていた。

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 温泉が湧いているこのあたりが暖かいのか、白鳥たちが集まっている。

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 脱衣所で服を脱ぎ、温泉へと入る。

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 まるで、屈斜路湖という広いお風呂を白鳥たちと入っているような、そういう錯覚を覚える。

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 白鳥たちの「ほーほー」といった鳴き声を聞きながらの、屈斜路湖畔での朝風呂は本当に気持ちがよい。
 源泉は68.3度だそうだが、気温が低いためか、ややぬるめだった。

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 白鳥たちは羽を広げたり、空を飛んでみたりと、温泉に浸かっている我々の目を楽しませてくれる。もちろん、白鳥たちに我々を楽しませようといった意図はないだろうが(笑)

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 落葉のシーズンではあったが、お風呂の中は清潔に保たれていた。地域の人々が毎日、清掃をおこなっている。さらに、火曜日と金曜日の午前8時から午後4時の間には定期清掃によりしっかりと清掃をおこなうそうだ。つまり、この時間は入ることができない。
 小一時間、入っていただろうか。

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 空が明るくなる。

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 白鳥たちと入る温泉というのは、他のところではなかなかできない、貴重な体験だったと思う。

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【2016.10.25】アイヌ語の看板

 ところで近くに、アイヌ語で表記さ れた看板がある。アイヌ語の表記に用いられるカタカナのうち日本語には用いられないものとして、「ト゜」という文字が見られるのだが、これは、日本語で「トゥ」と読むものだそうだ。

■コタン温泉
 住所 : 弟子屈町屈斜路古丹
 入浴料 : 無料
 泉質 : 重曹泉, ph 6.96
 水着着用可


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