地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

カテゴリ: タイ

 東京・バンコク間は運航便も多く、競争が熾烈なだけ、低価格の航空券が比較的、求めやすい区間である。閑散期であれば、タイ・エアアジアXやScootといったLCCの直行便の往復航空券を2万円台半ばで購入することは難しくない。それは、東京と大阪の間を新幹線のぞみ号で往復する価格(28900円)よりも低価格で往復できるということだから、とても安いといえる。
 2万円台半ばよりもさらに安い、1万円台の同区間の往復航空券、つまり東京からバンコクまでの片道1万円以下の航空券となるとこれはなかなか見つけることが難しい。しかし3月のある日、サプライス(http://www.surpricenow.com/flights/search/search.aspx)で、タイでは雨季にあたる7月の、タイ・エアアジアXの6泊7日の東京・バンコク間の往復航空券がたまたま18620円で販売されているのを見つけ、これを衝動買いをした。

ThaiAirAsiaX

 タイは2015年5月以来、1年2か月ぶり、2回目の訪問である。1回目の訪問でタイに関心が生じ、それ以降、少しながらではあるがタイ語をかりかじっていたから、安い航空券さえ見つけられれば、常に行きたいデスティネーションではあったので、ちょうどよかった。
 ちなみにこの往復18620円、つまり片道9310円の航空券は、手荷物を預けることのできない航空券である。つまり手荷物は機内に持ち込まなくてはならないが、持ち込めるものは、

・7kg以下の手荷物
・ノートパソコンとその付属品が入ったノートパソコン用バッグまたはハンドバッグのうち一つ

 以上、ふたつということになる。
 本などのかさばらないが重量のあるものは、ノートパソコン用のバッグにノートパソコンと一緒に無理矢理詰込み、メインのかばんの重さをなんとか減らしてみたが、成田空港でのチェックイン時にしっかりと測られ、6.8kgという数字が出てきてしまったので、6泊7日の旅行をするのには比較的、シビアな数字ではあると思う。
 しかし上の規定にはややあいまいなところがあって、「巨大なハンドバッグ」というものがあったとしたらそれは、どういう扱いになるのかわからない。

ThaiAirAsiaX

 XJ601便。
 使用機材はエアバスA330-300型機である。

IMG_0685【2016.7.6】成田空港にて

 成田空港内で事前に飲み物と軽食を購入し、機内へと乗り込む。機内は6割ほどを日本人が占めている。日本人以外よりも、日本人の方が多い国際線に乗るのは久しぶりだと思う。
 フルコストキャリアでは、2-4-2の8列座席であろう空間に、3-3-3の9列の座席が詰め込まれている。座席と座席の前後の感覚に関してはさほど狭いように思われなかったが、いかんせん、横幅は狭い。飛行時間は6時間半程度なので、耐えられないということはないが。
 タイ・エアアジアXはLCCであるため、機内に映画などのサービスではない。そのため、機内では読書をしたり、ノートパソコンでBOOK OFFで500円で買った映画DVDなどを鑑賞しながら時間を過ごす。機内に乗る前に、BOOK OFFの中古のDVDを用意しておくということは初めての試みだったが、これは暇つぶしとして案外、有効であった。入国カードを記入し、それから少しばかりの間、目を閉じていると、もうそこはバンコクなのである。

IMG_0686【2016.7.6】ドンムアン空港にて

 バンコクのドンムアン空港に着陸する。
 空港の冷房がやたらと効いていてやたらと寒い。

IMG_0687【2016.7.6】ドンムアン空港にて

 しかし天候自体は、7月の東京にしろ、バンコクにしろどちらもじめじめと蒸し暑いという点ではあまり変わらないようだった。
 それにしても、たったの9310円で、バンコクに来ることに成功してしまうとは。

2016年7月 タイ北部6泊7日
次の旅行記:#0380.バンコク・ドンムアン空港での両替について



 5泊6日のバンコク・アユタヤ旅行。最後の晩餐はちょっと高級なものを。アユタヤから戻ってきて、バンコクで落ち合ったタイ人の友人が連れて行ってくれたのは、チャオプラヤー川沿いのレストランだった。ライトアップされた暁の寺、ワット・アルン(วัดอรุณฯ)の夜景が美しいレストランである。

