地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

カテゴリ: 台湾

 朝ごはんを食べに行く。新北市板橋区在住の友人と、新北市板橋区の若者に最も人気があるという朝ごはん屋さん「好初早餐」の支店、「好初早餐DeˇLi」に行く。MRT板橋駅から徒歩8分程度の入り組んだ住宅街の中という、必ずしも行きやすいとはいえない立地ではあるが、店はたくさんのお客さんで賑わっていた、客待ち名簿に名前を記入して呼ばれるまで待たなくてはならなかった。

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【2016.4.27】好初早餐DeˇLi

 早餐、つまり朝ごはん屋さんではあるが営業時間は午前8時以降(午後4時まで)とあることを考えるとどちらかと言えば、ブランチ屋さんだと思う。午前11時にお店についた僕らも、ブランチということになる。

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【2016.4.27】店内

 メニューは、咖喱(カレー)、吐司(トースト)、厚押餅(ホットサンド)、沙拉(サラダ)、吧給(バゲット)、漢堡(ハンバーガー)や、飲み物類がある。
 メニュー名には遊び心が見られる。例えばサラダには「女朋友的沙拉(彼女のサラダ)」という気になる名前のメニューがあるのだが、これは一体どんなサラダなのだろう。結局、注文しなかったが。
 お腹が空いていたから、二品注文してしまった。まずは「首爾辣炒豚肉吧給(ソウル豚キムチバゲット)」!90TWD(約300円)。

IMG_6961【2016.4.27】首爾辣炒豚肉吧給

 4月の本店推薦メニューだった首爾辣炒豚肉吧給。

IMG_6969【2016.4.27】首爾辣炒豚肉吧給

 キムチも入っている。台湾では、韓国料理がどのように解釈され、どのような味になるのかという興味本位から注文したメニューでもある。おいしかったけれども、台湾でも辛さが控えめになり、キムチ特有の酸味なども抑えられる傾向があるようである。こういった傾向は、日本における韓国料理でも見られる傾向でもある。
 それから、ホットサンドを食べる。まずは友人が注文した、「九層塔培根厚押餅(バジルとベーコンのホットサンド)」。70TWD(約230円)。

IMG_6963【2016.4.27】九層塔培根厚押餅(バジルとベーコンのホットサンド)

 僕が注文したのは、「浪漫鮭魚厚押餅(ロマンの鮭のホットサンド)」!85TWD(約280円)。

IMG_6964【2016.4.27】ホットサンド

 具だくさんでジューシーでおいしい。なかなかのボリュームで、朝ごはんとしては贅沢な一品ということになる。実は僕、朝食はパン派かご飯派と言えば、根っからのご飯派である。パンの乾燥している感じをあまり好きになれない僕ではあるが、ホットサンドにすると具材の水分がパンへと染み出て、パンをほどよく湿らせてくれるので、これは好きだ。正直に言えば友人から主にパンを提供するお店だと聞かされて、このお店に来ること自体、あまり気乗りがしていなかったのだが、一応、人気店だからと何か理由があるのだろうとついて行ってみたところ、いい意味で期待を裏切ってくれたわけだ。次回の訪台時には、他のメニューに挑戦してみたいと思う。
 お店を出ると、天気がよくなっていた。(しかし、すぐに曇天に戻る。)

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【2016.4.27】好初早餐DeˇLi周辺の街並み

 ちなみに、店内は常に人で溢れ人々の話声でとても騒がしいので、ゆっくりくつろげるという雰囲気ではなかった。この若い人たちは午前中から、よくもこれだけの爆弾トークを繰り広げることができるものだ。僕は午前中はきまって頭がぼうっとしていて、人に会う気にもなれなれずおしゃべりも大して弾まないので、不思議に思った。

■好初早餐DeˇLi
住所:新北市板橋建國街118號
MRT板橋駅から徒歩8分
営業時間:午前8時~午後4時

 なお、好初早餐DeˇLiの本店である「好初早餐」は、新北市板橋區文化路2段125巷70號にあり、MRT江子翠駅から徒歩3分の距離にある。


 中高一貫校に通っていたころ、同じ部活の先輩だったK先輩が現在、研究員として台北に住んでいる。K先輩に会うことにした。K氏とは珈琲店で出会った。何年ぶりだろう。二人で考えたが、分かりそうもなかったから、ふたりで考えるのをやめた。7年ぶりかあるいは、8年ぶりと言ったところだろうか。
 学年でいうと3つほどの差がある。僕が中学2年生だった時、K氏は高校2年生だったので、当時の僕にとっては年齢が離れていいて話しかけにくい先輩という印象であったが、26歳と29歳になって出会ってみるとそういう壁のようなものはもはや感じられないのである。中学校や高校特有の、学年がひとつ違うだけでもれっきとした先輩、後輩の関係で、話す時は「ですます調」という習慣は、今思うと一体何だったんだろう。ああいう文化的習慣は、年齢、学年を超えた交友関係の発展の可能性を阻害していたと思う。
 まずは艋舺(ばんか)夜市で夕食とする。「兩喜號魷魚羹」は1921年創業という、長い歴史を持つ。魷魚羹(イカのとろみスープ)を注文する。

