地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

カテゴリ: ドイツ

 トレップトアー・パーク(Treptower Park)へとやってくる。
 広い公園内には、ソビエトの戦争記念碑がある。

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【2017.3.17】戦争記念碑にて

 1945年4月16日から1945年5月8日までのベルリンの戦いにおいては、ドイツ軍とソビエト軍が交戦し、ドイツ軍に15万~17万人の死者、ドイツの民間人に15万人の死者、ソビエト軍に8万人の死者が出た。この記念碑は、ソビエト軍の8万人を追悼するために、1949年5月8日に除幕された。

IMG_0639【2017.3.17】戦争記念碑にて

 戦後、東ベルリンを占領した、ソ連の関与によって建てられたものでもある。

IMG_0641【2017.3.17】戦争記念碑にて

 共産主義のシンボルである、「鎌と槌」が刻まれている。

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【2017.3.17】戦争記念碑にて

 東西ドイツ統一は、西ドイツが東ドイツを飲みこむ形でおこなわれたが、未だに共産主義的なシンボルは残されている。
 僕は、韓国に住んでいた。その経験から言えば、もし朝鮮半島南北が韓国が北朝鮮を主導する形でおこなわれた場合、北朝鮮政府は国民を苦しめ続けた悪、非正義として位置づけられ、非民主的なものとしてそういったシンボルは消されていくものだ、そういう感覚を抱いている。
 しかし、ドイツではそういったものは案外、消されていない。

IMG_0645【2017.3.17】戦争記念碑にて

 友人にきく。
 
 僕 : 「西側諸国の価値観を共有しているはずのドイツでは、東側諸国のシンボルは忌まわしいものとみなされないのか」
 友人 : 「ドイツ国民の間では、東ドイツは壮大な実験であり、結果的に失敗に終わったが、ドイツの歴史の一つとして受け入れていて、抹消すべき過去だとは考えられていないように思う」
 僕 : 「この記念碑は今、ドイツ人にどう思われているのだろうか」
 友人 : 「人によって考えは違うだろうけれども、旧東ドイツの体制の正当性を見せるものというよりは、ナチス・ドイツの歴史に釘を刺すものという認識の方が強いと思う。ドイツ国民をナチス・ドイツから解放するために、ソビエト兵が果敢に戦ったのだと」

IMG_0649【2017.3.17】戦争記念碑にて

 東西ドイツと南北朝鮮は同じように見えて、ずいぶん違うのだと思う。

IMG_0651【2017.3.17】戦争記念碑にて

 碑の近くには、戦争集結から70年以上が経過した今でも、花などが捧げられている。

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【2017.3.17】戦争記念碑にて

 それにしても、東側諸国が設計する広場や記念碑は、どこでも威圧的だ。

IMG_0660【2017.3.17】戦争記念碑にて

 日が沈んでくる。

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【2017.3.17】戦争記念碑にて

 バスに乗って、夕食を食べにいくことにした。


 フランクフルト(オーダー)からベルリンへと戻る。

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【2017.3.17】列車内にて

 列車内で小一時間、居眠りをしていると、列車はベルリン市内に入っていた。

IMG_0577【2017.3.17】列車にて

 90kmの距離を小一時間で移動できるのだから、ベルリン首都圏の鉄道システムはよくできている。

IMG_0578【2017.3.17】乗換駅

 ベルリン・ヴァルシャウアーシュトラーセ(Warschauer Straße)駅を目指す。

IMG_0579【2017.3.17】Warschauer Straße駅にて

 ベルリンの壁に壁画が描かれている、イーストサイドギャラリーの最寄り駅でもある。

 #0997.ベルリンの壁・イーストサイドギャラリー訪問記 1
 #0998.ベルリンの壁・イーストサイドギャラリー訪問記 2
 #0999.ベルリンの壁・イーストサイドギャラリー訪問記 3

