地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

カテゴリ: 日本

 京都の町の中を歩いていく。

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【2017.8.18】京都にて

 それにしても、外国人観光客が増えた。

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 和装をレンタルして、街の中を歩いたり、写真を撮ってみたりすることがはやっているようだった。

IMG_3823【2017.8.18】槿の花

 これは、槿の花だ。

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 清水寺へと向かって、上っていく。

IMG_3821【2017.8.18】朝顔

 朝顔の花が咲いている。

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 清水寺へとやってくる。

IMG_3837【2017.8.18】清水寺にて

 久しぶりに、やってきた。

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 空の半分は晴れていて、残り半分には薄灰色の雲がたちこめていた。

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 400円の入場料を支払って、中へと入る。

IMG_3845【2017.8.18】清水寺にて

 清水寺の本堂は、1964年~1967年以来50年ぶりに、改修工事に入っている。2020年までの3年の工期が設けられている。50年に一回の周期でおこなわれるとすると、本堂の改修はそうそう、見られるものではない。
 足場が、木や竹で組まれている。一般的に傾斜が一様ではない自然の傾斜地では、金属の足場よりは、こういった素材で組んだ足場の方が使い勝手がいいという。しかし、日本のさまざまな建築現場で金属の足場が広く使われるようになった今、こういった木や竹組みの足場を組む技術は貴重であるに違いない。それでも、今にもそういう技術がしっかりと受け継がれていて、それが目の前に現れているのだから、京都という都市は、すごい都市だと思う。

IMG_3843【2017.8.18】清水寺にて

 用事は清水寺にあるのではなく、その境内にある、地主神社(じしゅじんじゃ)という縁結びの神社にあった。ついさっきは縁切り神社にいたのに、今は縁結びの神社に来ているのだから、なんだか、忙しい(笑)
 (参考 : #0975.縁切り神社「安井金比羅宮」の絵馬が世の中の歪みを映し出していた)

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 京都市内を一望する。

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 それから、改修中の境内を見る。

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 清水寺をあとにするころには、また朝と同じように、雨が降り始めた。

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 向こうの空は晴れているのに、びしょびしょに濡れてしまう。

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【2017.8.18】京都にて

 京都は、天気がうつろいやすいところという印象がある。
 かつて冬に来た時は、1日の間に、雨、晴れ、曇り、雪の全てを経験したこともある。

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 それでも歩いているとまた、晴れてきた。

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 京都駅へと至る。

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【2017.8.18】京都駅前

 すっかりと晴れた。

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 ここから、関西国際空港へと向かう。

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【2017.8.18】京都駅ビル

 関西国際空港からは、バンコクへと向かう。1週間の夏季休暇が終わり、また、バンコクで働く日々がやって来る。
 果たして、清水寺の本堂の改修工事が終わるのと、僕がバンコクから完全に引き上げるのと、どちらが早いだろうか、そういうことを考えながら、関西国際空港へと向かった。


 京都・祇園の花街に、安井金比羅宮(やすいこんぴらぐう)という神社がある。

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【2017.8.18】安井金比羅宮にて

 この神社は「縁結び」ならぬ「縁切り」で有名なのだそうだ。

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 鳥居に「悪縁を切り良縁を結ぶ祈願所」と書いてある。

IMG_3794【2017.8.18】ラブホテル

 参道を進んでいくと、ラブホテルがある。1時間の休憩が3000円で、午後10時以降の宿泊が7500円だそうだ。京都中心部にありながら、宿泊費は安い。なぜ、縁切り神社の境内にラブホテルがあるのかは分からない。

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 たくさんの人で、賑わっている。

IMG_3798【2017.8.18】安井金比羅宮にて

 あの円形の輪を表から裏へとくぐりぬけ、それから裏から表へとくぐりぬけて戻ってくると、悪縁を断ち切ることができるという。僕は、特に切りたい縁などなかったから、何もしなかった。

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 この神社は絵馬がとても印象的だった。

IMG_3800【2017.8.18】絵馬

 そこには、他の神社ではとても見ることのできない絵馬が並んでいた。

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 ブラック企業との縁が切れることや、病気との縁が切れることなどを願う絵馬もあり、なるほど、そういう利用の仕方もあるのかと思わせられた。

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 「緑」と「縁」の漢字を書き間違えた絵馬が散見された。

IMG_3806【2017.8.18】絵馬

 人間はさまざまな悩みを心に秘めて、生きているものである。

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 絵馬を見に来るために、訪れる価値がある。

IMG_3813【2017.8.18】絵馬

 このような絵馬の中で、韓国人のカップルが、

 ジョンヒとユジョンの初めての海外旅行。 いつもお互いを配慮して、幸せでいましょう♡ ジョンヒがよいところに就職できますように。
 ユジョン&ジョンヒ 幸せなことだけがおこりますように。 今のような笑顔を失いませんように。 二人とも成功してお金持ちになりいますように!

