地球の覗き方

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 成田空港から四川航空で成都へと向かうのは、 2016年5月に成都経由で雲南省麗江に向かった時、2016年9月に成都経由で新疆ウイグル自治区カシュガルに向かった時に次いで、これで3回目となる。

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【2017.11.15】成田空港にて

 今回は、東京からバンコクへと向かうのだが、経由地の中国・四川省で4泊をする。

IMG_6153【2017.11.15】搭乗券

 搭乗券の裏には、秋の九寨溝の風光明媚な自然景が印刷されている。
 今回の目的地は九寨溝ではなく、成都およびカンゼ・チベット族自治州の丹巴である。

IMG_6155【2017.11.15】四川航空

 四川航空の成田・成都線は就航した2016年1月以来、週4便で運行されていたが、11月6日より週3便に減便された。

IMG_6156【2017.11.15】四川航空

 やはり日本人の乗客は少なく、ほとんどが中国人だ。

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 1年ぶりに搭乗した四川航空には、日本語の自動放送が加わっていた。

IMG_6159【2017.11.15】東京上空にて

 離陸する。

IMG_6161【2017.11.15】東京上空にて

 東京を離れていく。

IMG_6165【2017.11.15】機内食

 離陸してからすぐに、機内食が出てくる。
 四川省に拠点を持つ四川航空らしく、辛味を乗せてくれる。

IMG_6168【2017.11.15】名古屋上空にて

 飛行時間は5時間20分である。

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 東京から成都に向かう時、上海あたりが大体の中間地点になる。成都は内陸の、奥の方にある都市なのだ。
 旅行先について全く把握していなかったから、旅行ガイドなどを読みながら、時間をつぶす。午前0時50分に到着し、翌朝、茶店子バスターミナルから丹巴行きのバスに乗ることにしていたのだが、公共交通のない深夜に空港からいかにしてバスターミナルに行き、バスターミナル周辺のホテルに宿泊し、数時間の睡眠の後、本当にバスに乗ることができるのか、心配だった。事前の情報によれば、成都から丹巴へと向かうバスは朝の2便に限られているというので、逃すわけにはいかなかった。

IMG_6177【2017.11.16】成都空港にて

 成都空港に到着する。雨が降っている。
 定刻から40分ほど遅延している。

IMG_6179【2017.11.16】成都空港にて

 結局、午前2時頃になってやっと空港を出ることができた。
 空港には一般のタクシーが見当たらなかった。ある、白タクのドライバーに話しかけられ、茶店子バスターミナルまで乗せてくれると言ってくる。しかし、提示してきた価格は150元(約2550円)である。たしかに23kmほどと距離は離れているのだが、高い。交渉の末、120元(約2040円)にまで下がった。それでも一般のタクシーよりも高い。しかし、疲れていたし、これ以上の交渉する余力はなかった。
 車は清潔で、よかった。渋滞のない、20分ほどの移動で、茶店子バスターミナルに到着する。白タクが泊まったところにちょうど「住宿」というプラカードを持った男がやってきて、1泊100元(約1700円)だとアピールしてくる。すでに午前2時半を回っていて、ホテルを探す元気がなかった。

 僕 : 「外国人は宿泊できますか」
 男 : 「パスポートあるだろう。登記できるよ」

 つたない中国語でやりとりをする。それから、彼の車に乗って、宿へと向かった。
 しかしその宿は、団地の一室を客室として使っている、外からは見つけることが難しい、そういう類の宿であって、外国人の宿泊が認められているきちんとした宿には見えなかった。彼らは、お金さえもらえれば、それでいいのだろう。(中国国内では許可の与えられた宿泊施設しか外国人の受け入れはできない)

IMG_6183【2017.11.16】客室

 あまり清潔とは言えず、これで100元というのは高かったが、宿を探す気力が無かったのだから仕方がない。成都特有の高湿度な空気の中で、清潔とは言えない宿で寝ては疲れもとれそうではなかったが、心配しても仕方がない。とにかく寝るのだ。しかし、何が、馬到成功(何かをはじめたとたん、たちまちに成功することをいう)だ。こんな宿を経営していては、成功も遠いだろうが(笑)
 午前3時になって、やっと就寝する。しかし、3時間半後には起床しなくてはならない。ハードな、旅の始まりだ。


