地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

カテゴリ:日本 > 兵庫県

 東京から東海道本線を下っていく。JR東海の米原駅までは東海道線と呼ばれている。
米原駅から先のJR西日本の管轄線内においてはJR琵琶湖線(米原・京都)、JR京都線(京都・大阪間)、JR神戸線(大阪・姫路)などという愛称で呼ばれるようになるが、正式名称としてはあるところまでは東海道本線で、あるところから先は山陽本線なのである。
 その境界はどこなのだろうか。東海道新幹線と山陽新幹線の境界が新大阪駅であることを考えると、東海道本線と山陽本線の境界は大阪駅なのだろうか。いや、それは違う。実は、神戸駅なのである。

IMG_7618
【2016.5.6】神戸駅にて

 神戸駅は、もともと官営鉄道(いわゆる国鉄)として1874年に、東京と神戸を結ぶ路線の終着駅として開通した。それから1889年に、明石・姫路方面から延伸されてきた山陽鉄道という私鉄が当駅に接続し、乗り入れるようになった。1906年に山陽鉄道が国有化され、国鉄の路線となった。その名残として、神戸駅までが東海道本線、神戸駅から先が山陽本線となっている。そのため在来線の東海道・山陽の境界と、新幹線の東海道・山陽の境界にはずれがあるということになる。
 駅には境界を示す標が立てられている。

IMG_7616
【2016.5.6】神戸駅にて

 東海道本線は東京・神戸間の営業距離が589.34kmで、山陽本線は神戸・門司間の534.4kmとなっていて東海道本線の方が長い。しかし、東海道新幹線の路線距離は東京・新大阪間が515.4kmで、新大阪・博多間の644.0kmとなっているなど、こちらは山陽の方が長くなっていたりしている。
 それにしても、神戸駅を発着する電車はほとんどないため、ここに境界があるとはあまり感じられないものである。


 天神橋筋商店街は日本で一番長い、アーケード商店街だという。南北2.6kmに渡り、一丁目から六丁目までの六街区、すなわち天一から天六から成り立っている。それからアーケードはないがさらに、天七(てんひち)商店街が続く。

IMG_6772
【2016.4.10】天神橋筋商店街にて

 2.6kmもの長さになるからただ歩くだけでも40分ほどの時間がかかるが、惣菜や粉ものなどを食べ歩いていると、すぐに時間が過ぎていく。

IMG_6778【2016.4.10】天神橋筋商店街にて

 その日は天気がすぐれず、雨が降りそうな気配すらあったが、アーケード商店街なら雨に降られる心配もない。
 定食屋さんに入って定食を食べているとお店のおばさんから、どこから来たのかと言う。大阪の言葉ではない、東日本の言葉を話していたから、旅行者だと思われたのだろう。東京から青春18きっぷで来たんです。これから鈍行で帰るんですよというと、昔、娘が青春18きっぷで山形に行ったことがあるから青春18きっぷのことは知っているという。おばさんはそれから、山形にはどう行くのかということを僕にきいてきた。大阪からだと、東京経由で仙台まで行ってから、仙山線に乗るのではないでしょうか。仙台市と山形市は隣り合っているんですと答えたが、仙台の位置がピンときていないようだった。一般的に、関西では東北地方の地理はあまり認識、把握されていないと思う。
 それから姫路城に行ったという話をした。おばさんは、姫路城よりは大阪城が良いという。なぜなら、大阪城にはエレベーターがあるから年を取って足腰が悪くなっても登ることができるが、姫路城は古い建築だからエレベーターは無いし、階段は急である上、床の木材がすり減っていてつるつると滑り危険極まりない、大阪城の方がよっぽど便利で、良いというのが大阪愛に溢れるおばさんの持論である。そういう考え方もあるかもしれない。しかし、復元されたものではあるが一応、歴史的建造物であり、その都市の象徴とされている大阪城にエレベーターがついているということについては、大阪府外では一般的に、「滑稽なもの」と認識されていると思う。ちなみに彼女は姫路城の大改修が終わってから、まだ、姫路城を訪問していないそうだ。

