地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

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 韓国から友人が、バンコクに遊びに来た。
 友人が宿泊している「THE PENINSULA BANGKOK」のルーフトップバーで、待ち合わせる。

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【2017.11.4】ルーフトップバーにて

 何年ぶりだろう。

IMG_5864【2017.11.4】ルーフトップバーにて

 ちょうど友人は、会社の同僚たちといっしょにバンコク旅行にやってきていた。ベンチャー企業に勤めていて、同僚同士、仲がいいそうだ。
 韓国の男子は一般的に、高校卒業後、2年間、徴兵される。いつ行くかということは大体、自分の意思で決められるが、大体、高校卒業後すぐ、あるいは大学生活の途中で、軍隊に行く。大学卒業後あるいは20代後半になってから軍隊に行けば、それは遅い方になる。30代が近づくと、兵務庁から出頭を命じられるようになり、特別な理由を申請できない場合、その時点で軍隊に入ることになる。その友人は、ずっと軍隊に行かずにいたところ、兵務庁から出頭を命じられ、バンコク旅行を終えた月の末に、入隊することになった、そういう人だった。

IMG_5868【2017.11.4】ルーフトップバーにて

 2017年10月25日~29日の旧国王の葬儀後、その年の末までをめどに火葬場が一般公開されていた。ルーフトップバーからはライトアップされた火葬場が見える。

 僕 : 「ちょうどよい季節に来たね。ちょうど乾季が始まって涼しくなったところだし、旧国王の火葬場も見ることができて」
 友人 : 「来てみたら、たまたまその時期に当たっていたっていう感じだけれども。旅行の計画は全部、友人が立てて、僕はのっかってきただけだ」
 僕 : 「入隊前の思い出」
 友人 : 「以前は、軍隊なんか行くもんかと思っていたけれども、今なら行ってもいいかなって思うようになって。でも、バンコクに来ると、もう韓国に戻りたくないなとも思う。ずっと、旅行が続いていればいいと思うよ」
 僕 : 「2年は長いね。軍隊が終わったら、またバンコクに遊びに来てね。ああ、でも、僕がその時、バンコクにいるか、分からないけれども」
 友人 : 「そうだね。それにしてもバンコクは住みやすそうなところだね。もし仕事があるなら、ここに住みたいよ」

IMG_5870【2017.11.4】ルーフトップバーにて

 韓国は男子がみな、20代の貴重な2年を国家に強制的に奪われる、そういう国なのだ。人権侵害も甚だしい、それが僕の考えである。多くの韓国人男子がいうように、軍服務で得られることは少ない。時間のムダだ。「国民国家」という制度がつくづく人間を不便にしている、そう思わざるを得ない。


 2017年4月からタイで働き始めて、7か月目となる。その間で2回目の一時帰国だ。
 昼間はいつも30度を超えるような地域に住んでいるから、昼間にも14度までしか上がらない、秋の東京の気温におどろく。30度まで上がっても汗をかかないような、そういう体質になってしまったものだから、寒さには弱くなっているはずだった。

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【2017.11.12】駒沢公園にて

 バンコクははっきりとした「秋」を感じられる地域ではないから、秋らしい秋の景色がつい嬉しくなってしまう。

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 日本に住んでいてはおそらく、写真に収めなかったであろう秋の景色を撮る。

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 しかしその嬉しさもつかの間で、晩秋の物寂しさととってかわる。

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 こういう物寂しさは、バンコクにはないと思う。

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 秋の花は美しい。しかし、すぐに冷たい冬がやってきて枯れてしまう。そういう予感をまとっている。美しさは決して長く続くものではないのだ。

IMG_5933【2017.11.12】駒沢公園にて

 そういう「無常観」といったものを、バンコクで感じる機会はあまりないのではないだろうか。

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 東京と比較すれば、バンコクはいつも明るくて、楽観的なところだと思う。

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 気候が異なるところに住めば、経験する感情も異なる。

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 僕にとってはバンコクの方が、精神的に穏やかに暮らせると思う(笑)

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 日が暮れるのも早い。

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 赤色に、黄色に染まったケヤキの葉が散っていく。

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 晩秋に一時帰国をして、しばらく忘れていた感情がふとよみがえったのであった。


 有給を利用し、11月11日から19日までを9連休とした。

11月11日 中国東方航空MU548便 1:55 バンコク(スワンナプーム) → 7:05 上海(浦東) 
11月11日 中国東方航空MU523便 9:10 上海(浦東) → 12:50 東京(成田)
11月15日 四川航空3U8086便 20:30 東京(成田) → 0:50 成都
12797バーツ(約44800円)

11月20日 タイ・ライオン・エアSL8051便 03:55 成都 → 5:50 バンコク(ドンムアン)
3993バーツ(約14000円)

