地球の覗き方

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カテゴリ: ドイツ

 人生2度目のヨーロッパ旅行は、11泊13日の日程で、ロンドン、ベルリン、パリというイギリス、ドイツ、パリ各国の首都を訪問した。

2017年3月英独仏


 東京からロンドンへと向かう時は、イタリアの首都、ローマで飛行機を乗り継いだ。そのため、はからずも、2週間という短い間に、イタリア、イギリス、ドイツ、フランス各国の首都に立ち寄ることになった。
 ロンドン、ベルリン、パリの各訪問先で友人、知人に会えたのは幸運だった。

■旅行費用
 航空券(アリタリア航空, 東京→ロンドン, パリ→東京) : 38230円 ※3385マイル付与
 航空券(Ryanair, ロンドン→ベルリン) : 3980円
 高速鉄道 (ベルリン→パリ): 7441円
 現金(東京で両替分, 200ポンド+200ユーロ) : 52492円
 現金(ベルリンでカード引き落とし, 200ユーロ) : 25840円
 カード支払い : 25138円

 合計 : 15万3301円

 なおこの費用には、ロンドン、ベルリン、パリの友人たちへ日本からお土産として持っていったものの代金を含んでいない。
 航空券の代金は、東京・ヨーロッパ間の往復で3万円台と、なかなかお目にかかることのできない安さではあったが、渡航先は物価の高いところだったから、旅行費用は結局、15万円強と膨れ上がった。これは、前回のヨーロッパ旅行(パリ11泊12日)にかかった費用、15万9100円とさほど変わらない。(参考 : 
#0677.初めてのヨーロッパ訪問となったパリ旅行を総括する)

■ロンドン
 人々の公共空間でのマナーがよく、体感される治安はよく、街中も清潔であったため、街歩きの際、ストレスを感じることはあまりなかった。
 また、3月中旬の訪問で、ロンドンは曇りがちの天気が続き、肌寒くなるかと思いきや、日程の何日かはよく晴れて暖かく、3月13日の時点で、桜の花が五分咲きになるほどだったから、天候もよかった。(参考 : #0931.ロンドンの桜並木)

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【2017.3.13】ロンドンの桜

 不満は、とにかく物価の高さである。例えば食事は東京の1.5倍~2倍ほどの水準となるが、味はお世辞にもよいとは言えない。満足したのは、ポルトガル移民によるイングリッシュ・ブレックファストくらいだ。食の楽しみを重視する旅行者にとっては、魅力的な旅行先とは言えないかもしれない。(参考 : 
#0925.ロンドンのイングリッシュ・ブレックファストで幸せになる)
 また、イギリス英語は慣れていないと、聞き取れず、言語コミュニケーションに関しては思わぬ支障をきたした。
 ところで、ウェストミンスター橋への訪問から11日後のほぼ同じ時刻に、現場でイスラム過激派によるテロ事件が発生したことは、体感される治安がよかっただけに、これは衝撃的だった。

■ベルリン
 「ドイツの首都」という言葉のイメージからすると、ずっと小さい都市である。都市圏の規模は日本でいうと、福岡都市圏よりは大きいが、名古屋都市圏には及ばない。韓国の釜山や、台湾の台北よりも小さい。市内の名だたる観光地は丸2日ほどあれば十分、見て回ることができる。郊外のポツダムにまで足を延ばすなら、それに1日ほど足せばよいだろう。
 街中が落書きだらけであったり、昼間からたくさんの市民がアルコールを摂取している割には、体感される治安はよく、観光しやすかった。物価もさほど、高くない。

IMG_9830【2017.3.16】ベルリンの壁

 ベルリンは、第二次世界大戦から東西ドイツ分裂、それから統一への過程という、現代史に着目した街歩きがとても面白いところだった。お土産に、ベルリンの壁のかけらを買えたりと、面白い。
 一方、いわゆる「中世の街並み」のような「伝統」を期待する旅行客には、ベルリンはまったくもってマッチしないと思う。

■パリ
 体感される治安は悪く、人の多いところを行動する時には常に貴重品の管理に気を使わなくてはならないなど、不便ではあるし、必ずしも清潔とはいえないが、ロンドン、ベルリンの順に回ってまたパリへと戻ってくると、街並みがとても美しいということに気付かされる。
 