IMG_0580【2017.3.17】駅周辺

 南側へと歩いて行って、シュプレー川を渡る。

IMG_0582【2017.3.17】Schlesisches Tor駅周辺

 地下鉄Schlesisches Tor駅へとやってくる。

IMG_0583【2017.3.17】地下鉄Schlesisches Tor駅周辺

 このあたりはナイトクラブなど、若者向けのお店が多く連なるエリアだという。

IMG_0585【2017.3.17】地下鉄Schlesisches Tor駅周辺

 このあたりは昼間からお酒を飲んで歩いている人が多く、アルコール臭いこともある。

IMG_0586【2017.3.17】地下鉄Schlesisches Tor駅周辺

 若者は、ビール瓶を腰のポケットにさしたまま歩いていく。

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【2017.3.17】グルジア料理店

 グルジア料理店を見つける。2年前、グルジアを旅行したことが思い出される。
 まだ、お店は開いていなかった。

■Schwiliko Restaurant
 住所 : Schlesische Str. 29, 10997 Berlin
 営業時間 : 午後5時~深夜0時

IMG_0588【2017.3.17】運河

 運河を渡ると、そこにはコンサートホールがあった。

IMG_0590【2017.3.17】コンサートホール

 それはもともと川沿いの、工場や倉庫だった建物をコンサートホールやナイトクラブとして利用しているものだった。

IMG_0591【2017.3.17】コンサートホール

 なんだか、治安の悪そうな雰囲気だった。

IMG_0593【2017.3.17】コンサートホール

 本当に治安が悪いかと言えば、ただ治安が悪そうに見えるだけで、そうでもない。

IMG_0597【2017.3.17】コンサートホール周辺

 シュプレー川沿いへと出る。

IMG_0604【2017.3.17】シュプレー川

 シュプレー川に、芸術作品が立っている。

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【2017.3.17】シュプレー川

 友人はベルリンは、ヨーロッパの若い芸術家に好まれていると説明する。
 ドイツという大国の首都でありながら、ロンドンやパリと比較すると物価がずっと安く、居住費を低く抑えることができる、家賃は、シェアハウスなら、月4万円未満に抑えられる。そうはいっても、やはり首都であることから、交通の便はよく、交流人口も多い。ヨーロッパ最大の芸術大学もある。

IMG_0615【2017.3.17】シュプレー川

 落書きにお咎めなしの地域だから、そういった芸術性の発揮にも寛容である気もする。

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 橋と交わる。

IMG_0623【2017.3.17】シュプレー川

 次の目的地、トレップトアー・パーク(Treptower Park)を目指す。


 ポーランドのスウビツェ(Słubice)の街を後にし、ドイツのフランクフルト(オーダー)(Frankfurt(Order))へと戻ってくる。

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【2017.3.17】フランクフルト(オーダー)にて

 ぽつぽつと雨が降り始める。

IMG_0512【2017.3.17】オーダー川

 標識がそこが、ドイツであることを告げている。

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 黒と赤と黄色に彩色されている里程標もまた、そこがドイツであることを告げている。
 
IMG_0518【2017.3.17】オーダー川

 ドイツ側の方が、整然としている。

IMG_0527【2017.3.17】フランクフルト(オーダー)にて

 建物の塗装も、道路の舗装も整然としている。

IMG_0528【2017.3.17】オーダー川

 正直に言って、フランクフルト(オーダー)自体、ドイツの中ではどちらかといえば、経済的にそれほど裕福であるようには見えないが、それでもポーランド側のスウビツェ(Słubice)よりは、裕福に見える。

IMG_0531【2017.3.17】オーダー川

 しばらく国境を眺める。

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 フランクフルト(オーダー)は、スウビツェのように雑然とした印象を与えない。

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 ひときわ高い教会がある。

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【2017.3.17】フランクフルト(オーダー)にて

 その周りに、団地が立ち並ぶ。

IMG_0541【2017.3.17】フランクフルト(オーダー)にて

 また、川へと出る。

IMG_0547【2017.3.17】オーダー川

 ドイツは、国土の端にまで落書きがある。

IMG_0548【2017.3.17】フランクフルト(オーダー)にて

 フランクフルト(オーダー)側にも、管理の行き届いていないアパート団地はある。

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 歩いて、フランクフルト(オーダー)駅へと向かう。

IMG_0554【2017.3.17】フランクフルト(オーダー)にて

 市街は案外、起伏のあるところだ。

IMG_0556【2017.3.17】フランクフルト(オーダー)にて

 フランクフルト(オーダー)駅は、丘の上にある。

IMG_0557【2017.3.17】フランクフルト(オーダー)にて

 ここからまた、1時間強をかけて、ベルリン市内へと戻る。

IMG_0560【2017.3.17】フランクフルト(オーダー)駅周辺

 ベルリンからポーランドへの日帰り旅行は幕を閉じる。

IMG_0564【2017.3.17】フランクフルト(オーダー)駅

 列車はいよいよ出発するところだったから、写真を一枚撮って、飛び乗る。

IMG_0565【2017.3.17】フランクフルト(オーダー)駅にて

 次回は、ポーランドをベルリン旅行のついでに立ち寄るのではなく、主たる旅行の目的地として訪問したいものである。


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