地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

カテゴリ: フランス

 早朝に、オルリー空港へと向かう。
 午前7時半にパリを離陸する便であったから、午前6時頃にオルリー空港に到着できるよう、パリ市内を出発する。
 トラムのT3線を利用して、ゲストハウスから、Stade Charléty駅へと向かう。

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【2017.3.20】Stade Charléty駅にて

 この駅の近くにあるStade Charlety - Porte de Gentillyバス停から、オルリー空港へと向かうOrly Busが出発する。

IMG_1180【2017.3.20】競技場

 近くには競技場があって、パリが2024年のオリンピック開催都市として立候補していることを、宣伝していた。
 この空港バスはパリを、午前5時から深夜0時まで、8分~15分間隔で運行している。
 午前5時41分にこの停留所を出発する空港バスに乗車する。運賃は8.7ユーロ(約1130円)あるいは、1-4zone内で乗降ができる乗車券があれば乗車可能できる。
 バス停から空港までの距離は約11kmほどで、20分もかからずにオルリー空港に到着した。

IMG_1182【2017.3.20】オルリー空港

 オルリー空港では3月18日にイスラム過激派の男が、巡回中の女性兵士の銃を奪い、「アラーのために死ぬ」と叫んだところを他の巡回中の兵士によって射殺されるというテロ未遂事件が発生して、しばらくの間空港が閉鎖されていた。この日は平常通りに営業されていて、飛行機の運行に何の支障もなかったが、あまり長居したいところではなかった。
 ミラノ経由で東京へと向かう搭乗券を受け取り、さっさと搭乗口へと入る。

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 ミラノで乗り継ぐ必要があるため、二枚の搭乗券を発券される。

IMG_1183【2017.3.20】オルリー空港にて

 まだ、日没前だった。

IMG_1185【2017.3.20】搭乗

 搭乗する時間になってようやく、辺りが明るくなり始めた。

IMG_1187【2017.3.20】機内にて

 アリタリア・シティライナーAZ357便、1時間25分ほどのフライトである。

2017年3月英独仏

 パリはどんよりと雲が立ち込めていたが、飛行機はその雲よりも上の高度を飛ぶ。

IMG_1190【2017.3.20】アルプス山脈

 窓の外の景色を撮っていると、横にいたフランス人の40代くらいと思われる女性が話しかけてくる。

 女性 : 「写真はきれいに撮れた?」
 僕 : 「はい」
 女性 : 「あれは、アルプス山脈よ。旅行かしら」
 僕 : 「はい。あなたは、ビジネストリップですか」
 女性 : 「そう。服飾関連の会社で働いてるんだけれども、今日はミラノに出張なの。このビジネストリップ、上司と一緒なんだけれどね、上司は離れたところ、あっちに座ってるの。1日ミラノで過ごしてから、次の目的地へと向かうの。」
 僕 : 「どうりで、おしゃれなんですね!」
 女性 : 「あら、ありがとう。あなたはどこから来たの」
 僕 : 「日本です」
 女性 : 「パリは楽しめたかしら」
 僕 : 「はい。今回は、1日しかいなかったから、不十分でしたが。以前10日以上、滞在したことがあります」
 女性 : 「あら、パリは1日では足りないわ」
 僕 : 「魅力的な観光地がたくさんありますからね。治安は少し、気になりましたが」
 女性 : 「そうね。あなた知ってる?オルリー空港でも2日前、テロ未遂事件があったじゃない。ヨーロッパはいつもそうなのよ」
 僕 : 「はい。テロもそうだし、スリなども不安です」
 女性 : 「旅行客は気を付けなければならないわね。パリには移民も多くて。(あたりを見回しながら)ほら、ルーマニアの人たちとかね」

 あたりを見回しまでしてから、ルーマニアという言葉を発したのには少し驚いた(笑)

 女性 : 「私は、みなさんを歓迎している。もちろん、日本の文化を愛しているし、日本のみなさんも好きなのに」
 僕 : 「そうですね、残念な点があります」
 女性 : 「私、今年の夏か、来年、アジアの方に旅行に行きたいの。韓国とベトナムに、友人が住んでいるから。1か月くらい。」
 僕 : 「1か月!」
 女性 : 「フランスの会社では、それくらいの休暇はとることができるの」
 僕 : 「日本ではあまり一般的ではなさそうです」
 女性 : 「そうね。日本やアメリカは、仕事中毒の国として知られているわ」
 僕 : 「フランスがうらやましいです。韓国と日本は近いから、日本にも遊びに来てくださいね」

IMG_1193【2017.3.20】機内から

 飛行機はアルプス山脈を越え、イタリア領へと入っていく。

IMG_1195【2017.3.20】ミラノ空港周辺にて

 ミラノは、霧に包まれている。

 女性 : 「あっという間ね」
 僕 : 「同じEU圏内でも、外国にやってきたという感じはしますか」
 女性 : 「もちろんよ。パスポートがいらないだけで、全てがイタリア語だから、私たちは英語を話して外国人として行動しなくてはならない。私、あまり英語が得意でないから、緊張するわ」