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【2017.3.19】ムフタール通り

 食べ物がおいしい。そして、ショッピングは商品はもちろん、陳列方法にも工夫などが凝らされていて、なんだかんだいって旅行先としてはとても魅力的なところだと思う。
 しかしオルリー空港を利用する2日前に、イスラム過激派の単独犯によるテロ未遂事件が発生し、空港が半日間閉鎖されるなど、貴重品の管理だけではなく、テロへの不安もつきまとう。

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 旅行を終えてから、ロンドン、ベルリン、パリの3つの都市のうち、もっとも再訪したいと思うところはパリだ。今回のパリ訪問はすでに、前年の11月の訪問に次いで2度目の訪問だったが、遠くない未来に3度目の訪問があると思う。


 カールスルーエ(Karlsruhe)駅でドイツの高速鉄道ICEから、フランスの高速鉄道TGVに乗り継ぐのに、24分ほどの待機時間があった。

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【2017.3.18】カールスルーエ駅にて

 ずっと高速鉄道の座席に座っているのもくたびれることだったから、24分ほどの乗り換え時間があって、歩いたりすることができるのは、ちょうどよいことだった。

IMG_0959【2017.3.18】カールスルーエ駅

 お腹が空いていたから、パンを買い求めた。

IMG_0970【2017.3.18】パン

 駅構内には、ベーカリーがある。
 駅構内でも、パンを焼いているのだ。

IMG_0964【2017.3.18】パン

 まずは、野菜とチーズが挟んであるパンを買う。
 ヨーロッパはチーズの種類が日本の比ではない上、味が非常によい。

IMG_0967【2017.3.18】パン

 それから、甘いパンも買った。
 まず、トレイにとって料金を支払う。店員はドイツ語を話した。思えば、カールスルーエ駅は、フランスとの国境の近く、フランスから高速鉄道が乗り入れているにも関わらず、フランスが近いことを感じさせるものは特になく、これから、ドイツを去るという実感はあまりなかった。

IMG_0969【2017.3.18】袋

 パンを袋につめるのは、店員の役目ではなく、自分の役目だった。出入口にある袋をとって、自らパンを袋につめて、ベーカリーをあとにした。
 7時32分発にカールスルーエ駅を発車する、パリ東(Paris Est)行きのTGV9570に乗車する。

IMG_0971【2017.3.18】パリ行き

 TGVの車両に乗ってまず感じたのは、車内の香水の臭いが強いということだった。
 そして、ICEと比較すると、暗い。暗い方がオシャレ、そういう認識なのだろうか、さすがフランスといったところか。
 4か月前、人生初めてのヨーロッパ旅行として、フランスを訪れた記憶がよみがえり、なんだか懐かしかった。

IMG_0973【2017.3.18】TGV車内にて

 放送はフランス語と、フランス語訛りのドイツ語と、フランス語訛りの英語でおこなわれた。フランス語訛りのドイツ語というのは初めて聞いたから、なんだか新鮮だった。

IMG_0977【2017.3.18】ストラスブール駅

 列車はしばらくすると、フランス国内に入る。ストラスブールを発車してからは、本当に速度が速い。
 530kmほどの距離を、2時間33分で移動する。平均速度は時速208kmほどにもなる。同じ高速鉄道とはいえ、ドイツのICEと比較すると、目が覚めるような速さだ。工業先進国の称号は、ドイツではなく、フランスに捧げたい(笑)

IMG_0981【2017.3.18】パリ東駅にて

 深夜のパリでは治安の心配もあって、貴重品などは上着のポケットに入れ、しっかりとチャックをしておく。パリ東駅や、パリ北駅は、ことさら治安が悪いのだ。そして、地下鉄駅構内で乗車券を購入する際、財布を出さなくても済むように、数ユーロの小銭はズボンのポケットに準備をしておいた。
 地下鉄駅の出入口では、どこの国からやってきた観光客たちだか分からないが、連れのうちのひとりが何かが見当たらないといいながら、焦燥した表情で、自分の旅行かばんとリュックサックの中をひっかきまわしていた。地下鉄のスリにでも、やられてしまったのだろうか。
 地下鉄の駅は相変わらず、しょんべんくさい。前の年の11月から、4か月ぶりに訪問するパリで、このような短い期間に、再び訪問することになるとは思いもよらなかったが、たった4か月では何も変わらない。
 予約しておいた、宿へと向かった。立地と価格で予約したゲストハウスだったが、韓国人オーナーのゲストハウスで、韓国語でたくさんのことが話せて便利だったし、フランスであるにもかかわらず、韓国と同様、土足厳禁のゲストハウスで室内が清潔に保たれているから、とてもよかった。

