地球の覗き方

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カテゴリ:中国 > 遼寧省

 大連駅前は、時折、雨もぱらついた。

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【2014.11.23】大連駅前にて

 大連駅の駅舎は、満州国時代の1937年に建てられたもので、1932年に建てられた上野駅の駅舎と瓜二つだ。駅舎自体は、上野駅の駅舎より規模が大きい。

IMG_8723【2014.11.23】大連駅

 なんだか不思議な親近感が湧いてくる。1932年に駅舎として建てられた建物が、今も、駅舎として活躍しているという事実にも感心する。
 大連駅の周辺には、高速バスも発着していて、その中にはベッドが備え付けられている「寝台バス」もあった。北京行き、上海行きのバスもあったが、どれだけ時間がかかることだろう。その距離感に、大陸にやってきたということを感じる。
 大連駅の裏側には、大連快軌3号線の大連駅がある。

IMG_8724【2014.11.23】大連快軌3号線大連駅

  大連の電車はまず、3号線が2003年に開通した。地下鉄である1号線と2号線の開通はその12年後の2015年となる。12年間、大連は1, 2号線が不在で、3号線だけがある状態が続いた。
 車両はなかなか、かっこいい。

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【2014.11.23】3号線

 支線を含めると、路線距離は60kmを超える。

IMG_8726【2014.11.23】大連駅にて

 ホームの先端に行くと、中国人の少年がデジタル一眼レフを手に持って、鉄道の写真を撮っていた。どの国にも、鉄道趣味はあるらしい。

IMG_8728【2014.11.23】大連駅にて

 金州まで電車に乗ってみる。
 電車ではみな、静かにしていたが、子どもが一人、お母さんに向かって「疲れた、座りたい」と大きな声を出して駄々をこねていた。それで、席を譲ろうとしたところ、「その必要はありません。お座りください」と言われてしまったので、結局は、譲らずに終わった。

IMG_8731【2014.11.23】金州にて

 金州は、正岡子規が、

 行く春の酒をたまはる陣屋かな

 という俳句を詠んだところとして、日本人には記憶されている土地である。しかし、そういった情緒を、今、現前に広がる団地群に見出すことができるかといえば、想像力が試されているような気がする。

IMG_8733【2014.11.23】金州にて

 団地内に市場があったので、一周、回ってみた。やはり、海に面する都市なのか、海産物が豊富であるように見える。
 動物の肉は、なかなか、グロテスクな売り方をされている。

IMG_8737【2014.11.23】金州にて

 むしろ、日本などのスーパーマーケットにおける肉の販売のされ方こそが過度にグロテスクさを排除されているのであって、あのような売り方がことさらグロテスクというわけでもないとも言えるだろうが。動物の顔が机に乗せられていて、そこから血が滴ってアスファルトを湿らせているという状況は、慣れていないとびっくりする。
 それからまた、大連の中心部へと戻る。自動販売機が壊れていたために職員に行先を口で直接告げたり、大連駅はどちらのホームから行けばいいのかきかれるなど、中国語を口にする機会は次々とあらわれた。中国をまともに旅行するためには、中国語が必須なのだろうか。

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 遅い昼食とする。海産物が入っている水餃子だ。 

IMG_8738【2014.11.23】海鮮水餃子

 海港都市である大連らしい選択だと思ったし、大連名物と書かれてはいたが、あまりおいしくはなかった。

IMG_8741【2014.11.23】海鮮水餃子

 百貨店あるいはショッピングセンターのレストランだから価格は約700円と、それなりにする。しかし、味は700エ円ほどの味ではなかった。 大きな商業施設に入居しているレストランだからと言って、必ずしも、おいしいというわけではないようだ。

2014年11月 大連3泊4日
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 大連で迎える朝は、曇っていた。

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【2014.11.23】大連にて

 朝食は、吉野家で食べた。吉野家は中国全土にまんべんなくあるというわけではないが、大連にはあった。遼寧省内には吉野家が約70店舗あり、中国国内では北京に次いで吉野家が多く出店している地域だそうだ。
 中国の吉野家のメニューは、日本のもとのは完全に違う。

