日本からたった16500円でアフリカに行けてしまうという夢の航空券を見つけた。それは、日本からモーリシャス行きの航空券である。
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 エアアジアのホームページで、東京(羽田)→モーリシャスの区間を検索してみると、2016年10月、2016年11月、2017年1月のいくつかの日程で片道14900円という価格が表示される。モーリシャスは、インド洋に浮かぶ熱帯の島国で、アフリカの東海岸から約1800~1900km、アフリカ大陸の東側に島国マダガスカルの東海岸から約800kmから900kmの距離にある。区分上はアフリカではあるが、アフリカ大陸に位置するわけではない。東京都ほどの面積に130万人が住む。もともとインドとアフリカの貿易の中継地であったという歴史から、住民はインド系が68%、アフリカ系の黒人が27%、華人が3%、フランス系が2%という構成になっており、アフリカの国家というよりは南アジアの国家といった印象がある。

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 モーリシャスは、日本ではさほど有名な国ではない。リオデジャネイロオリンピックの柔道女子52kg級の準々決勝ではモーリシャス出身のクリスチャンヌ・ルジョンティ選手が登場したが、解説者ですら「存じ上げない国」だと言っていた。ヨーロッパでは、イギリスやモナコの王族などが訪れる、インド洋の貴婦人と称されるリゾート地として認識されているようだが、日本から訪問する人は少ないという。

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 この便は直行便ではなく、乗り継ぎ便だ。深夜に東京の羽田空港を出発し、LCCの深夜便の狭い機内で7時間25分を耐えたあと、マレーシアのクアラルンプールの空港で4時間15分待機する。それからもう一度、LCCの狭い機内で7時間を耐えるという強行である。なお同じくエアアジアの、大阪の関西国際空港を出発し、クアラルンプールで17時間35分待機後、モーリシャス行きのLCCに乗り継ぐという航空券もいくつかの日程で、同じ価格で販売されている。
 ホームページ上では14900円と表示されているが、クレジットカードで決済する場合、1600円の決済手数料がかかるため16500円となる。
 しかしこの航空券、あくまでも東京からモーリシャスへと向かう片道だけが安いのである。モーリシャスから東京へと戻る便を検索してみると、最低でも4万5千円はする。

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  エアアジアでモーリシャスからクアラルンプールを経由し台北に行き、台北から東京まではスクートを利用するというものである。到着地を東京から大阪に変えてみても、モーリシャスから大阪まで3万9千円はする。
 つまり、日本からアフリカまでは16500円という目を疑うようなで行くことができるが、同じ価格でアフリカから戻ることはできないのある。