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 池袋へ、蘭州ラーメンを食べに行く。
 向かったのは「中国蘭州ラーメン火焔山蘭州拉麺」の池袋店だ。平日の夕方、店内の大部分の客は、中国人で、店員の応対も中国語である。(しかしその店員は、中国語が通じないと分かると、日本語に切り替えてはくれる)

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【2017.11.13】メニュー

 漢方入り蘭州ラーメン(980円)を注文する。
 醤油ラーメンや、味噌ラーメンもあったけれども、蘭州拉麺専門店なのだからこれを食べないわけにはいかない。ちなみに蘭州拉麺はイスラム教徒である回族の料理であるから、豚骨ラーメンはもちろん、存在し得ない。
 麺は店内で、手打ちで作っていて、その様子をカウンター席から見ることができる。屈強な男たちがバンバンと、生地を手で打っている。気になるのは彼がマスクをすることなく、中国北方特有の大きな声で、厨房にいる他の料理人と雑談をしながら、生地を打っていたという点である。唾しぶきのいくらかは、きっと生地に入りこんでいるはずなのだけれども、そういうことを気にしていたらきっと、何も食べられなくなる。
 蘭州ラーメンが出てくる。

IMG_6138【2017.11.13】蘭州拉麺

 手打ちのもちもちした麺がおいしい。麺に、訪問価値があると思う。
 それから、羊肉串も注文する。

IMG_6144【2017.11.13】羊肉串

 かつて西安やウイグルで食べたもののように、スパイスがたっぷりついていて、現地のものと変わらない。
 現地と違うことがあるとすれば、お店が妙に清潔で、照明が明るいことだ。それだけは、中国の街角の古びたお店とは違う。

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 ちなみに店内では、ビールなどの酒類も提供される。イスラム教徒である回族の料理店で、アルコールを提供するというのはなんだかおかしかったけれども、酒類は利益率も高いというし、東京で飲食店を成立させるには仕方ないのだと思う。

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【2017.11.13】蘭州拉麺・火焔山にて

 慌ただしく、あまり長居できる雰囲気のお店ではなかったから、食事を終えて、すぐに出た。
 なおこの店舗は、もともと西川口にあるお店の系列店だという。

■中国蘭州ラーメン火焔山蘭州拉麺
 住所 : 東京都豊島区池袋2-47-7 フォーレセブンビル 1F
 営業時間 : 午前11時~午後3時, 午後5時~午後11時(ラストオーダー午後10時半)


 台湾最大の牛肉麺チェーンである「三商巧福」の店舗が日本にもある。赤坂店は、2014年の秋、日本上陸を果たした際の第一号店である。
 「三商巧福」の店舗は台湾東部と離島を除く台湾各地にある。東京在住の台湾人が、台湾の味を求めにやってくることが多いようで、僕がこの店舗の存在を知ったのもやはり、台湾人の友人に誘われて行ったことがきっかけだった。

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【2016.3.28】三商巧福

 牛肉麺630円、豚ロース飯630円となっている。台湾での価格、105元(約345円)の二倍程度の値段ではあるが、ひどく高いというわけではない。

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【2016.3.28】メニュー

 おつまみや、酒類の提供も充実しているが、店舗の雰囲気はテーブル席ではあるが吉野家などの牛丼チェーン店と変わりはないので、長くくつろげる雰囲気というわけではないと思う。

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【2016.3.28】メニュー

 ジャージャー麺を注文する。

IMG_5549【2016.3.28】ジャージャー麵

 それから、排骨飯を食べる。

IMG_5553【2016.3.28】豚ロース飯

 何よりもいいのは、高菜と豆板醤がタダで提供されているという点である!

IMG_5548【2016.3.28】高菜と豆板醤

 白いご飯を頼んで、高菜ご飯という芸当もできる。
 味について言えば台湾の友人が、台湾のものとほぼ同じ味だと言っているから、台湾のものに似ているんだと思う。僕にとってはおとなしい味というか、いわゆる台湾の香辛料らしさがほとんど感じられなくて、おいしいんだけれども、少なからず日本化されているような印象を受けた。

■三商巧福
 住所:東京都港区赤坂3-12-11
 東京メトロ千代田線赤坂駅から徒歩3分
 営業時間:午前11時~午後11時(L.O.22:30)



 旅行が好きだとはいっても、年中、旅行をしているわけにはいかない。また行きたいなあとは思っても、すぐには行けない。東京にいながらその渇望を癒せるのは、各国料理店めぐりである。料理店に行っては、この味は現地のものに近いだとか、これはずいぶん日本化しているだとかいうことを考えるのが好きだ。
 たまたまインスタグラムにアップロードした金門島の写真に、ある台湾料理のお店が「いいね!」を押してくれた。二子新地にあるという。家の近くだったから、台湾人の友人を連れて行くことにした。それが台湾の味に本当に近いのかを調査するために。僕は意地悪なのかもしれない(笑)
 2015年1月に開店したばかりという麺線屋 formosa(フォルモサ)。大山街道沿いのローソンストア100を左手に入るとお店はある。住宅街にあるので本当にここにあるのかな、と不安になる立地だが、マンションの1階にきちんとある。お店に入るとふっと八角と香草の臭いが漂う。これはザ・台湾ではないか。期待が高まる。カウンターが5席、4人掛けのテーブルがひとつと、2人掛けのテーブルがひとつというこじんまりとしたお店だった。4人席には台湾人のグループが話に花を咲かせている。在日台湾人にも有名なお店らしく、ますます期待が高まる。
 麺線のハーフと魯肉飯(ルーローハン)のハーフ(900円)のセットを注文した。どちらも台湾のソウルフードである。

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【2015.12.2】麺線屋

 木製の箸と、金属製のレンゲがおしゃれな紙の上に出された。「花蓮県」のところに、「マンボウ料理」と書いてある。へえ、台湾にマンボウ料理があるんだと思わず声を上げたところ、在日歴15年で屏東出身というオーナーの女性の方が、「そうらしいですよ。台湾出身の私も食べたことありませんけどね。」という。
 僕は日本でマンボウを食べたことがある。弾力のある白身の魚で、身はふつうの白身魚とイカの中間のような感じだった。臭みはあまりなく、鍋の具材としてなかなか優秀だった。マンボウの肝臓も食べたのだが、こちらの方はあまりにも臭いため、どう食べればよいのか分からなかったことを思い出す。

IMG_1831【2015.12.2】麺線

 麺線が出てくる。このとろっとした鰹出汁のきいたスープ。たっぷりとのっけられた香草、僕の好物だ。これは。なかなか台湾らしいじゃないか。た台湾出身の友人も「台湾と同じ」という。

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【2015.12.2】魯肉飯(ルーローハン)

 魯肉飯。味の染み込んだ椎茸がいい。

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【2015.12.2】蛋餅

 その日から、新しいメニュー「蛋餅」の提供が始まったというので、注文した。台湾人の友人はこれが一番気に入ったという。ぺろりと平らげてしまった、また来たいと思う。

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【2015.12.2】麺線屋

 それにしても最近、二子新地から高津、溝の口にかけて個性的なお店が増えていると思う。特に二子玉川ライズが開業してから、その傾向に拍車がかかっていると思う。メディアの注目を集めている二子玉川の方は物価も高いし、敷居も高い。だから、多摩川を挟んだ対岸の地域を、新しい勢いは目指しているように思う。将来が楽しみな地域のひとつだ。

■麺線屋formosa(フォルモサ)
住所:神奈川県川崎市高津区二子2-15-7
営業時間:午前11時半~午後3時 午後6時~午前0時
定休日:火曜日



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