IMG_6782【2016.4.10】天神橋筋商店街にて

 最後に天神橋筋商店街沿いにあるJR天満駅から青春18きっぷを利用し、東京へと帰る。

IMG_6786
【2016.4.10】フルーツ・オレ

12:54 天満
↓JR大阪環状線内回り
13:00 大阪
↓JR京都線新快速長浜行き
14:30 米原
↓JR東海道本線大垣行き
15:11 大垣
↓JR東海道本線新快速豊橋行き
16:42 豊橋
↓JR東海道本線浜松行き
17:20 浜松
↓JR東海道本線熱海行き
20:03 熱海
↓快速アクティー小金井行き
21:44 東京

 浜松駅から熱海駅まで、トイレの無い、ロングシートの通勤用の車両に3時間乗り続けなくてはならないという苦行を成し遂げ、なんとか東京へと帰ったのだった。


 夜は高校時代の同級生がもうひとり加わって、三人で大阪で会う予定だったから、最終便のロープウェイで山を下り、姫路から大阪に向かわなくてはならなかった。その日のロープウェイの最終便が午後6時発だったので、思ったより規模の大きい、圓教寺をじっくり見る時間は残されていなかった。

IMG_6679
【2016.4.9】圓教寺から
 
 西国三十三所の27番で、西の比叡山という別称を持つが、その別称に似つかわしく規模は小さくない。西国三十三か所では最大規模の寺院だという。

IMG_6680【2016.4.9】圓教寺

 過去、天皇や法皇が訪問したこともあったという。
 しばらく進むと、木組の舞台をもった、摩尼殿が見えてくる。

IMG_6687【2016.4.9】摩尼殿

 まだ桜が咲いていた。

IMG_6691【2016.4.9】摩尼殿

 摩尼殿へは靴を脱いで上がる。 足の裏に、木の床がひんやりとした感覚を与える。

IMG_6696【2016.4.9】摩尼殿から

 摩尼殿の木組みの舞台が下を見下ろす。

IMG_6698【2016.4.9】摩尼殿

 違う季節にまた来てみたい。

IMG_6702【2016.4.9】摩尼殿

 摩尼殿を下りたところで、山の斜面を何かが勢いよく走る姿が見えた。よくみると鹿だった。ふだん、鹿といえば、奈良や宮島の、人に慣れてしまった温厚な鹿しか見ていなかったから、斜面を勢いよく走っていく野性的な鹿の姿を見て、あれが本来の野生の姿なのかと心底、感心してしまった。

IMG_6707【2016.4.9】仏像

 木々に囲まれて、仏様の存在感が一層際立つ。
 奥に進むと、大講堂が見えてきた。重要文化財で1400年代中頃に完成したものだという。

IMG_6713【2016.4.9】大講堂

 さらに奥へと進んでいく。

IMG_6718【2016.4.9】圓教寺にて

 下の建物は、1544年に竣工した金剛堂で、重要文化財に指定されている。

IMG_6723【2016.4.9】金剛堂
 
 次に、鎌倉時代末期の1332年に建てられたという鐘楼をみる。これも、重要文化財に指定されている。

IMG_6724【2016.4.9】鐘楼

 結局、時間がなくてじっくりと見て回ることができなかった。

----------

 同じロープウェイに乗り、同じバスに乗っていた、韓国人とおぼしき男の人がいたので韓国語で話しかけてみたら、 やはり、韓国から来たという人だった。東京で日本語学校に通い、大阪での就職を希望し、関西で就職活動をしたが、居住地と勤務先が姫路になってしまったという。まだ引っ越したばかりで姫路がどんなところなのか、観光地を回りながら見ているところだという。家は、複数の部屋があり、さらに駐車場もある物件をひと月3万円以下で借りられたのはよいが、姫路には全く知り合いはいないし、職場の人も「韓国人に初めて会った」という人が多く、地域自体が外国人に慣れていないという印象があるから、緊張しているという。
 姫路駅でバスを下り、彼とはGood Luckとの別れの挨拶をしてから、山陽電車に乗って梅田へと向かった。 

■圓教寺への行き方
 姫路駅、姫路城などから神姫バス「書写ロープウェイ行」に乗車、終点下車(姫路駅からは約30分) 


↑このページのトップヘ