地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

カテゴリ: 韓国

 2017年1月19日から1月22日まで、韓国を訪問した。(19日の夜から21日の夕方までは、知り合いの日本語学校関係者の韓国行きに同行するというものだったから、自由に行動をする時間はあまりなかったが)
 19日の深夜に、羽田空港を離陸し、仁川空港へと向かうPeachのMM1009便を利用する。終電を利用し、羽田空港へと到着する。

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【2017.1.19】深夜の羽田空港

 深夜にも、それなりに人がいる。

IMG_4431【2017.1.19】深夜の羽田空港

 羽田空港でのPeachのチェックインは、ANAの職員によって行われていた。

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 午前1時55分に、羽田空港を離陸する。日本人の利用と、韓国人の利用が半々程度であったと思う。
 午前4時35分に到着する予定であったが、予定より17分早い、午前4時18分に到着する。この日、仁川空港に到着する最初の便となった。まだ空港に旅客がいなかったからか、入国審査台は混雑することもなく、すぐに通過できた。また、気温は氷点下3度ほどと、ひどく寒くはなかったのは、幸運だった。
 羽田空港を利用できる、Peachの深夜便は便利ではあるが、午前4時台に到着してしまうのではいささか早すぎる。仮眠をとろうと思い、24時間営業の弘大(홍대)のチムジルバン(찜질방)であるU CITY SPA(유시티불가마)を利用することにした。2015年に開業した、比較的新しい、チムジルバンだ。
 空港鉄道のソウル方面の始発列車は、午前5時23分に出発する。MM1009便を利用すれば、この列車に乗ることができる。それからは約10分間隔で、列車が発車する。
 弘大入口(홍대입구)駅には、約50分で到着する。

IMG_4438【2017.1.19】チムジルバン

 午前6時20分頃だったが、まだ日が昇っていない。チムジルバンは写真左側の1階にスターバックスが入居しているビルの中にある。4番出口から、徒歩2分である。チムジルバンの入口へは、ビルの正面ではなく左側から入る。エレベーターに乗って、地下2階のボタンを押す。そこに、受付がある。チムジルバンには、裸で入る大浴場、サウナ、仮眠室が備わっている。
 料金は、

 平日(6:00~21:00) : 8000ウォン(約800円)
 平日深夜(21:00~6:00) : 10000ウォン(約1000円)
 休日(6:00~21:00) : 8000ウォン(約800円)
 休日深夜(21:00~6:00) : 12000ウォン(約1200円)

 となっている。なお、大浴場だけの利用の場合では、6:00~21:00では1000ウォン、21:00~6:00では2000ウォン割引される。
 大浴場で体を洗い、専用の服に着替えて、仮眠室へと入る。
 男性の場合、韓国の大浴場では前をタオルで隠すようなことはしない。女性のことはよく分からない。歯ブラシや髭剃りは用意されていて、大浴場で利用できる。日本のスーパー銭湯と仕組みはあまり変わらないから、戸惑うことはないと思う。日本のスーパー銭湯を利用する時と同じマナー、つまり、浴槽にタオルをいれないだとか、浴槽で髪を洗わないといったマナーを守っていれば、問題は起こらない。
 浴槽のお湯は、午前6時でちょうどお湯を入れ替える前だったから、あまり清潔とは言えなかった。入れてから時間経っていたのか、ぬるめでもあったから、入らなかった。
 大浴場で若い男の人が、全裸のまま眠りこけていたのだが、利用客も従業員もこれといって気にかけていなかったのは韓国らしかった。おそらく、お酒を飲んでからやってきて、気分がよくなってそのまま寝てしまったのだろう。羞恥心はともかく、風邪をひかなければよいけれども(笑)
 仮眠室は、足の踏み場もないほど、たくさんの人がいた。学生たちは冬休みで、深夜まで弘大で遊んでいたのだろう。お酒を飲んで、眠くなってしまったら、チムジルバンはひと眠りするのにちょうどよい。
 人がおおくて窮屈だったから、それこそ仮眠しかできず、深くは眠れなかった。

IMG_4444【2017.1.19】U CITY SPA

 友人と、昼食をとる約束をしていたから、しばらくして起き上がった。

IMG_4446【2017.1.19】U CITY SPA

 人が多かったことが、残念だった。
 「どこでも寝られる」という神経の図太い人でないのならば、睡眠をとることを目的に来るのは賢明なアイデアではないだろう。
 
■U CITY SPA(유시티불가마)
 住所 : ソウル特別市西大門區滄川洞510-2地下2階(서울특별시 서대문구 창천동 510-2 지하 2층)
 弘大入口(홍대입구)駅4番出口から徒歩2分


 仁川空港を離陸してから、7時間ほどの時間が経過したころに、軽食が配布される。

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【2016.11.18】軽食

 ソウル時間では午後7時過ぎで、パリ時間では午前11時過ぎだった。

IMG_6926【2016.11.18】軽食

 とにかくロシアは長い。いつになったら、ロシアの領域を出るのだろう。

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 本を読んだり、「就航地案内」などを読みながら、時間をつぶす。「日本」を表示させてみたところ、サハリンが日本として表示されていて、笑ってしまった。サハリンが日本の領土だったのは、1945年までの話だ。
 仁川空港を出発してから9時間以上が経過してやっと、航空機はロシアを抜け、エストニアのナルヴァ(Narva)という都市の上空へと入った。 
 仁川空港を出発してから10時間後、到着まで残り約2時間を残したところで、2回目の機内食が出てきた。