IMG_3495
【2015.5.12】レストランからの夜景

 タイの料理についてはあまり知識がなかったので、友人が代わりにすべてを注文してくれた。もち米(ข้าวเหนียว)の料理が出てきたので、北部地方の料理だと分かった。北部ではもち米を食べるということは、たまたま知っていた。

僕「これ、チェンマイほう方の料理ですか」
友人「そうだよ。こういうタイ料理もいいでしょ」

 今回の旅行では、バンコクとアユタヤ、タイの中部地方しか回れなかった、僕のために気をきかせてくれたのだろうか。おいしかった。タイの料理はなんでもおいしい。やはり、美食の国である。露店にしろ、レストランにしろ、満足できるものばかりであった。
 もし、問題があるとすれば、「露店にしろ、レストランにしろ」という部分にあるかもしれない。正直なところ、露店とレストランで提供される料理の間に、その値段の差ほど味に差がないように感じられたのである。屋台の料理を持ってきて、それをきれいなお皿に、きれいに盛り付けて、よいインテリアの、よい雰囲気の空間で提供するだけで、3倍、4倍の値段をつけられるのではないかという考えがふとよぎる。たしかに、衛生面での安全性は担保されるのかもしれないが。いや、分からない。そう結論付けられるほど、タイ料理を食べていない。この疑念については今後、検討をすすめなくてはならない。

IMG_3512
【2015.5.12】カオニャオ・マムアン(ข้าวเหนียวมะม่วง)

 このレストランでは、今回のバンコク・アユタヤ旅行でもっとも印象的だった食べ物が登場した。それは、デザートとして登場した。その名は、カオニャオ・マムアン(ข้าวเหนียวมะม่วง)だ!ココナッツで炊いたもち米に、ココナッツミルクをかけ、それをマンゴーと一緒にほおばる、というものである。友人は「もち米をデザートとして提供するなんて、外国人にとっては驚きだろ」というのだが、日本にも「おはぎ」がある。
 口に入れた瞬間、その絶妙なハーモニーに衝撃を受ける。その食感、その味。もち米のもちもち感に、マンゴーのジューシー感。もち米とマンゴーとココナッツミルクの3種の甘味の融合に、マンゴーの酸味のアクセント。そして、ほのかに温かいもち米と、ほのかに冷たいマンゴーの交錯。全てが完成している。神が降臨した。
 タイは美食の国ではあるが、旅行の5日間、非常に印象的という評価を与えようと思えるものにも出会えなかった。海外旅行に行けば、たいてい、一度くらいは想像を超越するような、非常に印象的な食事に出会えるものだが、タイではそれがなかなか登場してくれず、まだかまだかと、半ばあきらめていたのだが、ついに出会えた。やはり、タイの仏さまは微笑んでくださった。

IMG_3516【2015.5.12】ワット・ポー(วัดโพธิ์)

 店をでると、目の前には ワット・ポー(วัดโพธิ์)が浮かび上がっていた。

---------- 

 日本に帰国後、あのカオニャオ・マムアン(ข้าวเหนียวมะม่วง)の味が忘れられず、新大久保にある「クンメー」というお店に、食べに行った。タイ王国の商務省商務大臣よりThaiSelectを受賞しており、本場のタイ料理を味わえるお店として認定されているそうなのだが、少なくとも、カオニャオ・マムアンは本場の味とは言えなかった。特に、マンゴーがダメだった。タイ産のマンゴーは日本へと船便で輸送する際、青く未熟な状態で収穫し、のちに追熟させるそうなのだが、どうやらこの部分に問題があるようだ。残念ながら、この輸入マンゴーでは、甘味と酸味の奇跡のハーモニーを奏でることはできないようだ。やはり、本場の味は本場でしか味わえない。



↑このページのトップヘ