廈門で滞在していたホテルは、漢庭快捷酒店(禾祥西路店)だった。朝食を食べに、外に出た。ホテルのすぐ近く、禾祥西路にある小吃(シャオチー)のお店に入る。店員のおばさんが何かをいう。「外国人だから、中国語分からない。」と笑ってみせると、おばさんはああなるほど、といった表情をみせる。席に座り、スマートフォンをとりだし、「粽子」と入力して、おばさんにみせる。おばさんは、いくつ必要かと中国語で尋ねる。「两个(ふたつ)。」という。通じた^^

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【2015.10.30】粽

 粽(ちまき)。銀色の容器に、持ってきてくれた。ああ、笹の葉は剥かれちゃったのか。僕が剥きたかったのになあ。粽の、笹の葉を剥く作業が好きなのだ。なぜだろう。剥くという作業が、本能的にエロいからだろうか。
 ふたつで10元。約190円だ。中国の物価はまだまだ安い。おばさんは、テーブルの上に置いてある「蒜蓉辣醬」を指し、それをかけて食べると「好吃(ハオチー, おいしい)」なんだという。だから、粽を箸でほぐして、かけてみた。テーブルの上の粽をデジタル一眼レフで熱心に撮影する外国人。「カシャッ」「カシャッ」とシャッターを切る音が店内に響く。奇妙な光景に思われたかもしれないけれども、店員のおばさんは微笑んでくれた。おそらく、「私が提供したものにこんなに興味を持ってくれて、ありがとう。」という類の笑みであった。僕が微笑むと、おばさんはまた微笑み返してくれた。閩南の人々は気性が穏やかだと思う。
 それにしても、にんにくたっぷりの辛子味噌である「蒜蓉辣醬」と、粽の組み合わせはレジェンド級だ。うまい。昨晩は粽を、ピーナッツソースとチリソースで食べたけれども、蒜蓉辣醬の方が僕は好きだ。具は、椎茸、栗、豚肉・・・。どれもおいしいね。
 これは帰国後に知ったことなのだが、廈門(アモイ)の粽は「廈門肉粽」として有名だという。油が控えめで、甘辛い味付けがその特徴だそうだ。