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【2016.4.26】魷魚羹

 「大」がたったの80TWD(約265円)である。主食は、ご飯、春雨、米粉(ビーフン)、麺などが選択できるが、僕はご飯を選択した。そうすると、ご飯にイカのとろみスープがたっぷりとかけられたものが出てきた。魚介類のしっかりとした味わいもすばらしいが、何しろ、小雨がぱらつき少しばかり肌寒さもあったから、体もよく温まって幸福感のある一品だった。台湾の食は、そら恐ろしい。
 それから、華西街夜市へと歩いて向かう。艋舺夜市のすぐ隣にあって、龍山寺の門前町として発展したところだ。台北で最も初期からあった繁華街ではあったが、風俗街として落ちぶれてしまったところだ。現在、浄化が進められているが、今も裏通りに入れば置屋があって、しつこい客引きに出くわすことができる。台湾ヤクザの収入源はこのあたりにあるらしい。アーケードのかけられているメインロードである華西街にはさすが置屋は見られないが、大人のおもちゃ、ベトナム人や大陸人によるマッサージ店、蛇やすっぽんを使った料理や、その血といった精力のつく品々が売られているお店などが立ち並び、そういう怪しい気配がある。K氏によれば、このあたりに足しげく通ってくる人は中年、老齢男性が多く、大人のおもちゃを利用したり、そういった精力のつくものの力に頼らないと、果てることができない人たちなのだそうだ(笑)
 とある露店に立ち寄る。お粥屋さんだった。
 龍眼米糕粥(40TWD, 約130円)を出してもらう。

IMG_6948【2016.4.26】龍眼米糕粥

 龍眼(ロンガン)で味付けをした、もち米のお粥である。これもまた温かい、お腹にしっかりとたまる一品で,
雨に濡れ、少しばかり肌寒い日にはちょうどよかった。
 K氏は花生湯という、アーモンドの温かいスープを食べた。その他にも、八宝粥、紅豆湯、緑豆湯、薏仁湯(ハトムギ)など、気になるメニューが並んでいたが、龍眼米糕粥ひとつでお腹がいっぱいになってしまった。
 それからK氏は「苦茶」というものを注文し、僕に飲ませた。

IMG_6953【2016.4.26】苦茶

 オーナーのお手製で、幾種もの漢方を煮出したお茶なのだそうだが、これが強烈に苦い。人生、こんな苦いものを飲むのは初めてだった。あまりにも苦いので、顔が歪んでしまう。風邪薬よりよっぽど、苦い。しかし健康には非常によく、夏バテによいという。K氏は日本人に台北を案内する時はいつも、こういったものを飲ませて、その人がどういう顔をするのか観察して楽しんでいるようであった(笑)

IMG_6954【2016.4.26】華西街夜市

 オーナーのおばさんは非常に、色白である。そのことについてはK氏も以前気になり、直接、質問したことがあるという。アルビノ(先天性白皮症)で、先天的に色素が抜け落ちているという。

IMG_6957【2016.4.26】華西街夜市

 そうして台北の夜がふけていった。 
 台北はまだまだ知らないことがたくさんある。

■兩喜號魷魚羹
住所:台北市廣州街245號
MRT龍山寺駅から徒歩2分
営業時間:午後4時~午前0時

■華西街夜市
 MRT龍山寺駅から徒歩すぐ 


 瀧乃湯(#0262.北投温泉「瀧乃湯」でキチガイじみた入浴をする)を満喫してから、温泉郷を歩く。ph1.0台の強酸性のお湯のせいなのか、それとも44度という高温のお湯のせいなのか、肌が赤くなって、ぴりぴりと痛む。髪の毛はまだ濡れている。湿度が高いからか、ちっとも乾きそうもない。
 ところで、台湾で温泉は一般的に「水着を着用して入浴する」と説明されることがある。しかし全ての温泉がそうだとは限らない。「瀧乃湯」のような男女別の浴槽が設けられた、裸湯(全裸で入る温泉のことを中国語で「裸湯」という)も少なくはない。
 さて、湯気がもくもくとたちこめている「地熱谷」に到着した。

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【2016.4.26】地熱谷

 ここから温泉が湧き出ているようである。「水溫極高請勿涉入」とあるが、水温は70度を超えているそうで、足を踏み入れたら火傷をしてしまうだろう。これがそのまま、露天風呂だったらとてもすばらしいと思うのだが。
 硫黄臭がぷんと、鼻をつく。

IMG_6920【2016.4.26】地熱谷

 一国の首都の、地下鉄の駅から徒歩で行ける場所に、このような景色が広がっているというのはいささか不思議なことであると思う。温泉大国を自称する日本ではあるが、首都の地下鉄の駅からの徒歩圏内にこのような景色は存在しない。

IMG_6926【2016.4.26】地熱谷

 かつては住民たちがやってきて温泉卵などを作っていたそうだが、火傷をする人があとを絶たなかったし、水質の悪化がみられため、現在はそのような行為は禁止されている。水温が70度程度だというので、白身がしっかり塊、黄身の部分がとろっとしているおいしい温泉卵が作れそうだが、禁止されているとは残念である。

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 石や岩には、硫黄とみられる黄色いものがへばりついているのが見える。

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 底をよくみていると、お湯が湧きだしているようすを見ることができる。お湯が湧くたびに、水底の砂が湯中を舞う。
 また、地熱谷のすぐよこにはお土産屋さんがあって、自宅でも温泉気分が楽しめる湯の花や、木桶や石鹸といった温泉グッズが販売されているので要チェックだ。

■地熱谷
 住所:台北市北投區溫泉路
 MRT淡水信義線支線新北投駅から徒歩15分 


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