地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

カテゴリ:日本 > 徳島県

 祖谷を出発し、徳島市を経由して、淡路島に入り、神戸へと向かう。途中、徳島市で徳島ラーメンを食べていく。そもそも徳島県を訪れるのが、今回の旅行が人生初だった。だから、徳島ラーメンを食べるのもまた、人生初だった。
 やってきたお店は「ラーメン東大」である。

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【2016.12.12】ラーメン東大

 なぜゆえに東大かと思いきや、ラーメン界の東大を目指そう、そういう心意気でつけられた名前だという。

IMG_1573【2016.12.12】もやし

 嬉しいことに、もやしが食べ放題である。
 焦げがきつめの餃子は、徳島特産のすだちと塩でいただく。

IMG_1569【2016.12.12】餃子

 いよいよ徳島ラーメンが出てくる。

IMG_1566【2016.12.12】徳島ラーメン

 徳島ラーメンの特徴は、豚のばら肉に、豚骨スープに醤油を加えた、豚骨醤油のスープだという。
 また、生卵がなんと、無料である。生卵を加えると、真の徳島ラーメンになる。生卵を加えることが、徳島ラーメンの特徴でもあるというのだ。(実は、初め、この卵を、ご飯にかけて、生卵ご飯を作るものなのかと思っていたが、これがラーメンにいれるものだったということに、後で気付いたのだった)
 ラーメン東大のラーメンは、典型的な徳島ラーメンであると言えよう。なかなか、腹持ちがよく、幸福感の高いラーメンであった。

■ラーメン東大 大道本店
 住所 : 徳島県徳島市大道1-36
 営業時間 : 午前11時~午前4時
 年中無休

 それから、淡路島を渡り、神戸の有馬温泉まで行き、しばらく温泉で休んでから、神戸三宮で友人と別れる。友人は車で自宅のある岡山方面へと向かい、僕は高速バスに乗って、東京へと帰ったのだった。


 有瀬集落を散策する。

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【2016.12.12】三部神社

 神社がある。
 石がとても急に積まれている。

IMG_1457【2016.12.12】有瀬集落

 有瀬集落を歩く。

IMG_1460【2016.12.12】製茶工場

 あの伝説の「有瀬茶」を生産している製茶工場がある。

IMG_1462【2016.12.12】有瀬集落

 雲は少しずつ、晴れていった。

IMG_1465【2016.12.12】有瀬集落

 みかんがなっている。

IMG_1468【2016.12.12】石垣

 石垣は、この地域、独自の積まれ方で、明治時代以前から変わらない景色だという。

IMG_1471【2016.12.12】茶畑

 茶畑はずいぶんと、急斜面にある。

IMG_1472【2016.12.12】茶畑

 これでは茶摘みも一苦労だろう。

IMG_1481【2016.12.12】茶畑

 有瀬茶の生産量が限られてしまうことも、この茶畑を見ればよく分かる。しかし、山間にあって、お茶の栽培に適切な昼夜の温度差、それと毎日立つ霧が直射日光をちょうどよく遮ってくれることから、良質な茶の産地となっている。