IMG_8709【2014.11.23】吉野家にて

 豆乳と饅頭(まんとう)という朝食は、完全に、中国の文化に適応している。残念ながら、おいしくはなったが、日本にはない吉野家のメニューを経験してみるということは悪くなかったと思う。
 しかし、あれだけではまだお腹が空いたので、近くにあったケンタッキー・フライド・チキンに入ってでハンバーガーと焼き鳥のセットをたのんだ。

IMG_8713【2014.11.23】KFCにて

 ケンタッキー・フライド・チキンに焼き鳥があるというのもまた、中国らしい。セットメニューの価格は日本と変わらないため、中国では割高ということになるだろう。味はさほどよいとは思わない。
 ところで、せっかく中国に来たのに、なぜかチェーン店にばかり行っている。初めての中国旅行で、中国経験値が低かったために、現地の人しか入らないような食堂に入る勇気をまだ持てなかったのだ。日本にもあるようなチェーン店は、勝手が日本と同じだから、入店するのに敷居が低く感じられる。
 それにしても、中国のファーストフード店は清潔に保たれている。中国のファーストフード店ではゴミをテーブルの上に置いたまま立ち上がってもよい。そうすると、飲食スペースを担当する清掃係がやってきてゴミを片付け、テーブル、椅子、床をてきぱきと拭いていく。そのため、飲食スペースは常に清潔に保たれる。
 ところで、日本で、よく中国人観光客がファーストフード店や、フードコートでゴミや食器を自ら片付けることなく、テーブルの上に放置したまま、立ち去ってしまうという行為が問題になることがあるが、これはマナーの問題というよりは、中国では自ら片付けるシステムになっていないため、習慣の問題でそうなってしまうのだろうということが分かった。彼らに悪気はなかったのだろう。

2014年11月 大連3泊4日
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 書店に行った。書店には手荷物のX-ray検査と、金属探知を受けてから入る。万引き対策だろうか。書店に入るのにも、空港に入る時のような厳重な検査をおこなうとは。書店はなかなか盛況だった。笑顔の習近平が表紙に印刷された本が平積みにされていたのが印象的だった。外国人用の中国語の教科書と、地図を買った。本は、印刷の質はよいとは言えないが、価格は日本の約3分の1程度だった。
 外に出ると、陽が沈みかけていた。

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【2014.11.22】大連市内にて

 夕食は、出店でジャージャー麺を食べた。

IMG_8682【2014.11.22】ジャージャー麺

 香辛料がたくさん入っていてぴりっと痺れる味がする。香港で食べたものや、韓国で食べたものとはまた味が違う。
 デザートは、台湾式のデザートを食べた。

IMG_8687【2014.11.22】デザート

  鮮芋仙(Meet Fresh)という台湾発祥のチェーン店だが、台湾で食べるものと比べると味は劣ると思う。
 それから寒い中を、宿へと歩いて戻っていく。中山広場の近代建築群は、さまざまな色にライトアップされていた。

IMG_8688【2014.11.22】旧・大連市役所

 旧・大連市役所は突拍子の無い、ピンク色にライトアップされていたが、それはそれで悪くはないと思う。
 大連の街中の至るところで人々が輪を作って踊っていた。輪の真ん中には、大きなスピーカーが置かれていて、大音量のリズムのよい音楽が流されていた。

IMG_8689【2014.11.22】広場舞

 特に中山広場には一際大きい、輪が作られていた。ああ、これが、噂で聞いていた広場舞というやつが。 夕食を食べ終えてから、中高年の人々が外に出てきて、公園などや広場での踊りの輪に参加する。愛好者は1億人を超えるという。住宅地では騒音などの問題が絶えないというが、大連中山広場のような都心の広場であればさほど問題もなかろう。
 初めての中国、滞在、1日目が終わった。

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