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カテゴリ: フィリピン

■これまで
#0430.韓国外交部によるフィリピン海外安全情報 2

 本文の内容が、フィリピン旅行の参考になるため、掲載しておく。

韓国外交部フィリピン海外安全情報3

 「フィリピンを旅行する前に知っておくべき安全情報!」

■強盗や窃盗を防ぐためにはどうすればいいでしょうか。
・財布に現金を多く入れて置いたり、派手な服装、高価な貴金属類を身に着けていると、強盗の標的になる可能性があります。
・混み合った食堂ではテーブルにものを置いたり、椅子に鞄や服などをかけておかないようにしてください。
・路上で物乞いの子どもにお金を渡そうと財布を取りだそうとしたとき、瞬時に何人かに取り囲まれ、財布、携帯電話などをひったくられる事件が発生しています。
・スマートフォンは高価な物品であるため、常に窃盗犯の標的になる場合があります。常に身につけておくようにして下さい。
・路上で女性のハンドバックをひったくる事件が頻発しているため、ハンドバックはたすき掛けするようにしてください。
・両替をする際はできるだけ銀行を利用しましょう。ATMを利用する場合は、身の回りにオートバイに乗ったひったくり犯がいないか気を付けるようにしてください。
・都心の貧民街、飲み屋などが集まった風俗街は犯罪多発地域ですから、立ち入ることは自制してください。

■アティバン・ギャング(Ativan Gang)とはどのような強盗組織なのでしょうか。
・アティバン・ギャングとは、食べ物の中に強力な睡眠薬を混入し、気を失わさせてから、金品などを奪いつくすという方法で強盗を繰り返す専門組織です。旅行先で偶然、出会った見知らぬ人からもらった食べ物は、決して口に入れないようにしてください。

①マニラ・リザール空港で、周辺の観光地を案内してやるとフィリピン人に誘われ向かった飲食店でジュースを飲まされ、意識を失う。
②飲み屋で気分がよくなり、隣の席の人たちと同席してお酒を飲んでいて、意識を失う。
③タクシー運転手に渡された飴を口にして、意識を失う。

■気を付けなくてはならないフィリピンの慣習や文化としては何がありますか。
・強盗が銃を持っている場合、それはただ威嚇するためのものではなく、実際に、発砲するための場合が多いです。銃を持った強盗と素手で戦うのは無謀ですから、絶対にやめてください。
・フィリピンの人々は体面を重視するため、人前で間違いを指摘されたり、大声で叱られたりすると、自分がひどく侮辱されたように感じ、報復しようとする傾向があるため、言行にはくれぐれも気を付け、謙虚に、親切な態度をとるようにしてください。

■いわゆる「セットアップ(Set-up)」事件とは何なのでしょうか。
・「セットアップ」事件とは、腐敗した警察が犯罪の取り締まりを口実に無罪の人を不法逮捕し、金品を要求する事件のことを言います。

①観光案内をしてやると接近しながら、観光客の鞄にひそかに麻薬を入れておきます。のちに、事前に口裏を合わせておいた共謀の警察官が現場を押さえにきます。それから、釈放を口実に金品を要求してきます。
②空港の手荷物にひそかに銃弾を入れておいてから、法律違反を口実に金品を要求してきます。
③家政婦がセクハラを受けただとか、飲み屋の未成年の従業員が夜をともにするよう強制されたなどの理由で通報し、巨額の和解金を要求してきます。

■フィリピンでタクシーに乗るということは危険なことなのでしょうか。
・フィリピンでもっとも危険だといわれることの一つが、夜間帯にマニラ第1空港から一般タクシーに乗ることだと言われています。タクシーの運転手による拉致、強盗の事例が頻発しているため、空港では必ず空港タクシー(黄色のタクシーあるいはクーポンタクシー)を利用するようにしてください。
・市内でタクシーに乗るときも常に注意しなくてはなりません。タクシーに乗車する前には必ず、ナンバープレートを確認し、知人に「乗車した場所、目的地、車のナンバー」をSMSやLINEなどで伝えておくようにしてください。(乗車前にナンバープレートを確認していおくという小さな行動に、タクシーの運転手に強盗を諦めさせる予防効果があります)

韓国外交部フィリピン海外安全情報4

■フィリピンで買春行為により摘発されたらどうなるのでしょうか。
・フィリピンでも買春行為は不法であり、特に未成年(18歳未満)の女性に対し買春行為をおこなった場合には、児童虐待防止法により最長40年の懲役刑に処される可能性があります。

■海外のカジノでの賭博行為も不法なのですか。
・海外のカジノでの賭博も(韓国国内で)処罰の対象となります。特に、大韓民国旅券を担保として資金を借り入れる行為は違法(1年以下の懲役あるいは300万ウォン以下の罰金)であり、以降、旅券発給の制限がかかります。

■結婚斡旋業者の紹介でフィリピン女性に会いに来たのですが、これは不法なのですか。
・フィリピンの女性を外国人の男性に結婚を目的として紹介したり、斡旋を受けるという行為は人身売買とみなされ、無期懲役刑に処される可能性があります。
・フィリピンでは経済的貧困から脱しようと、外国人の男性と結婚しようとする女性が少なくありません。そのため、夫が約束しただけの経済的支援ができないことが分かった途端、人身売買行為として告訴する場合もあります。