IMG_1490【2016.12.12】有瀬集落にて

 あまり大きい集落でもないから、小一時間で回ることができる。

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【2016.12.12】有瀬集落にて

 花が咲いている。

IMG_1496【2016.12.12】有瀬集落にて

 コスモスも咲いている。

IMG_1498【2016.12.12】有瀬集落にて

 それからまた、宿へと戻ってくる。小学校の周りを歩きながら、また、宿のことについて説明してくれる。
 集落には、この小学校を卒業した人が今も多く住んでいるが、当時とは校門の位置は違うし、学校の建物も建て変わってしまった。子どものころと唯一変わらないのは、石垣だけ。江戸時代以前から、この石垣はあるらしい。馬が上を歩けるように積んだとか言われている。もともとお金持ちの邸宅だったというわれるこの学校の敷地には、池がふたつあったんだけれども、ひとつは校庭になったし、ひとつは昔、学校の先生が泊まっていた教員宿舎になったと話してくれる。
 もっと長く、いたかった。集落にはこれといって何もないかもしれないが、できることがたくさんある。
 「お客さんは、大家族や、大学生や、岩国基地の米軍や、インドネシア人など、いろいろな人がやってきた。大学生は夜おそくまで賑やかに遊ぶ。あまり、お酒は飲んでいなかったが、わいわいやっていたよ。3階にある体育館では、バスケや卓球などをして遊んだりしていた。1階にはカラオケの器具があるから、10時までは歌を歌っていい。でも、カラオケの器具は1階にあって、夜にはよく校舎内に響くから、他のお客さんの迷惑にならないように10時以降はやらないようにしている。アメリカの軍人たち時は、朝食をあまり食べてくれなかった。味噌汁とかも飲まない。パンや牛乳を用意する必要があったのだろうか。インドネシア人には、豚を用意していいのかを聞いたら、『豚肉が出ても、それはそれで食べられる』との回答があったが、今思えば、インドネシア人ではあるが、イスラム教徒じゃなかったのかもしれない。あるいは、フィリピン人だったのかもしれない。過疎の村を研究している大学生たちも来た」と、さまざまな人がやってきて、さまざまなことをやっているようすだった。
 「校庭ではバーベキューもできる。バーベキューの道具はあって、1500円で貸し出しができる。肉さえ持ってきてくれれば、野菜はこちらで用意ができる。キャベツはこの集落にはないが。米軍の人たちもバーベキューをしていたけれども、とにかくたくさん、肉を食べるけれども、野菜は食べていなかった」。
 「校庭には窯があり、パンを焼いたりピザを焼いたりできるはずだったが、ピザをしっかり焼くには窯の高さが高すぎて火力が足りないと言われた」。 
 なかなか、夢があるところだ。そう、周りに人がいないから、バーベキューの煙や、騒音で迷惑をかけることもない。おじさんはそう言って、「音楽部の練習合宿などの誘致もしてみたい」と言っていた。

IMG_1509【2016.12.12】有瀬集落にて

 次はいつ来るのがいいだろう。春だろうか。標高600mほどの地帯にあるから、彼岸桜は3月末に見頃を迎え、ソメイヨシノは4月中旬にようやく咲くというから、その頃に行くのもいいかもしれない。あるいは夏だろうか。東京からやってきた学生が、校庭にテントを張ったり、寝っ転がったりして、満天の星空を眺めていたという(しかし、僕らがやってきた日には月明かりが眩しすぎて、満天の星空は望めなかった)。夏にやってくれば、ラフティングもできるし、ハイキングも気持ちがいいはずだ。宿の人は、「祖谷の方にもたくさん、宿はあるだろうけれどもあっちは高いから、ここに来ればいい」とおっしゃる。実に、その通りだと思う。10月にはお祭りがあるから、そういう季節にやってくるのも、よいかもしれない。

IMG_1507【2016.12.12】楽校の宿

 最後に「いざ始めてみると、想定外の問題もあっていろいろ大変だが、いろいろな人と会うことができて嬉しい。何もない村だけれども、面白いはずだから、もっとたくさんの人が来てくれたらうれしい」とおっしゃていた。だから、このブログを通して、この施設の存在を知った人が、たくさん、訪れてくれればと思う。
 また最近、東京からの移住者があって、集落の人口が久しぶりに増加するなど、よいニュースもあったようだ。なお、週末は予約が埋まりがちだが、満杯だったとしても、鉄琴や木琴が置かれたままの音楽室があって、500円ほど割引して泊まらせたということがあったそうだから、打診してみるのもよいかもしれない。
 たくさん話していると、情がうつってしまうものである。

IMG_1512【2016.12.12】楽校の宿

 たった1泊の滞在だったが、本当に名残惜しい。
 
IMG_1514【2016.12.12】山道を下る
 
 後ろ髪をひかれる思いで、山を下っていく。

IMG_1521【2016.12.12】土佐岩原駅付近

 今までいろいろなところを旅行してきたけれども、これだけ心を打つ宿というものもなかったと思う。いつかまた、訪問しなくてはならない。それまで皆さん、お元気で!