 だなんて、浮ついたことを書いている。
 なぜあなたたちは、この神社にやってきたのか。いくら日本語が読めないからといっても、よりによってなぜこの神社なのか。

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 世の中は、歪んでいる。

IMG_3817【2017.8.18】絵馬

 時々、乱暴な言葉を見ると、心が痛む。
 神様はそういう願いを果たして、叶えてあげようと思うだろうか。

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 今思えば、自分のことは祈願しなくても、友人がブラックな企業文化から救い出されますようにだとか、そういうことを願ってきてやればよかったと思う。


 京都にやってくるのは、2016年5月以来1年3か月ぶりだった。
 横浜駅から高速バスに乗り、京都駅八条口へと向かう。滋賀県内から京都府内にかけて、大雨による速度制限がかかっていたけれども、約7時間で到着することができた。
 しばらく強い雨に見舞われていたけれども、カフェで朝食を食べながら待っていると、雨はやみ、晴れ間が見えるようになった。

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【2017.8.18】京都駅

 10年も前の話になるが高校3年生の時は、東京に住みながら、かつては京都の大学に進学することも考えていた。

IMG_3746【2017.8.18】七条通

 しかし、それはただ「京都に住んでみたい」という気持ちが先立っていて、何を勉強するために京都に行きたいのかという点についてなんら説明ができていなかったから、東京をあえて出て京都に行くということについて、親や教師を説得させることはできなかった。

IMG_3749【2017.8.18】七条通

 心の中では当時、どうせ「大学で何を学びたいか」という意識がないのだから、それだったら、東京でも京都でも変わらないではないかという気持ちはあったのだけれども、親や教師に「東京にもいい大学がある」と言われれば、その考え方をのまざるを得なかった。

IMG_3751【2017.8.18】堀川通

 当時はなぜ、京都に憧れていたのだろう。

IMG_3753【2017.8.18】槿の花

 家族旅行や修学旅行、部活動の表彰式で訪れたことのある京都の街の雰囲気が好きだったということ、それは正しい。

IMG_3758【2017.8.18】京都市内にて

 東京のようなひどい通勤ラッシュはなさそうだったし、環境もよさそうだった。

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 しかし、それよりももっと重要だったのが、家から離れて自由になりたい、そういう気持ちが強かった。

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 両親の目をうかがう、そういう癖があったから、東京にいたら、大学生活が不自由になるのではないかと思った。

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 京都は、そういう自由の受け皿としてよさそうだった。

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 いろいろな妄想ができた。

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 苦しい通勤電車ではなく、古都をかろやかに自転車で通学してみたい。

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 週末は、寺院に癒されに行きたい。

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 鴨川でデートもしてみたい。

IMG_3782【2017.8.18】鴨川

 そして、夜遅くに帰宅したからといって、誰にも何も思われない。

IMG_3784【2017.8.18】セブンイレブン

 アルバイトも自分のやってみたいことをやってみる。その職種について、何か、口を挟まれることもない。そういう自由が欲しくて、京都はそういう妄想の受け皿として、よかった。 
 しかし、親や教師のいう言葉を「絶対的なもの」として飲みこみがちだった僕は、当時、その妄想を現実のものに変えていくことはできなかった。妄想はあくまでも、妄想のままだった。 
今も京都にやって来ると、そういうことを考えていた高校時代のことを思い出す。
 それから4年が経ち、大学4年生になると「次こそは」という気持ちを自然と抱くようになった。当時の妄想の対象は、韓国・ソウルだった。韓国へ留学をすることを考えた。それについては周囲の人がみな積極的支持を示したわけではなく、「突飛な考え」と思われることも少なくなかったのだが、東京にいて東日本大震災を経験し、「願望を心の中に秘めたまま死んでは、人生とは一体何なのか」という思いを強く、結局、実現させたのだった。韓国での生活は、決してたやすくはなかったけれども、人の縁に恵まれて、とてもよい経験をすることができた。
 思えば僕は、自分の将来のことを考える時、都市のイメージを借りて考えることが多い。そう思う。


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