■フィリピンでビジネスを始める場合、名義はフィリピン人のものにしなくてはならないのですか。
・フィリピンでは外国人による250万ドル以下の小売業種(飲食店など)の営業は禁じられており、それ以外の業種についてもフィリピン人が最低、60%以上の資本を所有しなくてはならないものと規定されています。
・フィリピン人の名義を借りてビジネスをおこなう場合、所有権にかかわるもめごとや詐欺事件に巻き込まれ、損失を被る場合が少なくないため、弁護士と十分に相談をしておく必要があります。

■韓国国内の免税店で購入した物品にも関税がかかるのでしょうか。
・フィリピンでは韓国のように一定金額以下の物品に対する免税制度がありません。フィリピンの空港に入国する場合、タバコ20箱、1リットル以下の酒類2本を除いたすべての物品に対して関税がかかる場合がありますのでくれぐれも注意してください。

■米国ドルとフィリピン・ペソのどちらを用意するのがよいのでしょうか。
・1万フィリピン・ペソ(約22000円)以上のフィリピンの通貨を所有してフィリピンを出入国する場合、外国為替取引法により超過分の現金が押収されたり、逮捕される場合があるため、米国ドル(1万ドル未満)を用意してからフィリピンに入国するようにしてください。

■気を付けなくてはならない疫病としては何があるのでしょうか。
・デング熱は、デングウイルスを媒介する蚊に刺されると、高熱、頭痛、筋肉痛などの症状が発生する疫病です。治療薬はまだ開発されていないため、蚊には刺されないよう注意してください。

■シュノーケリングは危険でしょうか。
・シュノーケリングは簡単な装備によって誰もが手軽に楽しめますが、海中で身を伏せている状態であるため、事故が発生しても気づかれにくく、迅速な応急処置が難しく、毎年、死者が発生しています。
・必ず救命具を着用し、高齢者や呼吸器疾患のある人は、おこなわないようにしてください。

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 これは、過剰な警告なのだろうか。それとも、フィリピンではこのようなトラブルが頻発しているのだろうか。いつかフィリピンに行って、自分の目で確認したいと思う(笑)


 2015年にフィリピンを訪れた外国人は、

韓国人:134.0万人  
日本人:49.6万人
中国人:49.1万人

 となっており、フィリピンは韓国人にとって非常に人気の高い旅行先である。2015年にフィリピンを訪れた韓国人の数は、同時期にフィリピンを訪れた日本人と中国人の合計値よりも多かった。フィリピンにおいて外国人観光客と言えばまず「韓国人」なのである。
 しかし、たくさんの韓国人が訪問するにつれ、さまざまな問題が顕在化しているようだ。仁川国際空港(인천국제공항)には、フィリピン渡航者向けに、外交部(日本でいう外務省に相当)と在フィリピン韓国大使館により発行されたフィリピンの安全情報に関するパンフレットが置かれていた。そもそも、特定の国に渡航する人に向けて、安全情報に関わるパンフレットが制作され置かれているということ自体が異例の事態であるため、興味深かった。

韓国外交部フィリピン海外安全情報1

「フィリピンでは何に気を付けなくてはならないのでしょうか」

事件・事故
・韓国人の定年退職者あるいは長期在留者の居住地域であるカビテで連続的に殺人事件が発生しました
・ミンダナオなど南部地域では、リゾートでの休養中にイスラム原理主義組織 - アブ・サヤフにより拉致される事件が発生しました
・マニラ首都圏一体、アンヘレス、バタンガス、セブなど外国人観光客が多く訪れる地域で強盗事件が頻発しています

自然災害
・フィリピンは環太平洋造山帯に位置しており火山、地震、台風などの自然災害が多く発生しています
・2013年10月 M7.2の地震により200人にのぼる死亡・行方不明者が発生しました
2013年11月 超大型台風ハイエンにより7350人ののぼる死亡・行方不明者が発生しました

外交部・在フィリピン韓国大使館

韓国外交部フィリピン海外安全情報2

 海外安全情報

(白:特に注意情報無し)
青:十分注意
オレンジ:渡航自粛
赤:渡航中止勧告
黒:渡航禁止

 韓国でも日本の外務省と同様、海外安全情報を発令し、自国民に対し情報提供を行っている。韓国でも日本と同様、四段階での情報提供がおこなわれているが、日本と韓国で異なる点といえば、韓国では黒色の部分、すなわち旅行禁止区域への渡航が確認された場合、旅券法によってパスポートの使用の制限などの法的制裁が加えられる可能性がある。つまり、安全情報自体か法的効力を有しているという点にある。
 よって、韓国人が韓国のパスポートをもってミンダナオ島に渡航した場合、それは旅券法に違反するのである。日本人が日本のパスポートをもってミンダナオ島に渡航しても、それは法律に違反することにはならないため、韓国のパスポートは海外の治安の悪いところに旅行をするには、日本のパスポートに比べて不便であることは言えるだろう。
 韓国外交部はフィリピン全域に海外安全情報を出しており、マニラ首都圏ですら「渡航自粛」の対象となっている。「十分注意」に指定されている、韓国外交部によってフィリピン国内では相対的に治安がよいと考えられている地域(それでも注意情報無しというわけではない)は、スービック市、ボラカイ島、ボホール島、ラプラプ市(セブ・マクタン島)しかない。
 韓国政府は基本的には自国民に、フィリピン旅行を自粛してほしいと思っているようだが、渡航者数をみるに国民はあまり耳を傾けていないようだ。これだけの旅行自粛を要請するのは、在フィリピン韓国大使館が韓国人の絡む事件や問題が増え、それに対応しきれていないからだろう。
 この冊子の内部の詳細な内容については、次の記事に掲載する。
 
■つづき
 #0431.韓国外交部によるフィリピン海外安全情報 2


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