 食堂に行くと、コーヒーを入れてくれた。
 宿直のおじさん以外に、三人のおばさんが来ていた。そのうち一人は、昨日、宿の近くですれ違いざまに道をきいた女性だった。

 おばさん「私のこと、覚えてる?ほら昨日…」
 僕たち「ああ、あの時!」

 そう、宿(小学校)の近くで、駐車場(校庭)へと入る道がどちらか分からず、たまたますれ違った車に乗っていた女性から、宿への入り方を聞いたのだった。

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【2016.12.12】コーヒー

 食堂の壁には、有瀬集落で撮った雲海の写真が飾られていた。みな、自分たちで撮った写真だという。
 たくさんの話をした。例えば、宿には、東京周辺からやってくる人が多いという。最近は、成田空港から高松空港まで安くいけるLCCがあるから、それでやって来る人が多いという。(祖谷は徳島県ではあるが、徳島空港よりは高松空港からのアクセスがよい)
 僕も、東京からやってきた。その話をすると、息子夫婦が東工大を出て、現在、世田谷区に住んでいるという話をしてくださった。そのため、東京にはよく遊びに行くのだが、これといって観光するところもなく、調布の深大寺に行ったとき、名物の蕎麦屋さんで蕎麦を食べることになった。「蕎麦くらいならおごってやるよって言って、お店の中に入ったんだけど、一人分が2500円とかして、大変だったよ。しかも、頼むと、細い蕎麦が少ししか出てこないの。この辺りも蕎麦が名物だけれども、こっちの方はもっと太いし、500円、600円でもたくさん食べられるから、東京よりはいいな」と笑いながら、話す。
 また、東京だけではなく、日本各地を旅行したり、日本各地の山に登ったり、世界へも旅行に行ったという。最近は集落のメンバー数名で、会津に行った。2012年には、ツアーに参加して、フランスに行った。8日間かけて、南仏からパリまで旅行したという。でも、この時はおばさんだけが言って、おじさんは行かなかった。おじさんは、「毎日、パンと牛乳は無理だよ。お米を食べるには、スーパーでスシを買わなきゃいけないんじゃなあ」というが、おばさんは「パンと牛乳でもいいじゃないの」と行った。旅行に行くときは、集落の人には内緒で、おしのびで行くという。「だってばれちゃうと、お土産買わなきゃいけなくなっちゃうんだもん(笑)」
 廃小学校を民宿にするという発想は、どうやら集落の人が「旅好き」であることから来ているようだった。

IMG_1414【2016.12.12】おみやげ

 お土産を下さる。蜜柑は有瀬で収穫したものだという。かりんとうのお菓子は、高知県から嫁いだ人が持ってきたものだという。かりんとうが渦巻の形をしている。これは、見たことがない。
 ところで、この辺りは、徳島県(阿波)と高知県(土佐)の境界にある。谷を挟んで向こうの集落は、高知県の大豊町の集落なのである。おじさんは、「ここは徳島県だが、この辺りの方言は高知県のものと似ている。高知県の方の集落にも、自分たちと似たような神楽があったから、文化的には似ているんだと思う。このあたりは、土佐の国になったり、阿波の国になったりと、ころころ変わったのかもしれない」という。しかし現在は、谷の向こうの集落の人たちとも仲良くしていて、「今日もお客さん来ているね!うらやましいなあ」と向こうの集落から電話がかかってきたリするのだそう。そういう話を聞いてみると、僕まで嬉しくなってしまう。なお、12月になって寒くなったからか、予約は低調気味だという。

IMG_1436【2016.12.12】プール

 外に目をやるとプールがあるが、今は利用していないのだという。しかし水は澄んでいる。なぜならば、山の水をそのまま引いているからだという。この地域の特産の魚である、アメゴでも飼って、釣り堀にできたら面白いかもしれない、来年はそれをやってみようかと言う。しかし、集落の消防団もこの水を使うから、実現するには調整がいるのではないかと言う。それに、アメゴを買うには、餌をやらなきゃならないから、食べ残した餌が原因で水が濁ってしまうかもしれい、そうすると、清流でしか生息できないアメゴにとってはよくないのではないかと、話す。
 そういうことを聞いていると、廃校になった小学校というものもまた、新たな夢を与えてくれる「宝物」であるかのように思えてくる。人々の表情は生き生きとしていて、楽しそうだった。「施設の名前は自分たちで考えた。12か13の案を作ったが、最終的に『楽校(がっこう)の宿』にした。やはり、楽しく生きていくのが一番だ」と言っていたが、本当にその通りになっていると思う。


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