地球の覗き方

地球のことをのぞいてみよう

カテゴリ: 香港

 友人と落ち合い、将軍澳線の坑口(Hang Hau)駅で下車し、M101バスに乗る。

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【2016.10.2】バス

 西貢(Sai Kung)へと向かう。海に囲まれた、自然豊かなところで、香港人が休日を過ごすところだという。

IMG_4950【2016.10.2】西貢にて

 広場にアートがある。「抗日戦争」や反ファシズムについて書かれた新聞記事やら、「独立香港」の4文字が見える新聞記事によって折った舟をモチーフにした作品が水の上に置かれている。
 昼食を食べるために、「陳權記餐廳小廚」に入る。店内は客でごった返していて、当然のように相席となる。

IMG_4951【2016.10.2】レモンティー

 レモンティーを飲む。香港のレモンティーというと、レモンが底に沈んでいることが多いと思う。底に沈ませたレモンを、スプーンやストローでつつきながら、レモンティーにするのだ。そういうことをしていると、香港にやってきたという気がする。

IMG_4952【2016.10.2】卵とトースト

 卵とトースト。

IMG_4954【2016.10.2】香港式チキンカレー

 それから、香港式のチキンカレーを食べる。香港式のカレーは初めて食べる。香港式のカレーは東南アジア風だ。東南アジア方面の華僑が、香港に持ち込んだのだろうか。ピリッと辛くて、暑い日によく合う。
 友人は西貢には久しぶりにやってきたというが、子どもの頃は近くに住んでいて、友人たちとよく通ったというお店だという。
 それから、食堂のすぐ近くにあるベイカリーへと向かう。

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 漢字名は「西貢咖啡餅店」である。つまり「餅店」がベイカリーにあたる言葉なのだが、中国語圏では小麦粉やお米をこねたりして作ったものはすべて「餅」と称され、パンや、ケーキ、それからクッキーやビスケットまですべて「餅」となる。日本における「餅」は意味が非常に狭まっている。

IMG_4958【2016.10.2】列

 たくさんの人が並んでいる、人気店なのだ。

IMG_4959【2016.10.2】菠蘿包(ポーローパーウ)

 できたての、菠蘿包を皆が次々と買い求めていく。
 形容するなら、さくさくとした、高さのあるメロンパンといったところだろうか。「菠蘿」とはパイナップルという意味で、パンの網目模様を日本人はメロンだと思い、香港人はパイナップルだと思ったのである。ちなみに菠蘿包にはパイナップルの果汁は入っていない。
 2つの菠蘿包を買ってから、海岸へと向かった。

■陳權記餐廳小廚
 住所 :  西貢海旁廣場金寶閣11號地舖
 営業時間 : 午前7時~午後11時半

■西貢咖啡餅店(Sai Kung Cafe & Bakery)
 住所 :西貢海傍廣場2號金寶閣6-7號舖地下


 それにしても、蒸し暑い。友人に会う前に、散髪でもしようと思った。

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【2016.10.2】旺角(Mong Kok)にて

 時刻は午前11時半だった。

IMG_4938【2016.10.2】旺角(Mong Kok)にて

 香港の多層的な生活の風景は、いつも見ていて飽きない。たくさんの看板が空中に出ているから、すぐに床屋か美容院を見つけられると思ったが、なかなか見つからない。
 あったとしても、営業をしていない。

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 もう11時半だし、営業していてもよい時間だと思うのだが、営業していないのは日曜日だからだろうか。

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 みっともないから、散髪する前にあまり汗をかきたくないのだが、歩き回っているとびしょびしょに濡れてしまった。

IMG_4943【2016.10.2】旺角にて

 一体、どこに営業中の床屋や美容院があるのだろう。

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 美容院や床屋以外でも、シャッターを下ろしている店舗が多かった。
 ようやくひとつ、発見した。