 池袋へ、蘭州ラーメンを食べに行く。
 向かったのは「中国蘭州ラーメン火焔山蘭州拉麺」の池袋店だ。平日の夕方、店内の大部分の客は、中国人で、店員の応対も中国語である。(しかしその店員は、中国語が通じないと分かると、日本語に切り替えてはくれる)

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【2017.11.13】メニュー

 漢方入り蘭州ラーメン(980円)を注文する。
 醤油ラーメンや、味噌ラーメンもあったけれども、蘭州拉麺専門店なのだからこれを食べないわけにはいかない。ちなみに蘭州拉麺はイスラム教徒である回族の料理であるから、豚骨ラーメンはもちろん、存在し得ない。
 麺は店内で、手打ちで作っていて、その様子をカウンター席から見ることができる。屈強な男たちがバンバンと、生地を手で打っている。気になるのは彼がマスクをすることなく、中国北方特有の大きな声で、厨房にいる他の料理人と雑談をしながら、生地を打っていたという点である。唾しぶきのいくらかは、きっと生地に入りこんでいるはずなのだけれども、そういうことを気にしていたらきっと、何も食べられなくなる。
 蘭州ラーメンが出てくる。

IMG_6138【2017.11.13】蘭州拉麺

 手打ちのもちもちした麺がおいしい。麺に、訪問価値があると思う。
 それから、羊肉串も注文する。

IMG_6144【2017.11.13】羊肉串

 かつて西安やウイグルで食べたもののように、スパイスがたっぷりついていて、現地のものと変わらない。
 現地と違うことがあるとすれば、お店が妙に清潔で、照明が明るいことだ。それだけは、中国の街角の古びたお店とは違う。

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 ちなみに店内では、ビールなどの酒類も提供される。イスラム教徒である回族の料理店で、アルコールを提供するというのはなんだかおかしかったけれども、酒類は利益率も高いというし、東京で飲食店を成立させるには仕方ないのだと思う。

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【2017.11.13】蘭州拉麺・火焔山にて

 慌ただしく、あまり長居できる雰囲気のお店ではなかったから、食事を終えて、すぐに出た。
 なおこの店舗は、もともと西川口にあるお店の系列店だという。

■中国蘭州ラーメン火焔山蘭州拉麺
 住所 : 東京都豊島区池袋2-47-7 フォーレセブンビル 1F
 営業時間 : 午前11時~午後3時, 午後5時~午後11時(ラストオーダー午後10時半)


 2017年4月からタイで働き始めて、7か月目となる。その間で2回目の一時帰国だ。
 昼間はいつも30度を超えるような地域に住んでいるから、昼間にも14度までしか上がらない、秋の東京の気温におどろく。30度まで上がっても汗をかかないような、そういう体質になってしまったものだから、寒さには弱くなっているはずだった。

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【2017.11.12】駒沢公園にて

 バンコクははっきりとした「秋」を感じられる地域ではないから、秋らしい秋の景色がつい嬉しくなってしまう。

IMG_5924【2017.11.12】駒沢公園にて

 日本に住んでいてはおそらく、写真に収めなかったであろう秋の景色を撮る。

IMG_5929【2017.11.12】駒沢公園にて
 
 しかしその嬉しさもつかの間で、晩秋の物寂しさととってかわる。

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 こういう物寂しさは、バンコクにはないと思う。

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 秋の花は美しい。しかし、すぐに冷たい冬がやってきて枯れてしまう。そういう予感をまとっている。美しさは決して長く続くものではないのだ。

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 そういう「無常観」といったものを、バンコクで感じる機会はあまりないのではないだろうか。

IMG_5934【2017.11.12】駒沢公園にて

 東京と比較すれば、バンコクはいつも明るくて、楽観的なところだと思う。

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 気候が異なるところに住めば、経験する感情も異なる。

IMG_5937【2017.11.12】駒沢公園にて

 僕にとってはバンコクの方が、精神的に穏やかに暮らせると思う(笑)

IMG_5939【2017.11.12】駒沢公園にて

 日が暮れるのも早い。

IMG_5947【2017.11.12】駒沢公園にて

 赤色に、黄色に染まったケヤキの葉が散っていく。

IMG_5950【2017.11.12】駒沢公園にて

 晩秋に一時帰国をして、しばらく忘れていた感情がふとよみがえったのであった。


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