IMG_6933【2016.11.18】機内食

 至極普通の、機内食である。近くにベジタリアンのアメリカ人家族が座っていた。彼らはベジタリアン用の特別の機内食をもらっていたが、量が多くて食べられないからと、サラダやフルーツそれから、パンやケーキなどを分けてもらい、お腹がいっぱいになってしまった。
 エストニアから、デンマークのコペンハーゲン上空、それからドイツのハンブルク、ベルギーのブリュッセルの上空を通過し、ようやく、着陸態勢に入る。まだ午後5時前だったが、フランスはもう、日が暮れ始めていた。穀倉地帯で、丘陵地帯のところどころに、黄金色に染まったポプラの木が立っている。ほのかに紫がかった空の色と相まって、幻想的な風景を醸し出していた。

IMG_6935【2016.11.18】シャルル・ド・ゴール空港にて

 それにしても、12時間を超えるフライトは楽ではなかった。

IMG_6937【2016.11.18】シャルル・ド・ゴール空港にて

 シャルル・ド・ゴール空港はデザインに凝っていて、なかなか「おしゃれ」という印象だったが、使い勝手はあまりよくなかった。標識が不親切で、入国審査場がどこにあるのかよく分からない。職員にきいても、指をさすだけで態度がよいとは言えない。入国審査場は、10ほどのゲートがあったと思うけれども、3つか4つのゲートにしか入国審査官がいなくて、利用客を小一時間立ったまま待たせる。フランスへの入国の際には、記入が義務付けられている書類はないが、そういう手間が省けるのだとしても、ひどい。WiFiは無料で利用できるから、空港に迎えに来てくれている友人にしきりに、「この入国審査はひどい」と不満のメッセージを送りつける。そして、イスタンブールから、伝統音楽の公演のためにやってきたというクルド人のおじさんと話しながら、時間をつぶす。

IMG_6942【2016.11.18】シャルル・ド・ゴール空港

 ようやく荷物を引き取った時には、着陸してから、1時間以上の時間が経過していた。
 空港は、外国人観光客にとってはその国の第一印象を左右する重要なところだと思うのだが、なぜ気が利かないのだろう。

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 【2016.11.18】パリへようこそ

 空港には、日本語や中国語でも、「パリへようこそ」 と書いてある。
 なお、シャルル・ド・ゴール空港内の標識は多くが、フランス語・英語・中国語(簡体字)の三言語表記だった。ヨーロッパの空港にも中国語表記があるとは。おそるべし、世界における中国の存在感である。


 アシアナ航空501便に搭乗する。

フランス旅行(広域)

 仁川空港を12時35分に出発し、シャルル・ド・ゴール空港に12時間25分後の17時ちょうどに到着する。

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 乗客の大半は、韓国人のようだった。

IMG_6915【2016.11.18】仁川空港にて

 今まで乗った最長のフライトと言えば、2015年8月に搭乗したクアラルンプール発イスタンブール行きの10時間45分のフライトだったからそれよりも長い。

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 それだけ長い時間、飛行機に缶詰にされていなくてはならないと思うとうんざりする。しかし、たまたま横が空席だったから、それはラッキーだった。もともと、その席には、他の乗客がいたのだが、ツアーでやってきているのに他のツアー客と席が離れ離れになってしまったから、一緒に座れるように席を変更してほしいと乗務員に訴えたところ、座席を変更することに成功したのだった。そうすると、近くで別の若い女性の乗客が、「搭乗後に席を変えるだなんて…。事故が起こった時、どうするんですか。なぜ席の変更を認めるんですか。乗客名簿にあるはずの乗客の位置と、実際の乗客の位置が違っては…」などと、乗務員に向かってながながと不平を訴えていたが、世の中には、さまざまな種類の苦情をいう人たちがいるものである。
 搭乗してから、1時間ほどして、1回目の機内食が出てくる。

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 なんと、サムパプ(쌈밥)が出てきた。

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 サムパプは無理矢理、日本語に翻訳するならば、「包み飯」である。つまり、野菜の葉っぱに、肉やご飯、キムチなどを包んで食べるものである。
 
IMG_6920【2016.11.18】サムパプ

 野菜の葉っぱは案外、いろいろな野菜がセットになっていて、なかなか面白い。航空機にいながら、野菜がしっかり摂取できるのも、嬉しい。れっきとした、サムパプ(쌈밥)なのである。

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 ただ、不平不満があるとしたら、ご飯がかぴかぴに乾いていたことで、それだけは残念だった。

IMG_6924【2016.11.18】サムパプ

 しかし、機内食としてこういった各国の特色あふれる食べ物を経験できるということは、いいことだと思う。食事をしてからは、読書などしながら過ごす。
 飛行機は、仁川空港を離陸してから、北朝鮮を避けながら、天津、北京、中国東北部、モンゴルのウランバートル付近、それからロシアのクラスノヤルスクのあたりを通過して、西へ西へとシベリアを進んでいくのだった。


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