IMG_4947【2016.10.2】Hair Salon Amami 夢妮卡

 「Hair Salon Amami 夢妮卡(モニカ)」とある。アマミが店名なのだろうか、モニカが店名なのだろうか。
 英語で散髪をしてくれないかときくと了解のサインが出てくる。鍵付きの持ち物と貴重品をロッカーの中にいれるように言われ、中に入れる。それから、案内された席に着く。美容師を紹介され、まず、シャンプーへと行く。シャンプーが気持ちよい。それから、また席へと戻る。どういうスタイルにしたいのかと言われたが、僕も美容師も英語の能力が不十分であるため伝えきれなかったから、ヘアカタログを持ってきてくれる。日本のヘアカタログだった。せっかく、香港にやってきたのに、日本式になってしまうのだろうかと思いつつ、これくらいの長さにしてほしいと伝える。それからカットが始まる。カットは速すぎず、丁寧だった。僕を担当した美容師は、ゲイの人だった。見れば、分かる。
 店内を見回すと、客にはマレー人やインドネシア人の女性が多かったと思う。また、美容師のうち何人かもまた、マレー人やインドネシア人だった。香港で働く、マレー人やインドネシア人のメイドたちをメインの客として営業している美容院なのだろうか。そうだとしたら、この美容院が他の美容院とは異なり、日曜日の午前中から営業している理由が分かる。メイドの休日、メイドが家で仕事をしなくてよい日曜日に、髪を切りにこれるように営業しているのだろうか。美容師とはほとんど会話はなかった。「どこから来たんですか?」「日本です」「何日間、いる予定なんですか?」「2泊の予定です」。これらが全てだったと思う。
 そうしているうちに、散髪が終わった。シャンプーをする前、細かい髪をドライヤーで飛ばすとき、耳に散った髪をドライヤーで飛ばしきれなかったのか、最後に吐息で耳を吹いたのは少し気色が悪かった(笑)最後にワックスもつけてくれたけれども、たくさん汗をかいたため、すぐに流れてしまった。
 カットとシャンプーで90HKD弱(約1300円)だったから、安いと思う。

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 こうして僕は、このような髪型になったのだった。日本のヘアカタログから髪型を指定したのだが、ザ・日本という感じにはならなくてむしろよかった(笑)
 海外で髪を切るのは、韓国、台湾(#0259.台湾で髪を切ってみた)に続いて香港が3か所目だった。次はどこの国で髪を切ろうか。


 中国大陸が、国慶節連休に入ったためか、香港の宿泊施設は宿泊料金が高騰している上、軒並み満室だった。中国人の旅行先は日本やタイ、韓国など多様化していて、以前と比較すると香港の人気はすっかりと落ちてしまったというが、それでもたくさんの観光客がやってきている。
 そのため、宿泊施設を探すのに難儀をしたが、10月1日の夜は、香港盛逸酒店(Mexan Harbour Hotel)が1泊364人民元(約5570円)と、その日の香港の多くのゲストハウスのドミトリーのベッド1台分よりも安い価格で宿泊できるホテルを発見したので、そこに泊まることにした。
 しかし価格がなぜか、人民元で提示されている。香港にあるならば、香港ドルで提示されるべきではないだろうかと思いつつ、どうせクレジットカードで決済するから、人民元であれ香港ドルであれ、大きな違いはないものと思い、予約してしまった。

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【2016.10.1】ホテルにて

 ホテルは、青衣にある。MTRの駅から近いというわけではなく、荃灣線の葵芳(Kai Fong)駅などからさらに、バスに乗らなくてはならない。セントラルからは約1時間を要し、アクセスはがよいとは言えない。フロントのようすを見るに、宿泊客はほとんどが中国本土の人たちであった。
 部屋は広いとは言えない。浴室・洗面台にはシャンプーを除けば、何もない。シャンプーも歯ブラシも、剃刀も何もない。テレビや電話機、ドライヤーといった部屋にある備品はすべて、鎖によって壁や机にくくりつけられている。
 また、「客房損壊物品弁償價目表」という一覧表が部屋に置いてあって、客室に備え付けられている物品を壊した場合の罰金が掲示されている。たとえば、バスタオルは100HKD(1450円)、浴室のガラスの扉2250HKD(33000円)、冷蔵庫4800HKD(70000円)、空調機6000HKD(88000円)という具合で、約50の備品について全てが決められている。
 一体、このホテルはなんなのだろうか。何を警戒しているのだろう。備品を壁や机に鎖によってくくりつけて盗まれないようにしたり、客室の備品を損壊した場合の賠償金額の一覧を客室の目につくところに置き、客に備品の扱いに気を付けさせる。こういうことをされると、自分が「信用に足らない人間」としての扱いをされているような気がして、あまり気分がよいとは言えない。
 持参したスマートフォンの充電器が、香港のコンセントの型と合わなかったため、変換用プラグを借りようとフロントに言ったところ、販売はするが貸さないというから、借りなかった。

IMG_4922【2016.10.2】客室からの景色

 朝を迎える。

IMG_4926【2016.10.2】ホテルからの景色

 こういうホテルの居心地はあまりよくないので、すぐに出てしまうことにした。
 
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【2016.10.2】ホテルからの景色

 周辺には、高層アパート団地などが立ち並ぶ。

IMG_4929【2016.10.2】ホテル周辺からの景色

 それにしても、おかしなホテルであった。

IMG_4930【2016.10.2】ホテル

 あたかも客を「適切に管理しないと備品を破損したり、盗み出す野蛮人」のように扱っているこのホテルにまた、お世話になることはなさそうだ!

■香港盛逸酒店(Mexan Harbour Hotel)
 住所 : 青衣路1號


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