IMG_1197【2017.3.20】ミラノ・リナーテ空港

 そうして、ミラノ・リナーテ空港へと降り立った。
 ここから、東京へと向かう便が出発する、ミラノ・マルペンサ空港へと移動する。


 アンヴァリッド(Invalides)駅へとやってくる。

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【2017.3.19】地下鉄駅

 セーヌ川の方へ向かって、歩いていく。

IMG_1176【2017.3.19】アレクサンドル3世橋

 1896年から1900年の工事期間を経てかけられた橋で、1900年のパリ万国博覧会に合わせて竣工した。橋の名前は、ロシア皇帝であったアレクサンドル3世に由来するが、これは1894年に結ばれた露仏同盟を記念するものである。

IMG_1170【2017.3.19】セーヌ川

 橋の上から、セーヌ川を見渡すと、向こうに観覧車が見える。
 参考 : #0646.トリコロールに彩られたパリの観覧車

IMG_1163【2017.3.19】エッフェル塔

 東側には見える。

IMG_1116【2017.3.19】アンヴァリッド廃兵院(Les Invalides)

 南側にはアンヴァリッド廃兵院が見える。

IMG_1118【2017.3.19】グラン・パレとアレクサンドル3世橋

 北側を振り返ると、アレクサンドル3世橋の横に、グラン・パレ(Grand Palais)が見える。これも、1900年の万国博覧会に合わせて建てられた、展覧会場かつ美術館だ。

IMG_1158【2017.3.19】エッフェル塔

 エッフェル塔に向かって、歩いていく。

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【2017.3.19】エッフェル塔

 エッフェル塔は日没後の毎時00分に、ぴかぴかと光る。
 ちょうど夜9時をむかえて、ぴかぴかと光る。

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【2017.3.19】エッフェル塔

 11泊13日に及ぶロンドン・ベルリン・パリ旅行の、最後の夜だ。

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【2017.3.19】エッフェル塔

 11泊13日というのは短いと言えば短いが、その間に、ロンドンも、ベルリンも、パリをも楽しんだ。そして、ロンドン在住のイギリス人の友人にも、ベルリンで留学中の友人にも、それからパリで留学中の友人にも会えて、たくさんの話を交わすことができた。毎日が新しい、面白い体験であふれている、そういう濃い時間だった。

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【2017.3.19】エッフェル塔

 またそういう「濃い旅行」ができるのはいつだろうか、そういうことを夜のエッフェル塔をながめながら思う。


 友人と、パリのラーメンを食べにいく。
 旅行中、辛いものを一度も食べていなかったから、何か辛いものを食べたいと言ったら、ラーメンを食べにいくことになってしまった(笑)

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【2017.3.19】ひぐま

 海外で日本の食べものを食べるのは、日本の文化が海外でどのように変化して、その土地に根付いているのかということを観察する面白さがあるから、悪くない。
  やってきたのは、オペラ地区にある「ひぐま(Higuma)」というレストランだった。

IMG_1100【2017.3.19】店内

 店内に入る。
 照明がやたらと明るい、白色の照明だ。パリのレストランに、これだけ照明の明るいレストランがあったっだろうか。ちっとも、おしゃれではない。事務室で食事でも、させられるようだ。日本らしいといえば、日本らしい。
 店内はパリの人々で、で賑わっている。

IMG_1097【2017.3.19】KIMUCHI LAMEN

 メニューを観察すると、日本料理店というよりは、日式中華のお店だ。
 辛いものが食べたかったから、キムチラーメン(KIMUCHI LAMEN)なるメニューを注文する。ところでキムチと言えば、韓国では「KIMCHI」と発音され、そう書かれるべきものだが、このレストランでは「KIMUCHI」と、キムチを日本式で読んだものをさらにアルファベットにしているその意図は、何なのだろうか。
 日式中華に、キムチ。これで、日本、中国、韓国の全てがここで融合している。

IMG_1099【2017.3.19】餃子

 サイドメニューの餃子が出てくる。味は、ふつうである。
 それから、キムチラーメンが登場する。

IMG_1104【2017.3.19】ラーメン

 しっかり辛くて、なかなかおいしかった。
 量も、多い。

IMG_1106【2017.3.19】キムチラーメン

 僕 : 「ところでこのお店、従業員、全員、中国人だね」
 友人 : 「日本人もいるよ」

 そういう友人が指した先に、ぺこぺことお辞儀をする女性従業員のすがたが見える。たしかに、日本人もいるようだ。

 友人 : 「調理を担当しているようではないけれども」

 もともとHigumaは1984年に創業した、フランスではじめてのラーメン店だという。おそらく初めの頃にはパリに滞在する日本人向けに、日本人が料理を作っていたのだろうけれども、今や違う。
 日中韓のフュージョン料理を、中国人の手で生産し、日本料理の名のもとで提供するレストランとなっている。ヨーロッパに行けば、日中韓の境界などあやふやなものだから、フランスの人はなんら不満もなく「日本料理」として消費して、満足に帰っていくのだろう(笑)
 パリ市内にいくつか支店のある、人気店舗だ。
 
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■ひぐま(Higuma)
 住所 : 32 Bis Rue Sainte-Anne, 75001 Paris
 営業時間 : 午前11時半~午後10時

 パリメトロの14号線に乗る。

IMG_1111【2017.3.19】14号線

 さきほど、運転が見合わせられていたが、運転は再開していた。

IMG_1112【2017.3.19】14号線

 途中、地下鉄を乗り換える。

IMG_1114【2017.3.19】Madeleine駅

 パリの、夜景を見に向かう。


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