■Paranjib Guesthouse
 住所 : 23 Avenue Villemain, 14th arr., Paris, 75014
 料金 : ドミトリールームのベッド1台につき30ユーロ(約3900円)/泊


 ベルリン中央駅から、ドイツの高速鉄道ICEに乗車する。
 乗車した列車は、デュッセルドルフ(Düsseldorf)行きのICE848と、ケルン行きのICE858(Köln)が連結した16両編成の列車だった。

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【2017.3.18】車窓

 まず、1時間39分をかけて、ハノーファー駅(Hannover)へと向かう。

2017年3月英独仏

 250kmほどの距離を1時間39分かけて進むから、平均速度は152km/hほどとなる。
 東海道新幹線の「こだま」と「ひかり」の中間ほどの速度だ。
 
IMG_0869【2017.3.18】車窓

 速度はそれほど速くないが、乗り心地はよい。

IMG_0870【2017.3.18】車窓

 環境先進国ドイツらしく、風力発電機の中を走っていく。

IMG_0877【2017.3.18】車窓

 山岳地帯はなく、平原をつきっていく。

IMG_0900【2017.3.18】車窓

 田園地帯を通っていく。

IMG_0902【2017.3.18】車窓

 ベルリンのように、団地の建物ばかりということはない。

IMG_0909【2017.3.18】車窓

 途中、自動車を載せた貨物列車などとすれ違う。

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 そうしているうちに、ハノーファー駅に到着する。

IMG_0914【2017.3.18】ハノーファー駅にて

 なかなか、大きな駅だった。
 ハノーファーは人口50万人強の都市だそうだ。

IMG_0919【2017.3.18】ハノーファー駅にて

 郊外電車は、ハノーファーでも落書きだらけだった。

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 ハノーファー駅で、スイスのチューリッヒ(Zürich)行きのICE1279へと乗り換える。
 東から西へと進んでいたのが、高速鉄道を乗り換えて、北から南へとの移動に変わる。

IMG_0926【2017.3.18】車窓

 平原地帯を走っていたのが、丘陵地帯の走行へと変化する。

IMG_0931【2017.3.18】車窓

 ベルリンは沼地に発達した平べったい都市だったから、ドイツの丘陵地帯というのは、初めて見ることになった。ベルリンからパリまでの移動を航空機ではなく、あえて時間のかかる鉄道を選択したのは、ドイツ国土のさまざまな景色を楽しむことができるという点ではよかったと思う。

IMG_0939【2017.3.18】車窓

 いつか車窓に見える、かわいらしいドイツの村々を訪ねてみたいものだ。

IMG_0941【2017.3.18】車窓

 途中、ドイツ第5の都市である、フランクフルトを通る。

IMG_0949【2017.3.18】フランクフルトにて

 高層建築などが見えて、人口集積地帯であることが分かる。

IMG_0950【2017.3.18】フランクフルトにて

 ハノーファーを出発してから、3時間27分後に、カールスルーエ(Karlsruhe)駅に到着する。
 480~490kmほどの距離を、平均時速147kmほどで進む。やはりこれも、東海道新幹線の「こだま」と「ひかり」の中間ほどの速度だ。
 工業先進国ドイツが誇るICEは、たいして速くはない。ベルリンを午後1時49分に発車して、カールスルーエに到着したのは午後7時8分と、5時間19分が経過していた。すでに日が暮れていた。

IMG_0956【2017.3.18】カールスルーエにて

 カールスルーエはフランスとの国境に近い。ドイツ国内の駅ではあるが、フランスの高速鉄道であるTGVが乗り入れるため、当駅でICEからTGVへと乗り継ぐことができる。
 プラットフォームでTGVを待っていると、近くで日本人の若い女性たちが同じく、列車を待っているのを見かけた。大学の、卒業旅行でやってきた、そういう雰囲気だった。カールスルーエで日本人の旅行者とすれ違うとは思いもよらなかったが、特に話しかけたりはしなかった。


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