 という航空券を購入して、連休の前半に一時帰国をし、連休の後半に四川省を旅行するという計画を立てた。
 11月20日は午前5時50分にバンコクに到着してから、その日に出勤するというタフなスケジュールであった。

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 自宅周辺(プロンポン駅周辺)からスワンナプーム空港までタクシーを利用したが、ドライバーは高速道路の走行中にスマートフォンを利用するなど、危なっかしいものだった。遠回りをされたのか高速道路料金を含んで、390バーツ(約1365円)もかかってしまったし、不運だった。
 スワンナプーム空港はたくさんの旅行客で溢れていて、主に帰国する中国人観光客のせいで、チェックインを済ますのに50分もかかった。
 バンコクから上海までの区間は、中国東方航空傘下の上海航空によって運行される。機内は狭く、LCCと変わりがないが、機内食が配られるなどしてFSCとも変わりがない。

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【2017.11.11】中国東方航空

 バンコクからラオス上空、ベトナム上空を通過し、海南島上空、広州上空などを経由して、上海へと至る。

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 飛行時間は4時間と短いので、機内で睡眠をとるのは難しい。

IMG_5884【2017.11.11】機内にて

 夜が明けたころには、すでに、上海付近にさしかかっている。

IMG_5889【2017.11.11】上海郊外上空

 秋の水田が広がっている。

IMG_5891【2017.11.11】上海郊外上空

 タイにも季節がないわけではないが、明確な秋と言ったものはない。

IMG_5895【2017.11.11】上海郊外上空

 今年もどうやら「秋」を味わえそうで、よかった。

IMG_5898【2017.11.11】上海浦東空港にて

 上海浦東空港で乗り継ぎをする。
 トランジットカウンターで、トランジットの手続き(パスポートと搭乗券を提示の上、顔写真の撮影)を終え、荷物検査を済ませてから、成田へと向かう便を待つ。

IMG_5902【2017.11.11】上海浦東空港にて

 それにしても、寒い。
 風邪をひいてしまいそうだ。

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 次に、東京(成田)へ向けて飛び立つ。飛行時間は2時間40分ほどにしかならない。

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 隣に、おばあさんたちのグループが座っていたのだが、見た目は日本人のおばあさんにしか見えないのにも関わらず、流暢な中国語で話す。日本に馴染んでしまった華僑であろうかと思いつつ、見ていると、おばあさんのうちの一人が僕に日本語で話しかけてきて、会話が始まった。

 おばあさん : 「あなた、日本で留学しているの?」

 どうやら僕のことを、日本で勉強をしている中国人留学生だと判断したらしい。

 僕 : 「いいえ。中国人ではなくて、日本人です。バンコクで働いていて、東京に一時帰国ところなんです」
 おばあさん : 「ははあ。外国で働いているんだね。私の息子も、今、北京で働いている。もう40を過ぎるが。いつも、日本に帰りたいと言っている。空気が悪いから」

 話をしていると、彼らは上海に観光旅行に訪れた、中国残留孤児だということが分かった。
 30年前に、息子や夫など家族を連れて日本に帰国したという。中国から日本に戻れば生活が楽になると思っていたが、決してそうではなかったという。言語の問題など、日本の生活に適応するのは決して楽ではなかった。また、家族を養うに十分なお金を稼ぐには、中華料理店を開き、年中無休で働くくらいしか方法がなかったという。息子が独立して、自身も仕事を辞めてから、ようやく余裕が出てきて、以前はできなかった旅行などを楽しんでいるそうだ。なぜ旅行先が上海になったかというと、阪急交通社のツアーがただ安かったからだそうで(それも、日本国内の旅行よりも)、故郷の中国に懐かしみがあるだとか、そういった理由ではなかったらしい。そもそも遼寧省出身だから、上海なんてなじみが薄い。
 中国残留孤児の人たちと話したのは、これが初めてだった。

IMG_5905【2017.11.11】機内食

 機内食は、まずかった。
 上海を離陸してからはずっと海が続いていたが、しばらくすると、日本列島が見えてきた。

IMG_5907【2017.11.11】長崎県上空

 長崎県のあたりが見えてくる。
 8月半ばにも一時帰国をしていたから、日本に戻ってくるのは3か月ぶりにもならないのだが、それでもいつも、日本に戻ってくるというのは感慨があるものだ。

IMG_5910【2017.11.11】九十九里浜付近

 成田空港へと高度を落としていく。

IMG_5913【2017.11.11】成田空港付近

 着陸する。

IMG_5918【2017.11.11】成田空港にて

 秋晴れだ。

IMG_5920【2017.11.11】成田空港にて

 バンコクから東京へと戻る際、中国東方航空を利用するのは初めてだった。乗り継ぎの煩雑さは否めないけれども、手荷物を預ける場合、LCCであるエアアジアやScootよりもかえって安く上がったりするし、中国東方航空については、サービスについても客層についても良かったから、また、利用したいと思えた。


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